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幻の薔薇  作者: naomitiara-tica
9/15

タカと私

この作品は全て妄想であり、創作です。

私にとって、最初で最後の事件は起きた。



タカと寝たのだ。



いや正確には、タカに抱いて貰おうとしたが、タカはやっぱり私とは出来なかった。



私もどうかしていたし、タカはその日、参っていた。



シュンが、前からシュンに夢中だと噂のある女性歌手の誕生日の夜に彼女のマンションに一緒にいたのでは?という記事が上がった。

あるあるだが、彼女がバースデーパーティーの様子をインスタでアップしたのだが、部屋の隅っこに置いてあったらしいシュンのバッグが写っていたのだ。



まぁ、よくあるエルメスのデザインではあるが、シュンはスポンサーのファンからのプレゼントだとかで、ファンサと感謝も兼ねて、それをよく持ち歩いていたし、私もタカのマンションで何回も見たものだった。



シュンもその歌手と2人でパーティーしたかは疑問だし、タカも例の女優Aと食事したり何回も記事になって噂は切れない訳だし、今更どってこと無い話なのだが、記事が出た数日前、2人は痴話喧嘩をしたばかりだった。



シュンに言わせると、タカはみんなに優しいから勘違いが後を絶たない。どうせ女を愛せないんだから、優しくするのもほどほどにしろ、女優Aだって、幼馴染のポーズをしてタカが自分に振り向くのを待ってる筈だ、残酷では無いか?



タカはタカで、お前だって、歌手とモデルの三角関係とか何で噂になるんだ、どっちもお前の事、自分のものだと思ってるからだろ、それはお前にスキがある証拠だ。

お前が適当に相手してるから、見込みありとか思われるんだ。



と、非常に中学生のようなレベルの低い話を、私と3人で夜食を食べながらしたばかりだ。

飲み過ぎたせいもあり、確かに2人とも珍しく剣呑な空気だった。




タイミングの悪い時は重なるものだ。

その記事が上がった次の日、実家に預けていたタカの可愛がっていた、例の女優Aにもらった愛犬が亡くなったのだ。事故だったらしい。



自分のせいだと言って、タカの落ち込みようったら無かった。

見てる私も辛かった。

シュンの記事の事も、真偽がどうあれ傷ついているのがわかった。



子供のように膝をかかえて泣くタカを、私は思わず抱きしめた。

ポンポンと背中をたたいてあやす。

押し付けた私の頰にタカの涙が落ちる。



タカはキスしてくれた。



シュンにするみたいに噛み付くような荒々しくじゃなく

-2人は私の前で平気でキスする-

壊れ物に触るようなソフトキス。



私は自分でも驚いたが、思わず言ってしまっていた。

二度とワガママは言わない。今日だけ、たった一度だけ抱いて欲しいと。



タカは優しく優しく私に触れてくれた。一枚一枚脱がせて丁寧に裸にされる。

でも、肝心なところで、どうしてもダメだった。

機能しないのだ。私が協力してもダメだった。



タカはごめんと謝りたがら、裸のままの私を後ろから抱きしめながら、話てくれた。

小さい頃から、恋多き女優の母の性行為を何度も見た。

母は結婚してようがなんだろうが、タカがいようがいまいが、いろいろんな男を寝室に引っ張り混んだ。

悲鳴に近い声をあげて、男に絡みつく。

私はタカの母のベテラン美人女優を思い浮かべる。

しっとりとした、大人のいい女として有名だ。



そしてタカはいつしか、母を、いや、女を憎むようになった。

とくに、美くしい女がダメだと言う。どうしても母を重ねてしまうのだと。



『マリみたいな普通の容姿の地味な子と恋愛できたらどんなに良かったかと思う。でも今の僕はシュンしか愛せないんだ。シュンと暮らせ無いと思うからいつかは別れちゃうかもなんだけど、でも、シュンとの事大切にしたいんだ。

マリも自分に合う男、見つけて幸せになれよ。』



タカはちょっと寂しく笑った。

タカに飛びこんだマリ。

でもやっぱりタカは女性は抱けないんだね....

次回、幻の薔薇マリサイド、最終回です。

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