表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/17

『輝く希望』の船出(船に乗るとは言ってない)

翌朝、俺は冒険者ギルドへ赴く。

『輝く希望』のメンバーは来てるかな?

と、探すまでもなかった。三人共、既にギルドに来ていた。

「ごめんね、待たせちゃったかな?おはよう。みんな早いね。」俺は挨拶した。

この年頃の女の子は男の子よりしっかりしている。

「いいえ今皆来たところですよ。」三人は言う。

さーて何をするかなぁ。

王道なら冒険者ギルドの依頼

でも、まだ皆レベルも低いしレベル上げという手もある。

取り合えず三人に意見を聞いてみよう。

「三人は何したい?」俺は聞いた。

「そうですね、活動するにあたって、ある程度のレベルに達していないと

依頼書の幅も狭くなると思います。私はレベル上げを提案します。」ナタリーは言う。

二人とも頷いている。

全くその通り。流石ヒーラー冷静な分析もできてるようだし

ナタリーがリーダーでいいのでは?責任は軽ければ軽いほど良い。

そう思ったが口にしたら怒られそうなので止めておいた。

「んー宿賃とかあるし三人は金銭的に大丈夫?レベ上げ優先でいいの?」

俺はそう言うと

「あたし達は三人とも幼馴染で、実家住みだから金銭的には大丈夫!」

魔術師メディアは言い、二人は頷いた。

「そっかー、じゃあなるべくドロップ気にせず経験値がいい敵がいいね。」

とはいったものの、どんな敵がいいだろうか。

多分このPT構成から考えると大量の雑魚を無双するより

ちょっと強い単体敵向けだと思う。

「三人はエティンって知ってる?」俺は三人に尋ねた。

「あ、わたし知ってます。頭が二つある巨人族。」錬金呪術師クリスが言う。

「あたし興味本位で巨人族のダンジョン行ったら追っかけられたことある!

一階にうろうろしてる奴ね。」魔術師メディアは言った。

「巨人族は駆け出し冒険者にとっては割と経験値高いからね

じゃあ、そのダンジョンへ行ってみようか。」と俺が提案すると

三人とも頷いた。

「メディアちゃんダンジョンへの案内頼んでいいかな?」

「OKです!」そう言うとメディアに先導され皆ついて行った。

ブッシュ地帯を抜け山道を少し上った所に、そのダンジョンはあった。

「じゃじゃーん!ここでーすっ!」魔術師メディアは入り口を指さし言った。

「おー。」俺含め残り二人は感嘆の声を漏らす。

雰囲気は鉱山跡地、岩の山肌にザックリと暗い口を開けているかのようなダンジョン

通称巨人族のダンジョンらしい。そのまんまだね。

「さぁ、じゃあ取り合えず行ってみますか。」そう言って俺は先頭で

ダンジョンに入る。三人は後からついてくる。

「まぁ当たり前だけど暗いね。誰か明かりの用意はある?」聞くと

神術師ナタリーが「私、明かりの呪文覚えています。

われらが神よ、子羊たちの行方を照らしたまえライト!」

そう言うとナタリーの頭上に微かな明かりが灯る。二人は知っていたようで

別段これといった反応はない。

「よし、では行こう!」俺が言うと

「はい!」三人は答えた。

入り口から暫くは一本道、そこに一匹目はいた。

「あいつか…。」

俺の足は少し震えていた。

前世のクマ牧場で見た立ち上がったヒグマより大きい。

しかも頭が二つある筋肉モリモリマッチョマン。

そいつが、こん棒持って俺に向かってきてる。しかも俺10歳。

エティンの動きは緩慢に見えるが、どんな隠し玉を持っているかわからない。

「疾風の如く!その四肢に加速を!ファスト!」錬金呪術師クリスが

俺に呪文をかける。

「加速の魔法を使いました!いつもより早く動けるはずです!」

俺の足の震えが加速している。

いや、ビビってる場合ではない。

ザッ!

俺は双頭の巨人に向かって飛び掛かった。おっ、確かにこれは早い足が軽い。

「いくぞっ!」ブンッ!俺の剣が宙を切る。

今の俺の身長は大体140cm相手の身長は4mぐらい。剣が首まで届かねーよ!

