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巨人族のダンジョンB2F

「さぁみんな集まったね」俺は言う

「今日は何するの?」メディアが訪ねる。

「そうだなぁ人助けの依頼なんてどうかな?

強い敵討伐でも名は上がるけど『輝く希望』の評判を上げたいじゃない?

そうすれば、何かと便利だし、みんなも鼻が高いんじゃないかな?」俺は言った。

「そうですね、私は神術師として、その意見に賛成です

見返りは求めませんが、人助けは良い事です。」うん神術師らしい模範解答だな。

「あたしはどっちでもいいけど、悪いやつは倒さなきゃね!」とメディア

「いいのではないでしょうか私も賛成です。」クリスは言った。

「では、冒険者ギルドの依頼掲示板を見に行きますかー。」俺は言うと皆ついてきた。

「じゃあ、人助けっぽい依頼を選んでね。」俺は言うと

三人は掲示板の方へ依頼を見に行った。

暫くして戻ってくると、「大変大変!と」メディア筆頭に皆でこちらへ来た。

内容はこうだ、複数人の子供が巨人族ダンジョンの地下二階のオーガの巣に連れ去られた。

緊急の救出を求む。子供の合計4人 報酬は銀貨4000枚、つまり金貨4枚だ

恐らく親御さんが必死に金を集めて、一人頭1000枚の銀貨を調達したのだろう。

一般人の家庭が銀貨1000枚を捻出するのはかなり困難。

しかし子供の命は値段には代えられない、かき集めてきた最大限の金額なのだろう。

俺達はギルドの受付で依頼書にサインして、すぐに巨人のダンジョンへ向かった。

「みな分かっていはいると思うけど、事は一刻を争う。俺達はもう立派な冒険者だ。

速攻でオーガの巣に直行してオーガに食べられる前に子供たちを助けるよ!」

三人は真剣な面持ちで黙ってうなずく。

すぐにダンジョンへと入る。

「我らが神よ、子羊たちの行方を照らしたまえライト!トリプル!」

三つの光の玉がナタリーの頭上に灯る。視界は良好だ。

俺達は地下二階へ向けて急ぐ、途中にエティンが山ほどいるが

最早俺達の敵ではない。単体の場合愛剣、俺のオブシダンソードで胴体を薙ぎ払うだけで

エティンは真っ二つになり地面に落ち両の頭を素早く削ぎ落す。

複数出た場合は俺が一匹ずつ屠り他のエティンは

「炎の精霊よ!ここに集いて圧して爆ぜよ!エクスプロージョン!」

メディアが範囲魔法で片付けてくれる

クリスとナタリーには雑魚戦は魔力を温存しておいてもらって

オーガの時の為に思う存分協力して欲しいと伝えてある。

いよいよ地下二階の階段が見えてきた。

地下二階へ降りる。

階段を降りたらここは西の端だ。

巣のある場所は入り口から正反対の位置にあると聞いている。

複雑に入り組んでいるダンジョンだ、東を目指し

行きどまりがあれば迂回しつつ移動した。

角を曲がるとオーガがいた!

見た目完全にメタボ。腕は筋肉質の上に脂肪が乗っている感じだ。

強化版相撲取りみたいなもんだな。

「我らが神よ、聖なる恩寵を我らに与え給え!ブレッシング!ディカプル!」

おっナタリーはブレスレベル10まで取ったんだな。これはありがたい。

「鋼の如く!その身に纏うは不可視の鎧!ソリド!」

クリスは俺に防御魔法をかける。

「力の奔流を断ち切り、軛を放て!虚脱刻印フィーブルマーク!」

クリスが詠唱するとオーガに刻印のようなものが施され

棍棒を落としそうになる

「力のデバフです。」攻撃されても致命傷にはならないでしょう。

クリスは言った。

オーガは鈍重だ。俺は地面を蹴りオーガの背後に回った。

オーガは俺が正面にいた位置に棍棒を振り落としている。

「鈍い!これは楽勝だな。」俺はそう言い。オーガを背中からバッサリと袈裟切りにした。

オーガは前のめりに倒れ動かなくなった。

「この調子で行くぞ!」皆頷いた。

同じような要領でナタリーはブレスによるバフ

クリスは俺へのバフと敵のデバフ。

メディアは状況に合わせオーガが複数できた時は魔法で対処。

順調にオーガの巣に近づいて行く。

巣の周辺には3体のオーガがいる。

見た目はオーガそのものだが何となく雰囲気が違う。

なんというか説明が難しいが俺の感だ。

俺が近づくのを躊躇していると

「知の灯よ、因果の理を見抜き、真実を映せ!シーカーズ・アイ!」

クリスが詠唱する。

「突っ込まなくて良かったですね

あれはオーガロードで間違いないです。弱点は火だけれど表皮が固く

少々のダメージでは倒せないようです。」

敵の種類と弱点を見破る魔法か!クリスいいスキルとったな今後も活躍してくれそうだ。

それはそうと目の前のオーガロードだ。

よく見ると巣の中に4人の子供がいる。

急がなければ。

「皆全力で行くぞ!」俺が言うと

「はい!」三人は覚悟のこもった返事をした。

「我らが神よ、聖なる恩寵を我らに与え給え!ブレッシング!ディカプル!」

ナタリーの詠唱で皆の全てのステータスが増強される。

「圧縮されし時の狭間にその身を委ねよ!ファスティア!」

PT全体速度魔法をクリスは唱え、立て続けに

「其は難攻不落!顕現するは不可視の要塞!ソリディネイト!」

全員の防御力アップの魔法をかける

「烈火の如く!その四肢に剛力を!ストリグ!」

俺への力増強魔法だ。

「魔力の流れをもって!円環と為せ!マナフロウ!

