パジャマパーティー?
部屋の変更をしたユーラは元の部屋に荷物を置いていなかったので鍵を返した。用意してもらった部屋は隣同士だったため、みんなで部屋へと向かう。
「じゃあ、明日はいつも通り二の鐘がなる前にはギルドに行くからな。起きて準備しとけよ?」
部屋の前に着くと、そういってクリューとレンは部屋へ入っていった。そう、この世界にはまだ時計がなく、日中に12回なる鐘の音で時間を管理するのだ。ギルドは二の鐘がなる時に開くと聞いていたので、今日ユーラは二の鐘がなった後に宿屋をでたが、冒険者達は早めに来てギルドの前で待つのが普通なのだ。
クリューがわざわざ言っていったのはおしゃべりに夢中になって夜更かしするなよという意味も込めている。ドアの向こうに消えようとしたクリューに「わかってるわよ!」と照れ隠しに怒って見せながらアリアが返事をし、2人も部屋へと入った。
部屋は1人部屋とほぼ同じような間取りだが若干広く、ベッドが2つおいてある。
「ユーラはどちらのベッドがいい?」
正直どちらでも良かったので、ドアに近い方のベッドを指すユーラ。
「じゃあこっちでいい?アリアはどっちでもいいの?」
「ええ。私は気にしないけれど一応聞いたのよ。」
「私もどっちでもいいから聞かなくても大丈夫だよ〜。」
とりあえず、各々荷物を置いてひと息つく。
「あ、ユーラは洗浄使えるの?使えないのなら私がかけてもいいけれど。」
洗浄はお風呂代わりに使う魔法の事だ。ユーラももちろん使う事が出来る。なんならお風呂を作る事も出来るが、今日の所はとりあえず洗浄で済ませる事にした。身体を綺麗にして着替えを済ませたユーラ達はベッドに座りどちらからともなく話し始めた。
ユーラは人魚の国で暮らしていた時の話(を地上の村での出来事っぽく改変した話)を、アリアはこれまで巡ってきた町の話を。
ユーラは変わり映えしない暮らしの話しかなかったためほとんどアリアが話していた。
今回、アリア達は全員のランクアップ(クリューとレンはB、アリアはC)のお祝いも兼ねて、全員が行ってみたいと意見があったアークラへ来たのだそうだ。
アークラは東の端にあり、他国に囲まれているティール帝国の中で唯一海と接していて他国で差別されている事もある民族と交易できる唯一の町。漁業もティール帝国内ではここでしかやっていないため、アリア達は美味しい海鮮目当てで来たのだとか。
「それにしても、アリア達ってランク大分上だったんだね…私足手まといじゃない?」
「う〜ん…。それはちょっと考えたけど、まぁやってみないと分からないわよ!リーダーがいいって言った訳だし心配しなくていいわよ。」
アリアはそういうと「思ったより長話しちゃったわね。寝ましよ?」といって布団に入る。
ユーラも明日の初めてのパーティーでの依頼に少しの不安と期待にドキドキしながら眠りにつくのだった。




