1章
私にはあこがれの人がいる。いや、むしろ恋愛的に好きと言っても過言ではないだろう。その相手は…
「やっほーみんなー!ホークだよ~」
画面の中から聞こえる声、この人が私の好きな人だ。
ホーク。彼は駆け出しのOurTuberだ。正義のもとに悪をさらす姿がとてもかっこいいし、興奮する。
彼の声と、その姿、たまに出るおっちょこちょいなところがすごく私のフェチに刺さる。
「ホーク君配信してくれないかな~」
彼は基本的に配信をしない。でも私はそんなところも好きだ。動画だとテロップとかが入るし、彼の潜入スタイル的に時間がかなりかかるので、それらを考慮してのことだろう。
「今日も正義のもと!悪をさらしていくからよろしくね!」
ああ。かっこいい。
気づくとかなり遅くになっていた。明日も会社がある。早く寝ないとならない。
朝起きてホーク君のことを考える。もう私もすっかり恋する乙女だ。
会社に行こうと玄関の扉に手をかける。しかし、開かない。開けようとできない。
私の会社、部署には嫌がらせをしてくる同期がいる。だから、今日も嫌がらせを受けるのかと思うと、家から出られない。
とはいえ、仕事をしないと推し活もできないし、生活もできない。それは困る。ホーク君もTmitterで「推してくれるのはうれしいけど、体壊したらだめだからね!」と言っている。これもホーク君のため、と重い玄関の扉を開けた。




