ランク昇格!
冒険者ギルドはまだ昼間だからかすいており、ユーラがカウンターを見ると丁度ユーラの冒険者登録をしてくれた人を見つけた。折角だからとユーラはその人のカウンターへと並び、スライムと薬草を提出するとスライムの核と溶解液、皮が完品な事を受け付け係は驚いていた。
まず、スライムは核を壊す倒し方が一般的なため核は割られて提出されることが普通なのだ。 割られた状態でも使い道はあるため、買い取りしてもらえるが、割れていないと値段は倍になる。しかし、割に合わないためわざわざ採取する冒険者はおらず、時折コアなコレクターや研究者などが別個で依頼を出す事がある程入手しようとするのは難しい、もとい、面倒くさい品となっている。
スライムの核を取り出す方法はいくつか発見されているが………
1、スライムの皮を切り裂いて抜き取る
2、スライムに取り込まれてから核を口部分から外に取り出す
の二つだ。1の方法は衝撃の逃がすスライムを切る、という高い技量が必要となり、2の方法は息を止めているうちに分かりづらいスライムの口から外に出さなければならず、何回かは間に合わず核を砕いてしまうし、どちらも溶解液はほとんど零れてしまう。結果的には報酬が同じくらいか、少なくなってしまうのだ。そんなスライムの核が5個全て、そして溶解液や皮も綺麗な状態で提出されたのだ。
「どうやって倒されたんですか!?」
受け付け係がつい聞いてしまうのも無理はない。
「え?えーと、水魔法の水球スライムの核を包んだら取り出せました!」
ユーラはそこまでスライムの核が珍しい事には気づいていないため「なんでそんなこと聞くんだろう?」と思いつつも素直に答えた。
「水魔法を遠隔で魔物の体内に…?そんな方法が…!」
と何やらブツブツと考え事をし始めた受け付け係にユーラは「あの〜…?」と困惑する。
「…!失礼しました。大変画期的な方法だったもので。ユーラさん、もしよろしければなのですがその採取方法をギルドで検証して、場合によっては広めでもよろしいでしょうか?検証の結果次第では報酬も出ると思いますよ!」
受け付け係の思わぬ熱量にユーラは少しタジタジとなりつつも、報酬の言葉に釣られて「じゃ、じゃあそれで」と応えた。引き気味のユーラを見て受け付け係は我に返り「こほん」と咳をして話を切り上げた。
「では、買い取りと、昇級の話に移りますね。ユーラさんが今回お持ち頂いた素材と、討伐報酬で計銀貨2枚と銅貨5枚、鉄貨8枚ですね。今回の討伐依頼の達成で条件を満たされましたのでEランクに昇格となります。おめでとうございます!カードを登録し直しますので一旦お預かりしますね。」
そういって受け付け係はサラサラと紙に何かを書き込んだあと、カウンターの下から取り出した水晶にカードをかざした。水晶が薄くピカッと光ると、カードに書いてあったFの文字がEに変わっていた。
「お待たせしました。どうぞ。」
そう言って渡されたランクの上がったカードに思わず頬が緩むユーラ。「ありがとうございます!」といいながら受け取った。
「あと、ユーラさん。私の名前はミナと申します。今回のスライムの核の採取方法について、質問がある際は、私の名前を出してお呼びください。」
そういいながら丁寧にお辞儀をする受け付け係、もといミナ。ユーラも慌ててお辞儀をしながら「お世話になります!」とかえし、町の散策をすべく、冒険者ギルドを離れたのだった。




