6章
気が付くと2か月が過ぎていた。毎日毎日推し活と仕事、証拠の整頓を繰り返していたらこんなに経っていたのだ。その話を北條さんにすると、
「やっぱり年を取ると時間が経つのが早くなるってほんとなんですね~」
とほざいてきたので自然な流れでお星さまにしてやった。きれいに輝けよ。
証拠もしっかりとれてきた。途中で北條さんが「これ……」と復讐班以外の録音データも渡してきた。今回は「すれ違いざまに襟にマイクを付けて録音しつつ仕事中に聞いてたんです」と言ってきた。
今回はしっかりはっきりと言ったが、前半後半ともに常人ができないことを彼女は理解しているだろうか。
しかしこれでいいのだろうか。あくまでこの会社から追い出すのが目的ではあるが、ここまで事が大きくなったなら世に流すのも悪くはないかもしれない。しかしそれには足りない。無名の人がパワハラセクハラしたところで話題になる世の中じゃないのだ。
世間の話題にとって大事な栄養は『どれだけ』ではなく『だれが』なのだ。
「北條さん、なんかいい案ない?」
「USBで渡した資料は全部読みましたか?」
「ああ、あのPDFのやつ?……もちろんみたよ」
「……本当ですか?」
「ア、アアア、あたりまえだヨ」
「嘘ですね。全部読んでください」
なぜバレた⁉やはり彼女の言う『実家』で特殊な訓練でも受けていたのか?




