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【変神(ヘンシン)】で俺の考えた最強ヒロインをプロデュース!…したはずが、彼女たちの熾烈な争奪戦のターゲットになってました!?  作者: のびろう。
第11章 五色の恋模様! デート大作戦と新たなる胎動

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エピローグ 新たなる絆と、世界を弄ぶ者たち

五日間の、甘く、そして過酷なデート大作戦を終えた、その夜。

僕の工房に、五人のヒロインたちが、集結していた。

その表情は、どこか吹っ切れたような、清々しいものだった。


リゼットは、自信に満ちた太陽の笑顔を取り戻し、クラウディアの氷の仮面は、ほんの少しだけ、温かく溶けているように見えた。

エミリアさんは、聖母の微笑みに、小悪魔的な自信の色を滲ませ、菖蒲君は、主君への忠誠心に、一人の乙女としての、熱い想いを重ねていた。

そしてルージュは、ツンデレの皮を一枚脱ぎ捨て、恋する乙女の、素直な輝きを放っている。


五人とのデートを経て、僕たちの絆は、より深く、より強固なものになっていた。

彼女たちも、それぞれに満足しているようだ。


いや、それ以上に。

彼女たちは、僕との二人きりの時間を通して、自分自身と、そして、仲間たちの、新たな一面を発見したのだ。

それは、僕の計算を、遥かに超える、嬉しい誤算だった。


そして、僕の頭の中では、この五日間の、膨大な、そして、何物にも代えがたい臨床データに基づいた、新たな合体必殺技の、全ての数式が、完璧な形で完成していた。


僕は、工房の中央に立つと、壁に設置した大型のホログラムディスプレイを起動させた。

そこに映し出されたのは、五人の少女たちの、変身後の姿と、その間を繋ぐ、無数の、美しい数式の光だった。


「皆、聞いてくれ。この五日間、君たちとの『個別特殊環境下における、変神適格者の心理動態データ収集ミッション』は、大成功に終わった」


「「「「「でーたしゅうしゅうみっしょん…」」」」」


五人の声が、綺麗にハモった。

その顔には、喜びと、そして、やはりこの男はこうでなくては、という、深い諦観の色が浮かんでいる。

僕は、構わず、プロデューサーとしての、情熱的なプレゼンテーションを続けた。


「リゼット君の、僕の好みを完璧に把握し、先回りする、その驚異的な共感能力!

クラウディア君の、論理の壁にぶつかりながらも、非論理的な奇跡を受け入れた、その柔軟な思考!

エミリアさんの、ただ癒やすだけではない、対象の魂そのものを再生させる、慈愛の波動!

菖蒲君の、影に生きることを宿命づけられながらも、光の中で誰かを守りたいと願う、その不屈の魂!

そして、ルージュ君の、自らの感情の高ぶりを、制御不能なエネルギーへと変換してしまう、その情熱的な心!」


僕が、一人一人の、この五日間で見せた輝きを語るたびに、彼女たちの頬が、ぽっと、赤く染まっていく。


「それら、全てのデータが、この僕の頭脳の中で、一つの、完璧な答えを導き出した!君たちの心は、もう、バラバラじゃない。互いを認め、互いを高め合い、そして、僕という一つの座標軸に向かって、美しく収束している!

