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貴族の娘
知っていた
貴方が人と近しいモノで
人とは違うモノだということ
天の遣いと悪の遣い
真実がどちらにあったとしても
私には意味のないことだった
無理矢理決められた結婚前夜
月の光の明るい晩に
貴方は突然舞い降りた
窓辺で泣くしかない私に
貴方は
そっと
手を差し伸べた
「嫌ならボクと、一緒に行こう
ずっと君を見ていたよ
あいつに渡すぐらいなら
ボクが君をさらってしまおう」
私は貴方の手をとった
窓から身を投げ貴方の元へ
私を
待っているのはきっと
貴方と共に
いられる楽園