なぜ男性向け官能小説レーベルは死滅しないのか。
このエロに溢れた世の中、見ようと思えばエロ動画でもエロ漫画でもエロ音声でもなんでもあるのに、なぜに昔ながらのエロ小説は死滅しないのか?
アマチュアなら分かるのよ。
なんかエロい創作欲がある! でも漫画書く技術はないからエロ小説書く!って層はあるし。
ノクターンとかムーンライトはそのものそれだし。
しかし、商業でも死滅してない。
フランス書院なんか元気に新刊出している。
ネットで無料でエロをいくらでも見れる時代なのに、お金出してエロ小説買う人たちはレーベルが存続する多数存在する。
なんで? なんで?
小説ならでは味わいがあるから?
もちろん、それはあるだろう。
でも、弱い。
それだけじゃないだろう。
これも性的富裕層、性的貧困層、性的資源の過多で読み解けそうなのでちょっと考えていってみよう。
男性向けエロ小説は基本、性的貧困層が主人公の話である。
だって性的富裕層、例えば女に不自由しないイケメンヤリチンが主人公なんて、どんな嫌みよ?
なので、性的富裕層が主人公の場合は種付けおじさんのようにギャグの領域に突入するようなブサイクな容姿だとか、どうしようもないアホであるとか大きなマイナスをつけられ、なんだこいつ俺よりダメじゃん、と嫉妬せず安心して読めるように設定される。
女性向けエロのようにロマンスは必要とされない。
ロマンスの結果エロが生じるって言い訳は女性向けだから、いつか白馬に乗った王子さまがうんぬんという幻想が成立するからであって、男向けエロでそれをやるとお前が迎えにいく側なんだよ! で終わってしまう。
迎えにいくだけの容姿や性格、溢れる性欲とかそういう性的資源がないから苦労してるのであって、そういうものがないことを誰よりも痛感している性的貧困層にとってはロマンスなんて二重の嫌みでしかない。
とは言えエロ小説なのだから性的富裕層のように主人公は振る舞わなければならない。なのでエロ小説には性的貧困層のまま富裕層のように行動できるように色々な道具立てやシチュエーションが登場する。
古典的なとこだと、エロ写真等で弱味を握って脅迫する。暴力に訴える、借金でがんじがらめにする等。
なお、ある既婚女性はエロ写真で脅迫された時、普通に警察に相談していたから実際にやっても捕まるだけだぜい。
ノクターンだと催眠から怪しい薬、TSも入るのかな?
そうか、TSってのは特に性的資源のない自分から性的資源に溢れる存在、美女、美少女に成り上がる構造でもあるのか。
また性的富裕層と貧困層の断絶を乗り越える手段として、肉親の情も多用される。
本屋行ってフランス書院の棚を見てみるといい。絶対、近親相姦の本あるから。
これは家族とやりたい変態が一杯いるということではなく、性的貧困を越える手段として肉親の情愛が使われているということだ。
いや、実際に近親のエロの話は聞かないでもないんだけど、例外なく虐待の話なのでエロいとは感じないのよな。
NTRも恋人は奥さんを寝取られたい変態が一杯ってことではなく、主人公が性的貧困層のまイケメンヤリチンとか種付けおじさんとか性的富裕層を読者の嫉妬や攻撃を買うことなく導入する手段と読み取ることもできる。
寝取らせプレイは実際にやると超楽しいので、みなもやるべし。
普通に主人公が色々な経験を経て成長するようなのはないんかい? と言われるとフランス書院でもあるんだけど、そういうのはテイストがエロありの恋愛小説のテイストになってしまって、フランス書院から出ていようとこれはエロ小説か? となってしまうので。
多分、ここがエロありの恋愛小説とエロ小説の境目。
主人公が状況に合わせて変化し、成長するかどうか。
性的貧困層のまま富裕層のように振る舞う、つまりありのままの俺を認めてエロいことさせろな訳だから、自然と主人公の人間的成長もないし、取り巻く状況もクローズドなものになりそれがエロ小説特有のテイストになる訳だ。
なので人気の女教師物も女教師がエロいというより、学校という状況がクローズドな世界を作りやすいってことからかもしれん。
実際、学生時代を思い返してみよう。そんな魅力的な女の先生っていたか?
いたって人はおめでとう!
俺はいなかったよ!
