表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

還暦勇者? 異世界転移する 1

私の名は【竹田信晴】武田信玄好きの父に俗名

「晴信」を逆さにして命名された。

目笠電機産業株式会社 埼玉支社第一営業部

第一課の課長をしていた。

60歳定年から継続雇用で平社員から再出発の

日に、とんでもないことに巻き込まれてしまう。

果たして私は無事に「古希(70歳)」を迎える

ことが出来るのだろうか?

ピリピリッ!、ピリピリッ!、ピリピリッ!

私のスマホの目覚ましアラームが鳴ってる。

いつもの朝に、いつもの目覚ましアラームだが

零和6年4月1日は新たな出発の朝になるはず

・・・だった。

いや?改めて想い返すと、ある意味その通りに

なったのか。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

(う~ん目蓋が重い。二日酔い?年甲斐もなく

昨夜は羽目を外し過ぎたか)

それでも意を決して目を開けると、裸眼でぼや

ける近視の目に見覚えの無い天井が見えた。

(はて・・・自宅じゃないな?ここはどこだ?

 そんな事より早くアラームを止めないと)

「どっこいしょっ」と、いつもの口癖を言い

ながら重い身体を起こそうと寝返りを打って

手を伸ばした。

その時だ、私の掌は『むにゅ』とした弾力の

軟式テニスボールのような手触りを感じた。

(なんだ?)一瞬戸惑ったものの、触り覚えの

ある"それ"を思わず掌に包み込み圧縮&開放を

繰り返した。

それは紛れもなく全ての男子が憧れる"それ"に

間違い無かった。

更に圧縮&開放すると、再び『むにゅ』とした

感覚と共に「あんっ❤」と言う艶っぽい声。

驚いた私は、今一度裸眼でぼやける近視の目を

擦り擦り凝視すると、見覚えのある女性の顔が

そこにあった。

「咲良くんか?」と問い掛けると「あっ、課長

おはようございますぅ」と屈託なく挨拶をする

彼女は、やはり【鴨川咲良】だった。

彼女は、目笠電機産業株式会社 埼玉支社第一

営業部第一課の部下だ。

(いや、今日からは同僚だな)

我社では、60歳定年後引き続き職場に残れる

制度がある。(但し役職は無く平社員だが)

「あぁ、おはよう。ところで咲良くん、ここは

何処だね?」と問い掛ける私に、彼女は再び

笑顔で言った。

「やだなぁ課長、ここ私のアパートですよぉ」

「昨夜泊ったじぁないですかぁ、えへっ」

「昨夜は私の還暦(60歳)祝いだったが、

そのあと私は君の家に泊まったのか?」と聞く

私に少々拗ねた表情で咲良くんは話を続けた。

「そうですよぉ、覚えてないんですか?昨夜は

あんなに激しかったのにっ」と答えたあと唇を

尖らせた。

私は「ふう」と小さく溜息をつき、(この娘は

けろっと、とんでもないことを言うんだなぁ)と

苦笑いした。

目覚ましアラームは、まだ鳴り響いていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