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「わたくし、常々思っておりましたの。」断罪悪役令嬢、国家の運命を握りました。

作者: 草履之花緒

 豪奢な宮殿の大広間。この日は貴族の子女が通う学園のプロム(卒業ダンスパーティー)が行われていた。この学園の卒業を祝うプロムは代々王宮で行われ、国王から直接彼らに祝辞を賜るのが慣例である。

 眩く光るシャンデリアの下、多くの着飾った人々が集い、宴に興じていた。

 そんな中、一際(ひときわ)異彩を放つ若者達が一人の女性の前に立ち塞がった。



「アドリアーナ・アエリウス!お前の非道な行いの数々!もはや見過ごすことはできぬ!この国の王妃に相応しく無いことは明白だ!お前との婚約破棄をここに宣言する!」



 若者の一人、淡い金色の髪と色素の薄い青の瞳が、まるで童話に出てくる王子様さながらの見た目を持った青年、この国の王太子リッカルドが口火を切った。



「畏れながら殿下、『非道な行い』とは?」



 アドリアーナと呼ばれた淑女は、周囲の注目を集めてしまっているにも関わらず平然と立ち、王太子とその仲間に対峙する。



「しらばっくれるな!お前の行いは全て、既に聞き及んでいる!」



「お聞きになっておられるとは、何方(どなた)から?」



「ここにいるシルヴィアからだ!」



 リッカルドは、背後に隠れるようにして立っていた蜂蜜色の髪のシルヴィアを抱き寄せて言った。



「お一方だけ?他にも何方(どなた)かいらっしゃいませんの?」



「お前の被害に遭ったシルヴィアの証言で十分だ!」



「そうだ!アドリアーナ嬢がシルヴィアを階段から突き落とした時、運良く私が通りかかったから大怪我にはならなかったが、貴女(あなた)がしたことは私も知っている。」



 王子の脇に控えていた騎士マゼットが、栗色の髪を逆立て、自分の出番とばかりに声を上げた。



「それは(わたくし)がその「シルヴィア様を突き落とした」ところをご覧になったのですか?」



「…いや、直接は見ていないが、シルヴィアがちょうど落ちてくる所に居合わせた。その時アドリアーナ嬢と口論の末、突き落とされたと言っていた。」



「つまり、シルヴィア様の証言だけで、(わたくし)の姿はご覧になっていないと。」



「そんなことをするのは貴女(あなた)しかいない!」



「それにシルヴィアが食事中のテーブルをひっくり返したそうだな!?危うく彼女が怪我を負う所だったんだぞ!」



 “…ちゃぶ台返しかよ!”



「…いくらなんでもそんなことはできませんわ。」



 “あぶないあぶない、つい口に出してしまいそうでした。”



 アドリアーナはうっかりツッコミを入れそうになって、緩む口元と震えそうな肩を気合いで抑える。

 そんなアドリアーナの様子に勝機を見てとったのか、王太子の側近候補、藍色の髪の青年ティべリオが不敵な笑みを浮かべて言い放つ。



「大方自分では手を下さず、息のかかった使用人にやらせたんだろう。」



 “電信柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも、みんな私の所為なのか!”



 彼らはもう何がなんでもアドリアーナの所為にしたいらしい。



「もうこれ以上は手を下せぬよう、お前を国外追放にする!」



 そう大勢の前で高らかに言うと、リッカルドは勝ち誇ったように侮蔑の籠った笑みを浮かべた。



「はあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」



「な、なんだ!」



 アドリアーナは優雅に扇を広げると口元を隠し、堪らず長いため息を吐く。そしてジロっと翡翠色の瞳で彼らの方を見る。幼い頃から「目力が強い」と言われてきたアドリアーナの視線に、王子を始め、糾弾していた若者らがたじろいだ。



「…(わたくし)()()思っておりましたの。たった一人の証言で、検証も行わず、調査もせずに、推測のみで一方的に誰かを糾弾し、貶めるような方々が、どうして国を治めるような高い地位を得られるのかと。」



 “()()()思うけど、ほんと、おかしくないですかね!?”



