「今までの私」
はじめまして、深海 律です。
はじめての恋愛ものです。
読むのはいいけど書くと、こんなになります。
よろしくお願いします。
ああ、嫌な夢だ。
いつもいつも、無駄にリアルな。
何かの罰かと思う、゛見知らぬ゛夢達。
覚めてもまとわりついて・・・。
でも、今日の夢はさらに゛痛い゛。
ーーーやり直しは叶わぬ今生と現状。
我らも見守る逢瀬は望まぬか・・・。
『竜の詩人(語り部)』
私の中には何もない。
何も持たずに生まれてきた。
いや、それどころか病魔を身に受けて生まれてきた。
いわば、マイナススタートだった。
加えてしたい事はあったが親族共に否定的で、どれだけベストを尽くそうと訳の分からない理由で否定され、彼らの望む選択をした途端手の平を返したように笑顔で協力するのであった。
どれだけの努力も無駄だった。
それでも、基本的に前向きで本来気も弱い訳ではなかった私はがむしゃらに努力したわけだけど。
もう少し、うまく、頭を使うべきだったかもしれない。
だがそれでも、いつもこの時の事を思う。
せめて「どうせお前には何の才能もないから」ではなく、試す機会くらいは欲しかった、と。
身体を患って生まれたせいだろうか?
極端に体力もなく、働きながら希望した道に行くという事も出来ず、親族から離れる事も出来ずで過ごす事になった。
そこに反発したが結果は変り者の烙印を押された。
家で出る事は外でも出るとはまさにこの事か、いつも気を張りツンツンしていたせいか、同性異性問わず友人もできなかった。
身体を患っているからなど、全く関係ない事でも疎まれ馬鹿にされ嫌がらせも随分受けたものだ。
社会人になって、と言うよりも就職する際も下げずまれ不採用。
気持ちは分かるが、といつも思うようにしていた。
それでも職に付き、1人細々と戻らない時間を思いながらも普通にこうして生きているのも幸せなのだろうと思っていた。
そう、今自分は自由なのだから。
流石に束縛しすぎた結果が今の私の姿で、兄が2人もいるからか30歳を越えても親は「早く結婚しろ」などとは言っては来なかった。
ああ、私恋愛経験も無いや。
フッと浮かんだが、醜悪という訳ではない普通の容姿だがいままで女扱いされた事すらないからか実感が無さすぎて何も感じなかった。
多分、何が好きとか愛しいという感情かも分からないだろうし。
おしゃれなどあの束縛の中ではあり得なかったのだし、やはり誰も何も言わなかった。
性格は成人するまでは反発してはいたが純粋かつ、素直だったらしい。
少なくとも、こんなにすれ、人を疑ったりはしていなかった気がする。
そんなこんなで自分を見返した私『音袙 南月』は、何も持っていない空っぽな人生を生きていたのだった。
それでも、いい事あるしと前を向き続けている。
それでも、また訳の分からない理由で私の人生はかき乱される。
何故こうなった?今さら。
ただ、今までの私なら、親族にくっついていた私ならただ言いなりになっていただろうと思う。
そうしなければ生きて行けなかったのだから。
だが、今の私はひとりではあるが自立している。
そう、独立したのだ。
今はすきにできる。
もう、束縛は無いのだから今度こそ抵抗する。
沢山のものを諦め、これからも諦めるしかない事があるはず。
でも、私は今、幸せでそれを奪われたくはない。
そう勇んだ筈なのに、私は力に敗れまたひとつ諦める事となった。
暗い、ですね。
まだ、何も始まってません。
南月をよろしくお願いします。