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私はあなたの何だったのかな?

作者: 七瀬





“私はあなたの何だったのかな?”



彼とは10年間ずっと付き合って上手くいっていた。

それから直ぐ、私は彼に”プロポーズ“をされて彼と一緒になった。

彼との付き合いが10年もあったからなのか? 彼の性格やクセや考え方も

私は分かっていたつもりだった。

彼の為に何でもしてきたし、尽くしてきたと自信もある。




・・・でも? 彼がある日、“亡くなってしまって“

職場で急に彼が倒れてそのまま亡くなったらしい。

私は彼の職場の人から電話をもらい、そのまま彼が運ばれた病院に。



その後、彼の葬儀を行ったのだがその時、私の全く知らない女性ひと

が何人か来ていて?

私はこの女性達が誰なのか分からないでいた。

無事に葬儀も終わり、家に彼の遺骨を置いて彼を想っていると?

家に知らない女性が訪ねて来て、彼女は私にこう言ったわ。



【ピーポーン】

『はい。』

『菅原さんが亡くなられたと聞きまして。』

『“アナタは?”』

『“彼とは良いお付き合いをしていた者です。”』

『“良いお付き合いとは? 彼とはどんな関係だったんですか?”』

『“愛人です。本当にすみません!”』

『・・・あ、愛人? えぇ!?』

『彼には凄く精神的に支えてもらいました。』

『菅原の愛人って? 彼がそんな、愛人が居るなんて、信じられない!』

『“彼にはワタシ以外の愛人がまだまだたくさんいます。”』

『“じゃあ、彼の葬儀に私の全く知らない女性が居たのも、、、?”』

『そうです、皆! 彼の愛人です。』

『・・・・・・』

『“奥さんが信じたくないのはよく分かります! でもそれが真実なんです!”』

『いつから、いつからアナタと彼はそんな関係に、、、?』

『ワタシは彼と最初に知り合ったのは? BARでした。一人で私がカウンター席

で飲んでたら? 彼が後から入ってきてワタシの隣に座ったところから仲良く

なって、、、。』

『“彼はお酒は飲めないはずです! そんな彼がBARに一人で行くなんて私は信じ

られません!』

『“奥さんにはそう言ってたんですね。”』

『えぇ!?』

『彼、結構お酒強いんですよ。 ほら? 写真も残っています。』

『あぁ!?』

『“ワタシ達、愛人は皆! 彼に良くしてもらいました。』

『彼はアナタに何をしたんですか?』

『いろいろですけど? ワタシが職場で上手くいかなかった時は、真剣に

ワタシの話を聞いてくれたり、体の関係も......。』

『・・・そ、その他の女性もそうなんですか?』

『“はい! ワタシ達愛人は、みんな何度か会っていて仲がいいんですよ。”』

『“妻の私だけが何も知らなかった、”』

『“彼は奥さんである貴女を誰よりも一番、大事にされていました。”』

『嘘よ! こんな、私に黙って愛人を何人も居ただなんて!』

『奥さん! 彼は間違いなく貴女を大事に想っていましたよ。』

『もう帰って! なにも今は聞きたくない!』

『分りました、また落ち着いたら来ます。』

『・・・・・・』







・・・その後、彼が亡くなって3カ月が過ぎた頃。

彼の愛人達が、家にやってきて私にまたこう言ってきたわ。



『“奥さん! 彼はワタシ達愛人みんなに、遺産を少しづつ残してくれて

いるはずなんです! お願いです、ワタシ達に遺産をほんの少しだけ頂け

ませんか?”』

『“それも彼がアナタ達に言ったんですか?”』

【はい!】

『分りました、遺産は私だけじゃなく! アナタ達にも分け与えます。

彼がそう言ったのなら、仕方ありません。』

『ありがとうございます!』






・・・私は彼の何を見てきたのだろう?

10年も彼と付き合い、10年後直ぐ彼にプロポーズされて疑う事無く

彼と結婚し、幸せな生活を送っていたつもりだった。

でも? 本当は違う!


“私はあなたの何だったのかな?“


彼の事を何もかも私は知っていると思い込んでいただけだった。

本当は何も、私はあなたの事を分かっていなかったのかもしれない!

こんなにあなたに、“愛人“が居たことも、、、。

私は何も知らなかったのだから。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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