 いきなり始まった三文芝居にある者は眉を(しか)め、またある者は他の者とコソコソ囁き合いながら、固唾を呑んで彼らを見守った。



「我が国の法では、人を罪に問うには法に則った証拠や複数の証言が必要でございます。尤も学園一の秀才と名高いティベリオ様なら、当にご存じのことと思いますが。」



「…ぐっ!」



 好きな相手に目が眩み気付いていなかったのか、それとも気付いていて敢えて目を逸らしたのかわからないが、皆の前で晒されて、ティベリオが怯んだ。



「そもそも、この(わたくし)が、そんなに稚拙で、せこくて、みみっちい嫌がらせをすると思われるのは甚だ心外ですわ。よっぽどおつむの弱い方がお考えになったのでしょうね。」



「なんだと?!」



「おつむの弱い」でリッカルドに加え、マゼットが反応する。どうやら自覚があるらしい。というより、考えたのは彼らだということが丸わかりだ。



「畏れながら、何方(どなた)か知りませんが、とても人々を統治できるような器をお持ちとは思えませんわね。」



「そうだな。全くその通りだ。」



 突然、地の底からビリビリと大地を揺るがすような重低音が、あっという間に場内を隅々まで支配する。その声の主、大広間に現れた体躯の良い派手な男に、人々の視線が集まる。

 夜の闇のようなマントを翻し、長く敷かれた赤い絨毯の上を、大股に歩いてきた漆黒の髪の男と、その後ろを自分より遥かに若い男に付き従うかのように、この国ルナータの国王がそろそろと入場する。ここに二人の力関係がはっきりと見て取れた。


 人々は水面に広がる波紋のように、次々と頭を下げてゆく。

 大国ソラリウスの王、カエルス・フランメウム・ソラリウスは彼らを見下ろし、その黄金の瞳を光らせた。



「ルナータの王太子よ。先程の、アドリアーナ・アエリウスとの婚約を破棄するとした宣言に、二言は無いか。」



「は!はい。もちろんでございます。」



 自分と年がそう大して変わらないカエルスの威圧的な態度に、身が縮こまってしまったリッカルドが慌てて答える。



「アドリアーナ・アエリウス。」



「はい、ソラリウス陛下。」



 カエルスの威圧感にも全く怯まず、アドリアーナは平然と彼に答えた。



其方(そなた)もそれで良いか。」



「王太子殿下との婚約を白紙にするお話でしたら、異論はございません。」



「よろしい。ではこちらに署名を。」



 カエルスの秘書官がアドリアーナにペンを手渡し、持っていた紙挟みを彼女の前に開いて、既に作成されている文書を見せる。

 アドリアーナはさっと文書に目を通すと僅かに目を見開いた、そしてカエルスの顔を伺うように見る。カエルスがその視線に小さく頷くと、アドリアーナはぐっと体に力を込めるように口を引き結び、サラサラとペンを走らせた。


 書かれた署名を一度確認して、秘書官は大事そうに文書を持って下がる。

 その様子を見守っていたカエルスは、次にルナータ国王を振り返った。



「ルナータ国王、これで良いな。」



「はい。アドリアーナ・アエリウス嬢は今より()()()()()()()()御許(みもと)()。」



 ざわり、と広間の空気が揺れた。



「ど、どういうこと?!」



「どういうことですか?!父上!」



 ずっと口を閉ざしていたシルヴィアが叫んだのは、王太子と同時であった。



「ソラリウス陛下が(いた)くアドリアーナ嬢を気に入られてな。もし、其方(そなた)との婚約が解消となったならば、是非とも国に招きたいと仰せられた。」



 ルナータ国王は人の良さそうな笑みを浮かべて、満足気に答える。



「嘘よ、なんで、()()()()が!?」



「シルヴィア?」



 一人ブツブツ言い始めたシルヴィアを、三人の青年達は心配そうに取り囲んだ。



「だって、カエルス様の隠しルートは断罪イベが終わってから始まったはず…。」



 “ああ、やっぱり。”



