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【変神(ヘンシン)】で俺の考えた最強ヒロインをプロデュース!…したはずが、彼女たちの熾烈な争奪戦のターゲットになってました!?  作者: のびろう。
第14章 魅惑のポーションは誰のため? どきどき☆恋愛サバイバル!

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告白は、真心(まごころ)と共に

アルトから放たれた、温かい光。

その光に触れた瞬間、五人の少女たちは、はっと我に返った。


まるで、長く、熱に浮かされた夢から、無理やり覚まされたかのように。

自分たちが、愛する人に、何をしていたのかを。

その、あまりにも恥ずかしく、あまりにも身勝手な欲望の記憶が、フラッシュバックする。


工房を支配していたピンク色の霧が、嘘のように晴れていく。

後に残されたのは、自己嫌悪と、気まずさで、俯く五人の少女たちと、そんな彼女たちを、困ったような、しかし、どこまでも優しい目で見つめる、一人の青年だけだった。


床には、ひっくり返ったテーブル、割れたティーカップ、そして、無残に引き裂かれた白無垢の残骸が、先程までの狂宴の激しさを物語っている。

しん、と静まり返った工房に、時計の秒針の音だけが、やけに大きく響いていた。


(私…アルトに、なんてことを…)


リゼットは、顔を真っ赤にして、自分の手を見つめていた。

アルトを独り占めしたい。

その、純粋だったはずの想いが、暴走し、彼を傷つけ、困らせてしまった。


(非論理的極まりない…。私は、冷静さを失い、本能のままに、彼を…これでは、騎士失格だわ…)


クラウディアは、唇を固く結び、その場に立ち尽くしていた。

彼女の、氷のプライドは、自らの、あまりにも女々しい行動によって、粉々に砕け散っていた。


(ああ、神様…わたくしは、また、過ちを…アルトさんを、癒やすどころか、その優しい心に、負担をかけてしまいましたです…)


エミリアは、その翠の瞳から、ぽろぽろと、後悔の涙をこぼしていた。


(主殿に…主君たるお方に、なんという、無礼を…。もはや、切腹ものでござる…)


菖蒲は、その場に土下座し、小刻みに震えていた。

彼女の、忠誠心は、今、深い自己嫌悪へと変わっていた。


そして。


「…ごめんなさい」


最初に、沈黙を破ったのは、元凶である、ルージュだった。

彼女は、俯いたまま、か細い、震える声で、そう言った。

その顔は、青ざめている。


「アタシが、馬鹿なことをしたせいで…みんなを、アルトを、こんな目に…」


彼女は、全てを、覚悟していた。

軽蔑されることも、罵倒されることも、この、温かい場所から、追放されることも。

悪の組織の幹部として、それ相応の、罰を受ける覚悟は、できていた。

だが、アルトは、彼女を責めなかった。


「ありがとう、ルージュ君」


彼は、静かに言った。

その声は、あまりにも、優しかった。


「え…?」


ルージュが、信じられない、という顔で、顔を上げる。


「君の、その真っ直ぐな想いのおかげで、僕は、ようやく、自分の心と向き合う覚悟ができたよ」


彼は、ゆっくりと、五人の、一人一人の顔を見つめ、告白した。

それは、彼が、ずっと目を背け続けてきた、自分自身の、弱さの告白だった。


「僕が、悪かったんだ」


その、あまりにも意外な言葉に、五人の少女たちは、息を呑んだ。


「リゼット。僕は、君の、その太陽のような優しさに、ずっと甘えていた。『幼馴染』という、都合のいい言葉の陰に隠れて、君が、一人の女性として、僕に向けてくれていた、その真っ直ぐな想いから、目を逸らし続けていた。すまない」


「クラウディア君。僕は、君の、その、誰よりも強いプライドと、誰よりも繊細な心を、理解しようとしなかった。君が、僕に、論理をぶつけてきてくれる、その行為の裏にある、不器用な好意を、『興味深い研究対象』としてしか、見ていなかった。君を、傷つけた。すまない」


「エミリアさん。僕は、あなたの、その、無限の慈愛を、当たり前のものだと思っていた。あなたが、その聖母のような微笑みの裏で、どれほどの痛みを、一人で抱えていたのかも、知ろうとしなかった。ただ、あなたの優しさを、享受していただけの、愚か者だった。すまない」


「菖蒲君。僕は、君の、その、命懸けの忠誠心を、正しく、受け止めてやれなかった。君が、僕を『主君』と呼ぶ、その言葉の裏にある、一人の少女としての、切実な願いに、気づかないふりをしていた。

君の心を、利用していたのかもしれない。すまない」


「そして、ルージュ君。君は、敵であるはずの僕に、誰よりも、ストレートに、その想いをぶつけてきてくれた。その、あまりにも眩しい情熱から、僕は、ずっと、逃げていたんだ。君の勇気に、僕は、応えることができなかった。すまない」


自分がいかに、彼女たちの想いから逃げていたか。

そして、いかに、彼女たち一人一人を、大切に想っているか。


それは、愛の告白ではなかった。

だが、それ以上に、誠実で、心からの、彼の「真心」だった。

彼が、初めて見せた、完璧ではない、ただの、一人の男としての、弱さだった。


その、不器用な告白に、少女たちの瞳から、堰を切ったように、涙がこぼれ落ちた。

それは、悲しみの涙ではなかった。


ずっと、胸につかえていた、全ての想いが、彼の、その、たった一言の「すまない」に、優しく、溶かされていく、救いの涙だった。


「…アルトの、ばか…!そんなこと、わかってるわよ…!」


リゼットが、泣きじゃくりながら、彼の胸に飛び込んだ。


「…非論理的よ、あなたという人は…!なぜ、あなたが、謝る必要があるの…!」


クラウディアが、顔を覆い、その場に、静かにしゃがみ込む。


「アルトさん…!もう、いいんです…!もう、十分です…!」


エミリアが、その場に、膝から崩れ落ちる。


「主殿…!勿体なき、お言葉…!」


菖蒲が、床に、その額をこすりつける。


「…あんたって、本当に、ずるいわね…」


ルージュが、悪態をつきながら、その瞳から、大粒の涙を、ぽろぽろと、こぼしていた。


僕たちの、歪んだ、恋の狂想曲は、こうして、幕を下ろした。

後に残されたのは、少しだけ、素直になれた、僕と、僕の、愛すべき、五人のヒロインたちだけだった。

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