第一九話(作者:大岸都心)
カツッ、カツッと堅い床を憎らしげに叩く音が通路を反響する。
彼は何時も勝手すぎる。
「ほんっっっとに・・・全く」
誰もいない廊下で一人ごちる。
このような行為は人間の中でも特に無為な行為だと思う、しかし吐き出さなければ人は何処かで感情を爆発させるしかない。そうならない為に人は息抜きを必要とするのだが・・・
「せっかく今日はある程度時間が取れると思ったんですが、空気が読めないのはいつもの事ですけど」
彼の生来の性格なのかそれともなんらかの外的要因かは分からないが時々彼の思考が読めない、普段はあまり起こる事ではないが時々――つい先ほどの様な人に対し省みないような行動を取る。
そう無駄な思索をしていると分析器(たいそうな名前だがいわゆる高性能な情報端末)のある部屋のドアまで来た。
「こんなくだらない事は一刻も早く済ませますかね」
はぁっ、大きなため息一つと共に部屋に入り端末前の何時に腰かけデータを転送し、分析を開始する。
<分析開始>
無機質なガイド音声が耳に障る。
次々に分析途中のデータが前方の画面に記載されていく。
<分析中のデータを閲覧されますか> <OK>
100%照合など待っているのは面倒くさい、途中のデータからでもある程度の事柄は把握できるだろう。
<閲覧>
X月X日
今日私はこの部■に派遣さ■た。
きっと今ま■の■きと報告が■を結んだんだろう。これで妻や■■たちにもっと裕■な暮らしがさせ■てやれると思■と少し誇■らしい。今日は妻■私の■物ばか■を食卓に出してく■た、美■かった。
「ふむ」
――どうやら日誌か何かのようだがノイズが酷い
X月X日
この■署は今までのダ■ナーで無■力な連■のいた部署とは違い世■的に影■を生み■すような■大なプロジ■クトを研究している。■秘義務がある為に多くの■とは書けないが私■努力も世の中の繁栄に■しでも役に立つと思いた■。とはっても一研■者にやれること■どたかが知れているのだがな。
X月X日
今日は■ロジェクトの第一次報■会だった。計画は90%■りなく進行している。この分■ら次の段階に進むのに早々時間は■からないだろう。それにし■も久しぶりに同僚と酒を飲んだ■酒癖が悪い奴だった■を失念していた。■かげで散々な目にあった。とても記述したくない。
X月X日
プロジェ■トは次の段階へと進んだ。し■しここで■からの横■りが入った。
何■だ?このままいけば計■は無事完遂できると言うのに。
ザ、ザ
dahuti月X■
sh■uetitritがgjrjyjtei■uuiutoaeit■otjhiykuhyjkyjiky■ssaorjhtrg■utwynu
こレジャfhr■hhtrtjjtteではないのか
ビィー!!と突然大きな音が鳴る。
<警告!>
<システムエラー>
<分析は中断されました>
ブツッと嫌な音と共に画面がブラックアウトする。
「どうして?」
思わず声を上げる。
<復元中>
<データ損失>
はぁーーっっと深い深い溜め息と共に装置に雪崩れかかる。
コレ以上の分析は私の技能ではきっと無理だと悟らせるような文字の羅列に頭が痛くなる。
「結局何も分からず仕舞いのゴミデータってとこですかね?」
しかし、ただのデータで分析器が対応できないはずはない。
「しょうがありません、明日私も技術科に行くとしますか」
しかし――
「本当にトラブルばかり持ち込んで・・・」
愚痴は虚空へと消えた。
時間が空いて申し訳ないです。
もっとうまく書きたいものですね