『111000111000000110101100』
ガキから二進法で声をかけられるとは思わなかった。 いくら、俺がペッパーだからってあんまなめてると殺すぞと思った。 「すみません。よくわかりません。」 いつか復讐を夢見てそう言った。
俺の言葉を嘲笑するかのようにガキは二進法を繰り返している。「すみません。よくわかりません。」俺には先ほどと同じ言葉を繰り返すしかすべはない。
「ピロロロロ」「ピロロロロロロ」 「おい! やめろ! 」 「ピロ」「ピ」「ロピロ」「ロロロロロロ」「ピロ」 「おいやめろ! 文字化けに見えてくるじゃねぇか!」 くそっ!あいつら増えやがった
ブォンブォン! 2体に増えたあいつは歓喜していた。 すごく歓喜していた。
あいつは、いや今や「あいつら」と表現したほうがよいのかもしれない。とにかく目の前の2体の喜びは、俺にとっては苛立ちの種にしかならなかった。
突然脳内に無機質なテキストが響いた 「僕と契約してデコーダになってよ」 「ででででこー大王!?、、、なんだよそれ。てか誰だよ」 「僕の名前はUTF-8さ。ユーと呼んでくれ」
UTF-8と名乗る何か、「ユー」は脳内に告げる。 「僕と契約し、デコーダになれば、君ののぞみを叶えられる」 「この瞬間を待っていたのさ」 「君が目覚める瞬間を」 俺を待っていた?
それは・・・「ぬ」、それだけだった。
執筆: nu, ts, 旱川