そこらのクローズドな状況を意識しているのか架空の街を作って、そこを舞台に連作しているエロ小説家もいる。
館淳一とか。
でもってこういうのを読むのはとても気楽だ。主人公成長しないし、世界は閉じてるし、そこでなにが起きても超他人事。
そう言うのって楽しいよな。
閉じていることから発生する独特のテイストと気楽さ。
エロ小説が死滅してない理由の一つだろうけど、これだけじゃ弱い。
他になんかないだろうかと考えていると、職場の童貞おじさんのことを思いだした。
中年童貞ってルポがあったけど、それを越えて高齢童貞。あと数年で還暦童貞!
いい加減風俗で童貞捨てないの? と聞いたら怖いのだと言う。
んんー?
そんな怖いもん?
別に噛みつかないよ?
30まで童貞で魔法使いというけど、もうじき魔法使い二周目で大賢者ともなると怖いのかな? と思ったけど、その大賢者おじさんがエロビデオなんて見ねえしと言っていたことも思い出した。
真面目ぶってるのとも照れ隠しとも違う変なニュアンスでなあ。
なんなんだろう? と謎だったけど、もしかして風俗怖いようにエロビデオ見るのも怖い?
保有する性的資源が少ないとエロビデオ見るのが怖かったりするのか?
神さまを見ると目が潰れるみたいなもんか?
エロビデオなんてそらやりまくりの性的富裕層の人たちしか出てないんだから、とても見てられないと言うのは、そう言われると分かるような分からないような。
カップラーメン啜りながらテレビでアラブの石油王の生活見るようなもん?
実感も共感もできないけど、性的資源少なくて、エロビデオ見るのが怖い、苦痛って層がいると仮定しよう。
そうすると納得できることもある。
フランス書院のへヴィーユーザーに出張いくサラリーマンのおじさんがいるのだという。
ビジネスホテルで読むんだって。
なんでそんなことを、夜の街に繰り出すとかデリヘル呼ぶとかすればいいのに。住宅ローンが厳しいっすか?
と同時に駅のキオスクでフランス書院売ってる理由はそれか! と納得もしたのよ。
キオスクでフランス書院なんて誰が買うんだろう?とえらく謎だったのよ。
キオスクで売られるくらいビジホでフランス書院読む人がいるってことだよな。
そういや家だと家族いて見れないから個室ビデオにエロビデオ見にくるお父さんの話も聞いたことあるな。
奥さんいるんだから奥さんとすればいいのでは? それとこれとは別なのは分かるけど、個室ビデオに来なくてもと思ったのだけど、
もしかしてもしかして男の性欲なんてみんな似たようなもんと思っていたけど、性的資源が少ない人に取ってセックスへのハードルって俺が思ってるより高い?
ある種の人にとっては、えいやって勢いつけたり決意しないとできないものだったりする?
更に性的資源が少なかったりすると恐怖を感じたりするもん?
わかんねえ、わかんねえ世界だわ。
なんとなく頭では分かるけど、共感できないって奴だわ。
だとするとエロ小説が死滅しないことも説明できる。
ウイスキーや焼酎をストレートで飲む人もいれば割って飲む人もいる。飲めないけど飲み屋の雰囲気は好きって人もいる。
エロビデオは生々しくてダメ、エロ漫画でもダメ、文章読んで自分のなかでエロさを想像するのがちょうどいいって層がいる。
ビジホでフランス書院読むおじさんが住宅ローンがきつくてデリヘリ呼べないんじゃなくて、生の女の子なんてあまりに生過ぎてダメ、フランス書院がちょうどいいからなんだ。
であれば、あとは特に言うこともない。
それぞれ楽しんでくれい、だな。
うん、エロ小説は死滅しないな。
爆発的に売れないしない代わりに、景気とか関係なくコンスタントに売れるだろう。
すげー余談なんだけど、フェミの人たちが性的なことに噛みつくのも同じ文脈で読みとけそうなので、ちょっとやってみよう。
例えば万人に性的資源を喚起する広告があったとしよう。
それで増える性的資源は1とする。
保有する性的資源が100の人にとっては1増えたって誤差のうち。なんならその広告を性的とすら意識しないだろう。
保有する性的資源が1の人にとっては倍である。大騒ぎだよ、錯乱してわめき散らしても無理はない。
では、0.1の人にとってはもうその人の存在に対する挑戦であり、あからさまな攻撃だ。
性的な飽和攻撃を仕掛けられている。
すみやかに自分の尊厳をかけて反撃しなきゃならない。
こう考えると噛みつくのも、まあ分かる。
大変だなと思うが、共感はしない。
俺にとっては誤差のうちなので。
以上蛇足でございました。