今なら、できる!僕が夢見た、究極の合体技が!」


僕の、ほとばしる情熱に、彼女たちの心も、燃え上がっていく。

もう、言葉は不要だった。


「よし、皆!試運転と行こうか!」


僕の号令一下、プリズム・ナイツは、夜の訓練場へと向かった。

月明かりだけが照らす、静かな空間。

そこには、僕がこの日のために用意しておいた、オリハルコン製の、超硬度訓練用ゴーレムが、五体、静かに佇んでいた。


「まずは、二人一組の連携技からだ!リゼット君、クラウディア君!」


「「はい(ええ)!」」


二人が、一歩前に出る。

その間には、もう、以前のような、刺々しいライバル心はない。

互いの力を認め合った、戦友としての、絶対的な信頼があった。


「いくわよ、リゼットさん!」

「ええ、クラウディアさん!」


「「変神っ!プリズム・チェンジッ!!」」


紅蓮の炎と、絶対零度の氷が、同時に迸る。

セーラー・フレアと、ナイト・ブリザードが、月光の下に顕現した。


「アルトの理論、私たちの絆で、証明して見せる!」

「ええ。論理を超えた先に、真実があることを!」


二人は、互いに頷き合うと、左右から、同時にゴーレムへと駆け出した。

フレアが、炎の大剣『フレイム・カリバー』を、天に掲げる。

ブリザードが、氷の双剣『ブリザード・エッジ』を、地に構える。

そして、二つの、相反する力が、一つの敵に向かって、放たれた。


「灼熱の奔流よ!」

「絶対零度の吹雪よ!」


「「フレイザード・ストリーム!!」」


炎と氷が、螺旋を描きながら、完璧に融合する。

それは、もはや、ただの炎でも、氷でもない。

超高温と、超低温が同時に存在するという、物理法則を無視した、奇跡のエネルギー奔流だった。

オリハルコンのゴーレムは、その奔流に触れた瞬間、悲鳴を上げる間もなく、熱膨張と急速冷却によって、内部から、ガラス細工のように、粉々に砕け散った。


「…すごい…!」

「これが、私たち二人の…!」


二人は、互いの、新たな力の輝きに、息を呑んだ。


「次だ!エミリアさん、菖蒲君!」


「「はいです!(承知!)」」


癒やしの聖女と、闇を駆ける刃が、前に出る。


「「変神っ!プリズム・チェンジッ!!」」


ヒーリング・エンジェルと、シャドウ・ストライダーが、その姿を現す。


「菖蒲さんの、その速さ、わたくしに、預けてくださいね」

「エミリア殿の、その光…確かに、お預かり申す!」


菖蒲の身体が、ふっと、無数の影の分身へと分裂する。

だが、それは、ただの幻ではない。

エミリアの、慈愛の光が、その全ての分身に、等しく宿っていた。


「プリズム・ニンジャアーツ、解放!」

「聖なる光よ、安らぎを与えたまえ!」


「「幻夢セラフィック・フィールド!!」」


影の分身たちが、三体のゴーレムを、音もなく包囲する。

そして、その影から、一斉に、翠色の、どこまでも温かい光が放たれた。

それは、敵を攻撃する力ではない。

敵の、闘争心そのものを、内側から、優しく、癒やし、浄化する、絶対的なる慈愛の結界。

凶暴な戦闘ゴーレムたちは、その光を浴びた瞬間、その全ての機能プログラムを停止させ、まるで、安らかな眠りにつくかのように、その場に、静かに崩れ落ちた。


「まあ…!」

「これが、拙者たちの…守るための術…!」


二人は、その、あまりにも優しく、そして、あまりにも強力な、新たな力の形に、静かに感動していた。


そして、最後は。

五人全員の、心を一つにした、究極の合体技。


「皆、心をシンクロさせろ!僕を想う、君たちの、その全ての感情を、一つの輝きに束ねるんだ!」


僕の、プロデューサーとしての、魂の叫び。

五人の少女たちが、中央に立つ僕を囲むように、円陣を組む。

そして、互いに、手を、固く、固く、握り合った。


「アルトへの、大好きの気持ち!」

「プロデューサーへの、絶対的な信頼を!」

「アルトさんへの、感謝の祈りを!」

「主殿への、永遠の忠誠を!」

「あんたへの、この、どきどきする想いの、全部を!」


五人分の、愛の叫びが、夜空に響き渡る。

その、純粋な想いが、トリガーだった。


「「「「「変神っ!プリズム・チェンジッ!!」」」」」


赤、青、緑、黒、紫。

五色の光が、天を突き、その中心で、一つの、巨大な、銀河のような、虹色の輝きへと、収束していく。


「「「「「プリズム・ギャラクシアン・シンフォニー!!」」」」」


放たれたのは、もはや、技ではなかった。