「メディアちゃんアイツ屈ませられない?」俺は聞いた。多分ちょっと情けない顔だったと思う。

「まっかせてー!炎の精霊よ!ここに集いて火球と為せ!ファイアーボール!」

メディアのファイアーボールは見事巨人の腹に命中し巨人は腹部を守るように蹲る。

「ナイス!」奴の頭が剣の届く位置に降りてきた。俺は奴の首向かって剣を振り下ろした!

ザシュッ!!と音がする。手応えあり!

片方の首がズルリと滑り落ち、ゴトリと地面に落ちる。もう一個のエティンの頭は残ったままだ。

「ウヴォー!!」絶叫と共に再び立ち上がる。

エティンは俺目がけて力いっぱい棍棒を振りかぶる。

オイオイオイ、死んだわ俺。そう思った瞬間棍棒は横スレスレの地面を叩き割っていた。

首を切り落とした方の半身がバランスをとれずフラフラしている。

なるほど、片方の頭が半身の制御してたってわけか。

「炎の聖霊よ!ここに集いて火球と為せ!ファイアーボール!」

すかさず詠唱したメディアのファイアーボールは再び巨人腹に命中、蹲る。

ザッ!俺は再び飛び掛かりもう片方の頭を斬り落とした。

そのまま巨人は膝から崩れ落ち動かなくなった。

「ふぅ…何とかなったな。」そう言うと首から掛けられていた

冒険証がひかり、レベルの数字が13に変わった。

「うわっ!レベル一気に上がった!」そう俺が言うと

他の三人皆レベル12になっていた。

皆信じられないとハイタッチで、はしゃいでいる。

まぁでも、普通に棍棒食らってたら俺多分死んでたしなぁ。

エグイ経験値だけれど妥当か…そんな風に思った。

「よし上々だね、こんな感じの連携でドンドン狩っていこうか!」

三人とも頷いた。

暫く歩くと、いよいよダンジョンは分かれ道だらけになる。

「バックアタックというかエティンの挟み撃ちには気を付けよう。」

声をかけると皆頷いた。

同じ戦略で一匹ずつ確実にエティンを仕留めてゆく。

ステータスも上がっているようで

俺も皆も確実に強くなっていた。

そして、15匹ほど倒したところで帰還を選択

帰る道すがら5匹を葬る。

そして俺たちはダンジョンから出た。

夕方なのに外は眩しく感じた。

冒険者証を見てみるとレベルの数字が21になっていた

他の三人も皆同じだ。

「いやー皆お疲れ様、ガッツリレベル上がったね。」

「お疲れさまでした」

「おつかれさまー」

「お疲れさまでした」

皆互いを労うと三人はキャイキャイとダンジョン内での話で盛り上がっている

俺は混ざり方がわからないので取り合えずニコニコしながら頷いていた。

そう…何を隠そう、この俺こそ陰キャの王なのだ!

「そうでした、今朝父にパーティーメンバーで冒険行くと言ったら

町への帰還スクロールを貰ったので、それで戻りましょう。」クリスは言う

いいなぁ親子愛。俺には無縁の話だ。

「ありがたく使わせてもらおう。」俺が言うと

「それでは、みんな私に触れてね。」とクリスは言う

俺はどこに触れていいのかわからずに躊躇したが

他の2人は腕に触れていたので俺もそうした。

「リターン!」クリスが言うと

スクロールは輝きを放ちながら俺たち一行を包み込み

俺たちは街へと飛んだ。

役目を終えたスクロールは風となって霧散した。

(冒険者ギルド前)

「いやー皆お疲れ様!レベルも結構上がったから

スキル振りなんかも悩むと思う。

一生を左右するスキルだから

一週間考えるもよし体験談を聞くのもよし

とにかく自分とパーティーにあってそうなスキルを

とっておいてね。」

我ながら説教臭い事を言ってしまった。ジジイだから許しておくれ、みんな。

「はい!」三人はいい返事を返してくれた。

「それでは、解散また一週間後に!」俺はそう言うと

一行は散り散りと帰途についた。

俺は宿へ着きシャワーを浴びて食事をとり部屋へ戻る。

そしてベッドで横になる。

ぬわああああん疲れたもおおおおん

明日は絶対筋肉痛だわ。

スキル振りも考えないとなぁ…。

冒険者証の端の光学模様ボタンをタッチしてみる。

するとホログラムでスキルツリーが現れる。

オーバーテクノロジー過ぎるだろこれ…

そうこう考えているうちに夜は更けていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