 思った通り、シルヴィア()転生者であった。それも多分、乙ゲー経験者の。


 この世界が、乙女ゲーム『It's my wonderful life.』の中だ、と気付いたのは、アドリアーナが学園に入学する少し前であった。

 アドリアーナは幼い頃から行く先々や出会う人々に既視感を持つことが多く、なぜ自分がこんなことを知っているのだろう?と何となく不思議に思っていた。


 きっかけは15歳の時、学園の制服を作るため採寸をしてもらった時のこと。



 “学校の制服ごときでなぜ採寸?既製で良くない?どうせサイズ変わるんだろうし。大体制服って動きにくいのよね。元々軍服がモデルだったんじゃないっけ?それならもっと動きやすくて良さそうなものなのに。ジャージの方が楽だったわよね。洗濯も簡単だったし。制服が可愛いって学校を選ぶ時の基準にもなったけど、可愛い制服って着る人を選ぶっていうか、可愛い状態を維持するのが意外と大変だったりとか、プリーツはすぐ丸まっちゃったりとか、アイロン掛けが面倒だったりとか…。でもやっぱここの制服はたしかにかわいいのよね〜。できあがったら写真撮ってSNSにアップして…”



「ってああ!?」



「…お嬢様、どうかいたしましたか?何かご不便なところでもございますか?」



「え?あ、いいえ。なんでもないわ。」



「そうですか。では畏れ入りますが、もうしばらくご辛抱くださいませ。」



 そうやってナチュラルに前世と今世の記憶が混ざり合っていて、そのことに今の今まで気付いていなかったのである。



 “うっそ。マジで?”



 鏡に映る自分は、アドリアーナ・アエリウス。乙女ゲーム『It’s my wounderful life.』の悪役令嬢だ。アドリアーナは前世でこのゲームをプレイしたことは無かったが、ゲームがノベライズ、コミカライズされたものを読んでハマった。さらに同人誌まで買い漁り、とりわけ、アドリアーナの転落後の人生を華々しく描かれたものが好きだった。


 そう、前世のアドリアーナの推しは、()()()()()()()()だったのである。


 可愛らしくて鈍感で時々自分に自信の無い天然なヒロイン、シルヴィアは、全く好みでは無かった。攻略対象にちやほやされていても一切興味が湧かなかった。それどころか頭悪そうにしか見えなくて、苦痛でさえあった。それがゲームをやらなかった理由なのだ。



 “まさか自分が推しに転生するなんて。”



 さらに、アドリアーナがカエルスの存在を思い出したのが、この断罪劇の2年ほど前。カエルスが隠しルートの攻略対象者で、ヒロインが他の攻略対象を味方につけ、悪役令嬢のアドリアーナを断罪し国外追放すると現れるという設定のキャラクター。


 実はコミカライズ版の単行本特典SSには、カエルスがその断罪劇よりもっと前に密かに登場しているシーンが書かれているのだ。


 当時の身分を隠してルナータ王国を征服する為に潜伏していたのだが、その時頻繁にある酒場を利用していた。

 アドリアーナは彼と接触するために、一年近く素性を隠してその酒場に通い、カエルスに接触する機会を(うかが)った。

 そしてなんとか接触に成功し、国外追放の痛手を抑えるべく、カエルスと交渉したのだ。






「カエルス様!本気ですか?!アドリアーナ様は私に暴力を振るうような人なんですよ?!」



「そ、そうです!この女は底意地が悪く、何をしでかすか分かったものではありません!」



 “う〜ん。国外に出て行くのには変わりないんだから、放っておいてくれたら良いのに。”



 しかしカエルスは、紛糾している一団を無視してアドリアーナの前に跪いた。その行動がアドリアーナにとっては予想外で、思わず目を見開いた。



「アドリアーナ嬢、一緒に我が国へ参ろう。」



「はい。光栄でございます。」



 差し出された手を取り、アドリアーナは微笑んだ。



 “概ね予定通りね。でも、なんで跪いたの?”