一つの、奇跡だった。

虹色の輝きは、最後のオリハルコン・ゴーレムを、ただ、優しく包み込む。

すると、その、無機質な鉄の塊は、光の粒子となって、空へと還り、その跡には、一輪の、美しい花が、静かに咲いていた。

破壊の、その先にある、創造の輝き。

それこそが、僕たちの、プリズム・ナイツの、答えだった。


「やったー!」

「ええ、完璧ですわ!」

「すごいです!」

「主殿!」

「…まあ、アタシにかかれば、こんなものね!」


成功を喜ぶ彼女たちは、疲労も忘れ、一斉に、僕の身体に、抱きついてきた。

甘い香りと、柔らかい感触に包まれる、至福の瞬間。

僕の人生で、最も幸福な、瞬間。


だが、その平和は、長くは続かなかった。


「ちょっと、リゼットさん、近すぎよ!プロデューサーが、潰れてしまいます!」


クラウディアが、リゼットを僕から引き剥がそうとする。


「いいじゃない、これくらい!それより、クラウディアさんこそ、さっきからアルトのお尻、触ってない!?」

「なっ…!?これは、不可抗力よ!」


「菖蒲殿!主殿の背中は、拙者の場所でござる!そこをどかれ!」


菖蒲が、僕の背中に、蝉のように張り付こうとする。


「あんたたち、抜け駆けは許さないわよ!アルトの一番近くにいる権利があるのは、このアタシなんだから!」


ルージュが、僕の正面から、そのダイナマイトボディを押し付けてくる。


「あらあら、うふふ。順番ですよ、順番」


エミリアさんが、僕の頭を、優しく撫でている。


やれやれ。

いつもの、キャットファイトの始まりか。

僕は、幸せな喧騒に包まれながら、満足げに、夜空を見上げた。


だが、僕たちは、まだ知らない。

この世界の、どこか。

歪んだ玉座の間で。

僕と同じ、『転生者』が、僕たちの、その、あまりにも青臭い英雄譚を、嘲笑っていることを。



「へえ、ヒーローごっこ、か。面白そうだ。NPC相手に、ロールプレイとは、ご苦労なこった」


銀髪に紅い瞳を持つ、美形の貴族、カイザー・フォン・ヴォルフガングは、玉座のようなゲーミングチェアにふんぞり返り、目の前の巨大なホログラムスクリーンに映し出された、僕たちの戦いを、退屈そうに眺めていた。

その手には、この世界には存在するはずのない、栄養補助ゼリーのパックが握られている。


彼の周りには、彼を「神」と崇める、三人の狂信者たちが、控えている。


「カイザー様、ご覧ください。あの者たちの戦闘データ、解析完了しました。エネルギー効率、連携パターン、共に、この世界の『定石』からは、大きく逸脱しております」


妖艶な美貌を持つ、魔導士イザベラが、うっとりとした表情で、カイザーに報告する。


「フン!小手先の技でしかねえ!俺様の斧の前では、あんなもん、紙切れ同然だぜ!なあ、カイザー様よぉ!」


筋肉の塊のような、狂戦士レックスが、巨大な戦斧を肩に担ぎ、獰猛に笑う。


影の中から、音もなく、暗殺者ノクスが、静かに頷いた。


カイザーは、そんな部下たちの言葉には、興味もなさそうに、指を鳴らした。

すると、彼の目の前の空間に、この世界の、詳細なステータス画面のようなものが、ウィンドウとして表示される。


「この世界は、ゲームだ。出来の悪い、バグだらけの、クソゲーだ。そして、俺は、唯一のプレイヤー。神であり、ゲームマスターだ」


彼は、楽しそうに、その唇を歪めた。


「あの、アルトとかいう奴。面白いじゃないか。俺と同じ『プレイヤー』のくせに、NPCの感情に、本気で寄り添ってやがる。正義?絆?愛?くだらない。そんなものは、このゲームを攻略する上で、何の役にも立たない、無駄なパラメータだ」


彼は、ゆっくりと立ち上がると、その紅い瞳に、絶対的な支配者の、残酷な輝きを宿した。


「さあ、始めようか。この、クソゲーの、デバッグを」


彼の指先から、世界の法則そのものを書き換えるという、チートスキル【理の改竄デバッグ・ザ・ワールド】の、紫色の光が、放たれる。


「まずは、手始めに、あの、おままごとヒーローたちに、教えてやらないとな。この世界の、本当の『ルール』ってやつを。――ゲームは、楽しんだもん勝ち、なんだよ」


新たなる悪の組織、『世界攻略ギルド(ワールド・ハッカーズ)』


僕と、僕の愛するヒロインたちが紡ぐ物語は、今、最も厄介で、最も悪質な『プレイヤー』の参戦によって、新たなステージへと、突入しようとしていた。

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