タカの秘密
この作品は、全て妄想であり、創作です。
タカとシュンの関係を知った私のショックは、自分でも予想外の大きさだった。
その日はなんとか自分のアパートにたどり着いたが、さっきの乱れた部屋とシュンのバスタオル姿を思い出し、2人が絡み合ってる姿や口移しでワインを飲んでる姿を想像して、トイレで吐いた。
これはいったいどういう気持ちなのか?
ボーイズラブへの嫌悪感?
ヤキモチ?
何へのヤキモチ?タカの相手が女性じゃなかったから?
日本人独特の道徳観?
自分でも気持ちはさっぱり理解出来なったが、とにかく嫌悪の気持ちがとてつもなく強かった。
今まで何をやっても半端者扱い、恋人はもとより家族にも恵まれない私だったが、大好きなタカのために自分が役に立ってこれからもタカに付いて行く事で自分の道が開いたような気がしていた。
自分みたいな人間がタカに愛されるはずはないのだが、一生片思いでもタカに一番近い人間の一人になりたい・・と私はいつしか思うようになっていた。
それはまさしく愛と呼べるものだったに違いない。
私は自分の決意が根本から崩れ落ちるような気がした。
しかし、冷静になって考えて見れば、片思いでもタカに付いていこうとしている私にとって、タカの恋人は誰でも良いはずではないか?それが女性じゃなかったというだけの話で・・・
そう思うと気持ちが少し落ち着いてきた。
日本人は世界の中でもかなり同性愛への偏見が多い国だ。まあ遡れば、島国だったということに発しているのだろうか?
自分と違う人間に対する差別意識みたいなものが強い。
今、渋谷区と世田谷区では同性婚が認められるようになった時代だ。
タカやシュンのような美しい青年達が恋人同士で何の不思議があろうか?
1週間ぐらいたったある日、私はマネージャに隣のティールームに誘われた。
『マリ、もしかしてもう、タカの秘密分かった?』
私は慎重に押し黙った。
『見たんだろ、あの2人の事?』
私がそれでも黙っていると、マネージャーは話し出した。
タカは売れっ子なのに威張らないし努力家だしみんなに優しいから、映画やドラマで共演したタレント、歌手、モデルらからの求愛に事欠かない。今までもどれだけの美人がタカの恋人になりたがったか分からない。マネージャーが予防線を張っていなかったら、タカをめぐる熾烈な取り合いで凄い事になっていた。
しかし・・・・タカが心も身体も預けるのは、男性なのだと言う。
その事は、今はマネージャーと、一部の関係者しか知らない。事務所のスタッフは誰も知らないはずだと言う。
シュンの前に、一人深い関係の男の子がいたらしいのだが、タレントの卵だったのもあって、マネージャーが何だかんだと妨害しているうちに、辞めて郷里に帰ってしまった。
その時はさすがにタカも怒ってマネージャーと大喧嘩したらしいのだが・・・
シュンとの関係はもう長く、2人は互いに本気だとの事だ。
タカのお付きをこれからも続けるのだったら、これらをよく肝に銘じて欲しい・・・・との事だった。
さて、男性しか愛せないタカ。マネージャーはその件でマリに何か頼みたい様子ですね?




