タカの側近になる
この作品は、全て、妄想であり、創作です。
インフルエンザが凄い勢いで広まった事があった。
タカ専属ナンバーワンのスタイリストが、残念ながらかかってしまい、その時はくしくも雑誌表紙の撮影が入っていた。カメラマンが気難しく、本来は美少女やグラマラスな女ばかり撮りたがるスケベだが、タカの美しさは気に入っていて撮りがいがあると言っていた。
プロから見て、タカは女からも男からも惚れられる被写体だとの事。
何かと小うるさいカメラマンなので、人イジリの雑用に事欠かない。
ナンバー2のスタイリストはイマイチ気が弱くて、マネージャーは1人では無理だと頭を抱えていたが、タカが『じゃ、マリを同行させて』とあっさり言ったものだから、スタッフ連中の間に不穏な空気が立ち込めた。
私は昔から無愛想なところに持って来て無口、メガネもかけて背も低く、ひいきめに見ても美しさには縁遠かったので、他人に無視される事が多かった。
タカに連れて来られてからも、パシリを通り越してゴミタメ扱いかと言うのか、仕事以外の件で私にマトモに声をかけてくれるのは、マネージャーとタカだけだった。
タカも回りとの調和を考えて、人前で私に贔屓する事は一切なかった。どちらかと言うとそっけなかった。
だからこそたまに声を掛けられると、余計に思いやりがが身に染みた。
こんな風に人前で、堂々と私を指名して来たのはこの半年間で初めての事だった。
みんなの空気を察してマネージャーが、
『いや、さすがにマリじゃ、あのカメラマンの相手は勤まらんだろ?取り敢えずシュンのスタイリストに応援頼むか?』
するとタカが笑いながら
『いいからマリにやらせてみなって。隣でドレス投げつけられても平然とやり返すから』と、あの時のチンピラの話を持ち出して私にだけ分かるようにウィンクして見せた。
カメラマンにいたぶられながらその仕事をなんとかやり遂げた後、タカは、当たり前のように、全ての事を私とマネージャー同時に頼むようになったと言うか相談して来るようになった。
マネージャーが知ってる事で私が知らない事は無かった。
スタイリストさん、衣装さん、メークさんetc.....その人達に頼む前に、まずは私の意見を聞いてから決めるようになった。
その結果当然ながら、私は完全に、マネージャー以外スタッフ全員の憎まれ役に成り果てた。
タカの側近にさせられたマリ。タカもマリの何が気に入ったんでしょうね?




