存在の昇華
記念すべき20話ですよ。
ぱちぱち~。
「ふぅ~。」
と、2人は達成感に満ち溢れた溜息をはいた。
理由は至極簡単。台風が来た、と形容せねばならないほど荒れた部屋を片付け終わったからだ。
「全く、何があったんだよ…」
と、首を傾げながら翔の方(ボロボロになったが未だにセーラー服である)を向いた最成。
「いや、お前がわかんねぇのに俺に聞くなよ。」
と、苦笑しながら答える翔。
人が悪い、というより質が悪いのだろう。
「だよなぁ。」
と、納得してしまう最成はやっぱり最成だ。
「んでさ、さっきからマサの姿見ねぇんだけど知らねぇか?」
と、話を切り替えてきた。
「いや、マサならずっと俺の膝の上にいるけど?」
胡座をかいた翔の膝の上には、うとうとしてるマサがずっといる。しかし最成は見えていない、という風に
「何、つまらねぇ嘘ついてんだよ」
と、言うと夕食を作りにキッチンの方へ消えて行った。
「なぁ、にゃんこ。どーゆー事だよ?」
と、呼びかけると
「ふん、そのままの意味にゃ」
と格好付けてドヤ顔で答えたので翔は取り敢えずにゃんこをぶん投げた。
しかし、猫ならではの強かな動きでタンッと壁を足場にして見せた。
「突然ぶんにゃげるにゃんてひどいにゃあ…。」
「いや、お前が意味わからん事を言うから、だな。」
「だって、そのままの意味だもん?」
「猫が、もんとかやめろよ…。」
翔は呆れた顔をした。
「じゃあ、簡単に説明してやろう。にゃ。」
「好い加減、そのにゃーにゃーやめろよ。」
「いや、だって、キャラ薄くなるし、猫ってこと忘れられそうだし。」
「いや、にゃんこがキャラとか言うなよ、何か、こう、胸にぐさっと来るから。」
「それで、本題にはいるにゃ。」
結局、にゃーにゃー付けるらしい。突然、本題に入りやがった。
「俺はにゃ、主の従者、っつーか使い魔ににゃったわけにゃ。すると、ただのにゃんこという存在から昇華するんにゃ。昇華する過程で使い魔となる何かは主の魔力の一部を得ることになるんにゃ。そして、魔力を得ると、使い魔の類は魔力を持ったモノにしか姿が見えなくなる、んにゃ。供給する側は特に何も起こらない、にゃ。が、受け取る側は、無理矢理存在を一段階昇華されられるから多大な影響を受けるんにゃ。まあ、その影響の一部が最成が俺を見れなくなった、ってことかにゃ。っと、最成が来るにゃ。」
と、言い終わるなりにゃんこは翔の膝へと飛び乗った。
遅れて大変申し訳ございません。
此処の所忙しくて、いけませんね。
てへぺろ☆
それでは、この辺で。
アディダス!
ごほんごほん。
失礼、噛みましたわ。
アディオス!




