1/2
死んじゃった
高田悠太郎、24歳、男。トラックの運転中に事故に巻き込まれ、死亡。
……今の状況をざっくり説明するなら、こうなるだろう。別によそ見していた訳では無い。スピードも制限速度前後。だが、運悪く前を走ってた車が急ブレーキ。それに気付いてなんとか止まった俺だったが、更に運の悪いことに、後ろを走っていたダンプがそのままの速度で追突してきた。
おかげで俺の愛車は無残な姿に。そしてその中に居た俺も……無残な姿に。それを誰にも見えない姿で見ていた俺は、独りごちる。
(死ぬのか、俺。まだやりたい事あったのになぁ……。ま、こればかりは仕方ないか。)
恐らく会社の人達だけでは無く、様々な人に迷惑を掛けるだろう。だが、死んだ俺には最早関係の無いこと。それよりも俺にはこの後が気になって仕方なかった。
(天国かな?地獄かな?……特別悪いことしてた訳じゃないし、天国だろ。それかアレか?転生か?それだったら俺は獣人になってみたいな……)
途端、頭の中に言葉が飛び込んできた。
(承知した。そなたには力を1つ授け、転生させましょう)
世界が白に染められた。