知ること
めっちゃ短いね。
「ん、あぁ。アレか~。ってか、何で麗緒がここにいるんだ?」
という翔に、
「っていうか、まずアレってどれだよ!」
とつっこむ最成。
「分かったわ。私が全て答えるから。」
「おー、よろしく頼むー。」
「うん、頼まれたわ。まず、私と黒神くんの契約は"次の定期考査で黒神くんがワザと2位を取る"ということよ。もう、一つここにいる理由は、黒神くんを追ってきたからよ。」
「ストーカー?!」
「いえ、断じて違うわ。」
再びつっこみをかます最成に、冷ややかに返す麗緒。
さすが関西人、素晴らしいつっこみだ。
「じゃあ、何でだよ?」
「さっきから何で何でってうるさいわ。人間には脳みそがあるの、ちょっとは考えなさいよ。」
「えっ、俺脳みそ…。」
麗緒の発言に最成ではなく翔が傷付いていた。
「ああ、もう!洋館の主に会えば万事解決するわ!」
「洋館の主って誰なんだ?」
ひたすら問う最成に、
「あああああああ!!うるさい!うるさい!うるさぁーーーーい!麗緒だって会ったこと無いから知らないもん!!!!!」
遂に喚き出した麗緒。豆腐メンタル。
普段の様子からは全く想像も出来ない姿に成り果てた麗緒に翔は驚いたが
「泣くなって。悪かった、悪かった。」
頭をポンポンと髪を梳くようにしながら撫でる翔に、
「黒神くん、臭い。」
真顔で返す麗緒。
「うぇっ?!」
「2ヶ月、これがあなたが失踪していた期間であり私があなたを探していた期間でもあるわ。あなた、その間お風呂に入った?」
フルフルと首を横に振る翔。
「じゃあ、食事は?」
さっきと同じ反応をする翔。
「はぁ…。これあげる。」
麗緒は背負っていたナップサックからパウチを取り出す。
「これ、飲んで。」
出すなり翔に投げつけた。
「いてぇ!って何だよ、これ?」
「分かっているくせに聞かないで。さっさと飲んで。」
翔は、分かっていた。
金臭いパウチ。おそらく、血だろう。
「サンキューな。」
「ええ。」
と、いう遣り取りに頭の上に「?」を浮かべる最成。
しかし、何と聞きたくてもさっき麗緒を泣かせてしまった罪悪感から聞くことが出来ない。最成は「はぁ…」と息を吐いて、分からないなら"あいつ"に聞けばいいかと思い行こうとしたが
「やめて、黒神くんを見ないで。」
と、麗緒に止められてしまった。
何でと聞きたかったが、やっぱり聞けない。
すると、
「人には知って欲しいことと、知られて欲しくないことと知らない方がいいことがあるの。」
と、意味深な言葉を唐突に投げられた。
さてさて、何故麗緒ちゃんは翔を追ったきたり何かとしてるのかな?




