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~Paradigm Shift~  作者: 時速200kmの餅
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【第0章】理の変動者[0-0]

こんにちわ、紅の豚丼です。小説は個人で書いていますが、投稿するのは今回が初めてになります。むず痒い文章になってしまうと思いますが、何卒生暖かい目で読んでもらえたら嬉しく思います。それではどうかよろしくお願いいたします。

Paradigm Shift【1】

プロローグ


桜華繚乱夜行


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ずっと昔の話。


これから話すのは、


私が『一つの生物』として生きていた時代の話――


今の私たちからすれば、お遊び程度の事。


だけど、当時の私たちからしたら、


人類の存亡を懸けた闘争だった。


これは、何世紀にも渡り繰り広げられていた『神様の遊戯』と


選ばれた犠牲者たちの闘いの記憶の話。



私は、ある“一人の人間”を心から愛し、尊敬している。


今までに、何の変化もなかったこの遊戯に、


一つの劇的な変動をもたらしたのだから。


とある用語では、この事をこう呼ぶ。



――Paradigm Shift――


と。




その全てを、語ろうと思う。


――――――――――――――


いつの日かの満月の夜、約束の場所にて、私は大切な人を失った。


彼の刀は、桜の木の幹に、己の躯を貫いて、動かなくなっていた。


彼の頬に手を当てる


冷たく硬い


まだ温もりが在るものだと思っていたが、それは単なる幻想だった


大切な人が死んでいるというのに

不思議と涙は流れない。


失った反動が大きすぎて、暫くその場に立ち尽くしていた。



「乱れる桜の花びらは、滅びたその身を染めてゆく…」



「儚き命は息吹かれて、永久の眠りに誘い込む…」



「呪いの桜は今日も、誰かの命を食んでゆく…」



私は、死にたいと思った。


けれど、呪われたこの躯では、それは夢のまた夢。



ならば生きよう。


貴方の想いを胸に秘め、


朽ちぬ躯を小さく屈め、


何年も、何百年も変わらぬ想いのまま、


私は静かに瞼を閉じる。




いつか来る、その日まで――


□□□□□□□□□□□□□□



もしも各々に、運命というものがあるとするならば、それは、必然的に受け入れなくてはならないものだろうか?


今の僕には、ただ、その答えが欲しかった。



なぜこうなったのか


その真意がしりたかった。



「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ!」



僕は走っていた。ただひたすら走り続けて、必死だった。


目に見えるのに見えない『何か』から逃げていて。



「何…何なのあれは!!」


大声を上げて愚痴を言うも、『何か』には意味を成さなかった。


返ってくるのは静寂のみ。



ここは野山…雲間から射し込む月の光が、走る僕を常時照らす。


辺りを確認してなかったからか、木の根に足を取られ、3M程吹っ飛び、地面に叩きつけられる。


「ぐ…っああ!!」



鳩尾をもろに強打したせいか、すぐには身動きが取れなかった。

そして、僕を追いかけ続けて来た張本人、奴は現れる。



「待たんか、戯け者」



前方から声が聞こえる。重苦しそうに顔を見上げると、そこには大きな桜の木が佇んでいた。


徐々に雲は晴れ、月が完全に顔を晒す。


そこに浮かんだのは…



「狐…?」


「戯け、白狐と呼ばんか、見てわからんのか?」



桜の木の幹から降りて来たのは、白銀色の狐だった。


そして白い狐は、僕に向かい静かに語りかける。



「また会ったな、『天草 焔』よ…」


「……お前は、一体何なんだ?」

「私か?私は…」



□□□□□□□□□□□□□□

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