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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私達が人魚になった日

作者: ライジング

今から少し先の未来の日本。発達したテクノロジーは、ついに人間を人魚化させる事を可能にした。現時点では人魚化できるのは3~18歳の女の子のみがだが、今後18歳以上の女性や男性も人魚化可能になると言う。その上、一度人魚化すれば陸上でも水中でも活動可能なだけで無く、不老不死にまでなれる為、今女の子達の間で話題になっている。そして今日、都内のとある臨海都市では政府研究機関主催の大規模人魚化実証実験が行われようとしていた。会場である研究施設には全国から集まった3~18歳の女の子およそ10000人が列を作っていた。

夏美「わ~、凄い列!私達何番目だっけ?」

宇美加「夏美ちゃんが630番で、私が631番だって。でも午前中には人魚化できるって整理ハガキに書いてあったよ。」

この2人の女の子、夏美と宇美加は、この臨海都市に住む共に10歳の仲良しコンビ。2人共幼い頃から人魚が大好きで、今回の大規模人魚化実証実験にも募集開始後、真っ先に応募した。

夏美「でも人魚になれるなんて夢みたい!しかもずっと宇美加ちゃんと一緒にいられるんだから、もう最高だよね!」

宇美加「私も最初は嘘みたいと思ったけど、夏美ちゃんと一緒に人魚化できるなんて、今から楽しみ!」

やがて、夏美と宇美加達の順番になった。まず、受付で人魚化の為の書類と整理ハガキを係員に渡して、「人魚化ガイドブック」と言う本と研究施設のプールのロッカーの鍵を受け取った。次に空港の金属探知機の様な機械で体をスキャンされ、体の状態を検査された。夏美と宇美加はこの検査をパスすると、広い講堂の様な部屋に通され、研究員から今回の実証実験及び使用する人魚化薬の効果に付いての説明を受けた。

研究員「皆さん、本日は大規模人魚化実証実験に参加頂き誠にありがとうございます。それでは、今回の実証実験の内容及び今回の実証実験で皆さんに投与する人魚化薬に付いての説明を行います。受付でお渡しした『人魚化ガイドブック』を参照しつつ最後までよく聞いてください。まず、今回の実証実験では皆さんに当研究機関が開発した人魚化薬『ティアー89』を投与し、その人魚化作用をテストします。その後は当施設自慢の大プールで皆さんの人魚化具合を確認した後、各自帰宅となります。次に今回の実証実験で皆さんに投与する人魚化薬『ティアー89』に付いて説明します。この『ティアー89』には人間の遺伝子を人魚の物に改変する作用があり、投与すれば約30分程でたちまち体が人魚化します。人魚化すれば陸上だけで無く、水中でも活動可能になり、さらに遺伝子改変の影響によって、投与時の状態から一切の老化現象等が発生しなくなり、またいかなる病気や毒物、さらには酸欠等でも一切死ななず、どんなに体を傷つけられても即座に再生する不老不死の体に変化するのです。尚、一度人魚化した後は自分の意思で自由に人間の姿に戻ったりする事も可能なので、ご安心ください。そして最後に、人魚化後の生活に付いての説明です。今回の実証実験で人魚化した皆さんは、政府が新たに制定した『人魚化特別法』に基づき、人魚化した時点で成人として扱われ、学校等に通っている方は卒業扱いとなります。その点に注意して、楽しい人魚生活を送ってください。それではこれより投与を行いますので、実証実験室に移動してください。」

説明を聞き終えると、夏美と宇美加達は、実証実験室へ向かった。前後の女の子達は、人魚化した後どうするかの話で盛り上がっていた。

女の子①「人魚化したら海で楽しく暮らすんだ!」

女の子②「私は水族館のアイドルになって活躍したいな!」

女の子③「私は研究所で人魚の生態の研究に協力しようかな。」

夏美と宇美加は、女の子達の話を聞きながら、人魚化を今か今かと待っていた。

やがて実証実験室に来た夏美と宇美加達は、順番に注射で「ティアー89」を投与されると、沢山のベッドが並んでいる部屋に行き、下半身に着けていたズボンや下着等を脱いでベッドで仰向けになった。夏美と宇美加は、隣同士のベッドで人魚化を待っていた。

夏美「いよいよ私達人魚になるんだ…。」

宇美加「なんかドキドキしてきた…。」

すると夏美達の下半身に変化が現れた。2本の脚が癒着し、人魚の尾ヒレを形成し始めたのだ。やがて夏美達の脚は完全に人魚の尾ヒレと化し、夏美は金、宇美加は赤と、それぞれ鮮やかな色に染まった。

夏美「やった、私達本当に人魚化したんだ…!」

宇美加「わ~、夏美ちゃんの尾ヒレ、キラキラして素敵!」

夏美「宇美加ちゃんの尾ヒレも綺麗な光沢があってとても可愛いよ!」

夏美達がお互いの人魚姿に興奮していると、天井のスピーカーからアナウンスが流れた。

研究員の声「全員の人魚化を確認しました。皆さん人魚化おめでとうございます。この後は、身体機能の確認を行いますので、一度人間の姿に戻って大プールに向かってください。」

夏美達は、人間の姿に戻る事を考えると、瞬く間に下半身は人魚の尾ヒレから人間の2本の脚に戻った。

宇美加「へ~、簡単に人間に戻れる物なんだね。」

夏美「本当だ。それより早く泳ごうよ!」

夏美達は、その先のロッカールールで水着に着替えると、大プールに入った。広大な広さを持つその大プールには、既に人魚化した沢山の女の子達が思い思いに遊んでいた。

夏美「わ~、皆人魚になって楽しく遊んでいるね!」

宇美加「夏美ちゃん、私達も早く人魚になって遊ぼう!」

夏美と宇美加が人魚化する事を考えると、瞬く間に下半身は人間の2本の脚から再び人魚の尾ヒレに変化した。2人はプールに入ると、そのまま水中に潜った。人魚化した2人は水中でも問題無く活動する事が可能になっていた。

夏美「すごい!水中でも呼吸ができるよ!」

宇美加「それに、自然とうまく泳げる様になってる!」

2人は、プールから上がる時間まで目一杯人魚の体で楽しく遊んだ。また、同じく人魚化した女の子達とも沢山仲良くなった。

やがて夏美と宇美加は、施設から出て、帰宅の途についた。

夏美「ねぇ、私達人魚化して、これからどうする?」

宇美加「勿論、今日の実験に応募した時に決めた通りだよ!」

夏美「そうだよね。じゃあ早速明日やろうか!」

2人は既に今後に付いて決めていたのだった。

翌朝早く、夏美と宇美加は、臨海都市の船着場に来ていた。2人共、荷物でパンパンになったバックを持っている。

宇美加「じゃあ、行こう!夏美ちゃん!」

夏美「うん!世界中の海を巡って、『人魚の楽園』を見つける旅に!」

夏美&宇美加「出発!!」

そう言うと、2人は人魚になって海に飛び込み、日が昇る地平線の彼方へと泳いで行った。その後、2人は旅の中で「人魚の楽園」を見つけ、そこで沢山の人魚達と未来永劫幸せに暮らしたと言う…。

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