これは魔法を使用した際の消費魔力を軽減し、持続的に魔力を回復する魔法です。」

勇者戦で俺達は随分レベル上がったからなクリスも十分なスキル振りができたのだろう。

「其に見えざる呪縛を、歪に滞れ!偏歪刻印バイアスマーク!トリプル!」

「力の奔流を断ち切り、軛を放て!虚脱刻印フィーブルマーク!トリプル!」

「装いし防備は虚構なり、儚く崩れよ!脆装刻印フレイルマーク!トリプル!」

「これは刻印で速度・力・防御低下の刻印を刻む魔法です。後はお願いします!」クリスは言った。

確かに三体とも赤黒く光る三つの刻印がそれぞれに施されている。

「近づかれたらアルの出番だからね!遠距離の内は、あたしがやる!

炎の精霊よ!ここに集いて圧して爆ぜよ!エクスプロージョン!」

炎の爆発がオーガロードを襲う。ここで敵はこちらに気づいたようだ。

ただでさえ動きが鈍いのにスピード低下を喰らって、ゆっくりしかこちらに近づけない。

「炎の精霊よ!ここに集いて圧して爆ぜよ!エクスプロージョン!」

その隙にどんどんメディアは魔法を連発する。

しかしオーガロードに酷く弱った気配はない。

距離がだんだん詰まる。

「そろそろ俺の出番だな。」

地面を蹴りその勢いで切りつける

ズバッ!多少の手ごたえはあるものの

切り傷程度だ。

「これは厄介だな…」

俺は一匹に集中して連撃を入れる。少し深めの傷が出来た。

やっとか…と思っている所その隙をつかれ

他のオーガロードの棍棒が俺の首横の鎖骨を砕き

肺に到達しようかというところまでめり込んだ。

マジか!力減衰魔法かかっててこれか!

かかってなかったら死んでたろ!

カラン…俺の手からオブシダンソードは落下する

「いけない!」ナタリーは叫びながら詠唱する

「我らが神よ、傷つきしこの者に癒しを!ヒール!ディカプル!」

緑色の光に包まれた瞬間一瞬で俺の損傷は元に戻る。俺は急いで剣を拾う。

これはまずいな…もうオーガロード達は俺達メンバー近くに来ている。

打つ手なしか。

本当はこれは使いたくなかったんだが、やるしかないか。

皆にいいイメージがないだろうし、魔力消費量が多く3発が限界だ。

上手く当てないとな…。

俺がオーガロードに手をかざすと、一瞬空気が静まる

「沈黙せよ、刹那に宿る星の衝動!ノヴァ・インパルス!」

音もなく直径20cmほどの青白い球体が現れ

圧縮された魔力の塊は無音でオーガロードのどてっぱらを貫いた。

「あっ!」三人がハモって驚く。

「まずは一匹目。次行くぞ!」俺は叫ぶと

俺が二匹目のオーガロードに手をかざすと、一瞬空気が静まる

「沈黙せよ、刹那に宿る星の衝動!ノヴァ・インパルス!」

圧縮された魔力の塊は無音で再びオーガロードの腹を貫く。

「お前で最後だ!消えろ!」

最後のオーガロードに手をかざすと、一瞬空気が静まる

「沈黙せよ、刹那に宿る星の衝動!ノヴァ・インパルス!」

圧縮された魔力の塊は無音で最後の獲物の腹部を貫く。

フィニッシュを決めた俺はカッコつけたいところだが

魔力は完全に空だ。俺は肩で息をしながら、へたり込んだ。

呆気に取られていた三人は次々に俺に近寄り声をかけてきた。

「それ勇者の魔法ですよね!覚えられたのですね凄いです!」

クリスが目を輝かせながら言う。

「なるほどエルヴァインが止めの魔法として選んだ魔法だけあるわね。」

意外とメディアは冷静だ。

「やりましたねアルさん!アルさんなら何とかしてくれると信じていました!」

ナタリーはべた褒めだ。みんな特にトラウマになってないようで安心した。

「あー、俺はここでちょっと休んでるから巣にいる子供たちを助けてきてくれないかな。」

視界は開けている敵影無し殲滅したと考えていいだろう。

ナタリーを先頭に皆走っていった、不安だったのだろう子供たちは泣いている。

三人は「大丈夫!もう大丈夫だからね!」と声をかけ子供達を抱きしめていた。

一件落着だな。誰か、若しくは全員食べられている可能も無きにしも非ずだったのだが。

幸いなことに子供4人とも救出できて何よりだ。

三人は子供たちを連れて戻ってきた。

「ナタリー帰還のスクロール持ってきてる?」俺は聞く

「勿論です」ナタリーは答える。

「じゃあみんな手を繋いでね!」

俺達はみんな手をつないだ。

「リターン!」クリスが言うと

スクロールは輝きを放ちながら俺たち一行を包み込み

俺たちは街へと飛んだ。

役目を終えたスクロールは風となって霧散した。

(冒険者ギルド前)

さぁ報告だ。皆を連れ立って受付へ行く。

報告をすると4人の親はすっとんできた。

涙の御対面だ。

俺達は親から何度も礼を言われた。

「いいえお気になさらず、皆無事で何よりでした。」俺は答える

すると「ありがとうございます!ありがとうございます!」

親御さん達は何度も頭を下げ家に戻っていった。

「皆お疲れ、また次も頑張ろう!」俺が言うと

三人は「おー!」と返した。

俺達の冒険者証のレベルは70になっていた。

俺達は銀貨1000枚をギルドで両替してもらって

各自金貨一枚を持って解散した。

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