↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
145/151

第10話:光輝の戴冠と新時代の譜代

第8部

「外容積を変えずに

 内容積を無限に拡張する……。

 ITS ∞ を

 文化の保存と知性の継承のために

 活用するとは。

 極めて知的で

 重厚なルネッサンスです。」


三つの銀河団が持ち寄った、

それぞれの

至高なる美と知性の結晶。


α 銀河団(吾郎)の

『剛毅と平定の武勇美』。


ε 銀河団(シルヴィア)の

『精密と光の幾何学美』。


∞ 銀河団(ジュエダン)の

『無限と深遠の空間美』。


セレスティアは

玉座からゆっくりと立ち上がり、

天鏡の間いっぱいに広がる

三つのルネッサンスの輝きを見渡した。


「……実に見事です。

 我が聖国

 アルカディアの臣民たちが、

 武力による秩序の先に、

 これほどまでに気高く豊かな

 文化を花開かせようとは。」


セレスティアの声が、

S-オムニスを通じて全銀河団へ、

そして

フェニックス銀河団の

覇王レグナのもとへ、

さらには

本国で静観する

聖王アーロンのもとへと響き渡る。


「審査は甲乙つけ難し。……

 ですが、これらはまだ

 第一期に過ぎません。

 ルナ、エレーナ!

 これより

 全銀河団民による相互鑑賞と、

 さらなる文化的交流

 シークエンスを開始しなさい!」


「御意!!」


本国アルカディアの聖宮を中心に、

全宇宙を揺るがす美と機能の祭典が、

今まさに

最高潮を迎えようとしていた——。


◇


アルカディア本国の

空を埋め尽くす白亜の浮遊都市群。


その中心に聳(そび)える聖宮の最深部

「天鏡の間」には、

宇宙のあらゆる情景を集積した

光の奔流が渦巻いていた。


『聖宮極彩回廊(ルネッサンス・

 グランド_アーカイブ)』の

一般開放が宣言されて以降、

全宇宙の宙域から送られてくる

観覧アクセス数は

数京の桁を突破し、

S-オムニスの超量子回線すらも

心地よい駆動音を立てて

熱を帯びている。


各銀河団の統制は、

いまや極めて円滑

かつ強固な軌道に乗っていた。


フェニックス銀河団を任された

覇王レグナ、

そして本国アルカディアで

ドクトリンを敷く聖王アーロンは、

ASシステムを核とした

極限の銀河団経営に勤しみ、

国家の不可侵な基盤を

揺るぎないものとしていた。


また、

α(アルファ)銀河団の吾郎は、

超弩級戦艦『アスガルド α 』と

『ITS α 』の圧倒的な先陣火力を携え、

広大な辺境宙域の警備と

不条理の摘発に日々勤しんでおり、

その武勇によって全帝国の外縁部は

鉄壁の安寧を保たれていた。


政務と軍事の基盤が

男たちの確実な執務によって

整えられているからこそ、

本国聖宮で華開くのは、

総司令官

セレスティアを筆頭とする

女性指導層の洗練された

美学と統治の采配であった。


「……セレスティア様。

 全銀河団民からの投票データ、

 ならびに

『聖宮極彩回廊』における

 幾何学調和指数の

 集計が完了いたしました。」


第一副官ルナが、

半透明のデータ眼鏡越しに

可視化された無数の数式と

ホログラムグラフを指先で一弾きした。


「α 銀河団の巨神宮、

 ε 銀河団の光輝大聖堂、

 ∞ 銀河団の深遠回廊……

 三者ともに

 技術的・美学的到達点は

 極限に達しておりますが、

 全臣民の

 精神安定度への好影響という

 観点において、

 一つの顕著な数値的

 偏向が記録されています。」


「偏向、ですか?」


セレスティアは

玉座の肘掛けに優雅に肘をつき、

細い指先を顎に添えた。


その隣で、第二副官エレーナが

興味津々に身を乗り出す。


「ルナ!

 一体どんな偏向が出たの?

 吾郎司令官の武勇の碑文も、

 ジュエダン司令官の空間回廊も

 凄まじかったけれど……」


「ええ。

 臣民たちの

 精神波ログを解析した結果、

 シルヴィア司令官が

『アスガルド ε 』と

『ITS ε 』を用いて生み出した

『光輝大聖堂』の

 波動空間に滞在した者のうち、

 99.998%が

『絶対的な心の安らぎと、

 秩序への深い帰依(きえ)』を示しました。」


ルナの正確無比な解説に、

セレスティアの黄金の瞳が細められる。


「なるほど……。

 単なる力の示威でも、

 空間の拡張でもなく、

 光の幾何学干渉によって

 臣民の

『精神の調和』を直接もたらした……。

 これこそが、

 我が聖国が目指す機能美の

 真価というわけですね。」


エレーナが

感嘆の息を漏らしながら、

ホログラム端末を操作して

通信回線をひらいた。


「シルヴィア様……!

 本国審査委員会として、

 この結果を認めざるを得ませんね!」


通信ホログラムとして現れたのは、

ε 銀河団の旗艦『アスガルド ε 』の

豪華な執務室で、

優雅にファン(扇子)を揺らす

シルヴィアの姿であった。


『ふふ……セレスティア様、

 ルナ様、エレーナ様。

 光栄にございますわ。

 わたくしたち

 女性が求める美とは、

 ただ他者を圧倒するための

 飾りではありません。

 接する者の心を整え、

 聖国の絶対秩序を

 自発的に愛させるための

「優雅なる力」なのですから。』


シルヴィアの言葉には、

戦艦『アスガルド ε 』の

艦長としてだけでなく、

ε 銀河団の文化を導く

女性指導者としての気品と

気高さが満ちあふれていた。


「見事です、シルヴィア」


セレスティアは優美に立ち上がり、

全銀河団へ向けて

オープンにされている

大回線へ向けて声を響かせた。

読んでくださってます方々に

篤くお礼申し上げます。

ありがとうございます。


ブックマーク登録、

ありがとうございます。


評価ポイントをつけて頂きまして、

ありがとうございます。


リアクション頂きまして、

ありがとうございます。


本日 19:30 に投稿します。


【セレスティア通信】


合同ルネッサンス大会・

第一期総括記録


第一期最高評価の授与


シルヴィア司令官(ε銀河団)の

『至高幾何学の光輝大聖堂』が、

臣民の精神調和度

および幾何学的完成度において

最高評価を獲得。


本国聖宮より特別表彰が授与された。



帝国全宙域の安定構造


聖王アーロン様

および覇王レグナ様による

安定した銀河団経営、

ならびに吾郎司令官による

警備網の維持のもと、

本国セレスティア総司令官

率いる女性指導陣による

「美と秩序の統合ドクトリン」は

完全に完成を見た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。