「カエルス様!どうか考え直してください!」



 取巻きを振り払ってこちらに突進して来たシルヴィアをさらりとかわし、カエルスは立ち上がった。



「どうも羽虫がうるさいな。もうここには用は無いが、()はどうだ?」



 カエルスはアドリアーナの顔を覗き込むように首を傾げた。



「ええ、私も用はございませんわ。」



「ならば行こうか。」



「はい。」











「さて。後始末はどうする。アドリアーナよ。」



 ソラリウス王国王城。アドリアーナは呆気に取られる断罪劇の首謀者らを置き去りに、既に準備万端だった馬車に乗せられ、カエルスと共にソラリウス王国に向けて出立した。そしてつい3日ほど前、この王城に到着したのである。


 学園のプロムとはいえ、公での婚約破棄劇という、そもそものイレギュラーな事態にも(かかわ)らず、大した混乱も無くソラリウスに迎えられたのは、全て事前に準備されていたからだった。あの場でアドリアーナがサインしたのは、婚約解消手続きだけでなく、ソラリウスに国籍を移す申請手続きであった。


 カエルスは長い足を組み、頬杖をついてアドリアーナを見る。彼女はお茶で口を湿らせてから、ゆっくり思考を巡らせ、そして答えた。



「当初の予定通り、国王陛下も王太子殿下も首を()げ替える必要はないと存じます。ご承知の通り、ルナータ王国は長い歴史があり、丸ごと歴史が塗り変わるような大きな権力闘争を経験しておりません。ですから王朝はそのまま維持された方が、国内の混乱は防げます。それに対外的にも、諸外国から我が国が(そし)りを受け、付け入られることを回避できます。そして実質、力だけ削いでお飾りの王家にして了えば、こちらには都合が良いでしょう。」



 こともなげにアドリアーナは答える。



「ですが、厄介なのは君主に忠誠を誓い支えてきた、頭の回る臣下達ですね。殆どの貴族が自分の利益を追求して私腹を肥やしているのに、彼らは大した自制心です。まあそろそろあの人達に愛想が尽きているとよろしいのですけれど。」



其方(そなた)が気になる者がいたら教えてくれ。そこは金を握らせて黙らせるか、有用であれば、同じように我が国に引き抜こう。使える者はどこの国でも欲しがるものだ。特に我が国は新興国だからな。いくら人手があってもまだ足りん。」



「かしこまりました。ありがとうございます。後ほどリストを作成してお持ちします。ですが、お金で簡単に言うことを聞きそうな方は、逆に裏切るのも簡単ですので、差し出がましいようですが、お気を付けくださいませ。」



「ああ。心得ている。」



 カエルスは気分を害するわけでもなく、アドリアーナの言葉を受け入れた。


 ソラリウスは元は多くの小国が小競り合いを続ける土地であった。カエルスもそんな小国の一国守であったが、次々と小国を平定し、名をソラリウスと改め、初代国王に就任した。


 カエルスの勇猛果敢な戦いぶりは、国内外に鬼神と恐れられ、今や列強に名を連ねる最大の原因とまで言われている。しかし、多くの国を平定することができたのは、彼の人使いの巧さであることは近しい者達にとって周知の事実だった。実際彼の元からの臣下はわずかで、殆どが国を平定する過程で引き入れた者達ばかりである。


 その前例があったため、アドリアーナも難なくその末席に加えられたのだった。



 “カエルスがルナータに潜伏していた頃は、まだ、国を平定している最中だったから。お陰で私も彼とコンタクトが取れ、ルナータを彼の支配下におけるよう手助けすることを交換条件に、私の破滅ルートを回避したんだよね。”



 乙ゲーは未プレイだが、シナリオもストーリーも網羅している上、宰相の娘であり、王太子の婚約者であったアドリアーナには、そう大変な事ではなかった。

 それでも何かあった時のためにと父や家族には直接計画を伝えなかったが、カエルスと秘密裏に繋がっていたことは仄めかし、また家の手の者を通じて知られるようにはしておいた。お陰で父宰相にも間接的に手を貸してもらえたのだ。



「ところで、其方(そなた)はどうなのだ?其方(そなた)の言った通り、婚約破棄からの国外追放は茶番に終わった訳だが、それを見越してこの()に直接交渉を持ちかけ、なんなく我が国に逃げ(おお)せた。故国に未練は無いのか。」



「そうですね。そんな思いは()うに消えました。私の出来る限りのことはいたしましたが、力及ばず、正直なところ家族やお世話になった方々が元気でいてくれさえすれば、憂いはございません。」



「ふむ。王家を取り潰さないのも、それらを思ってのことか。」



「そうかも知れません。」



 ほんの少しだけ寂しそうな表情を浮かべ、アドリアーナは微笑んだ。



「彼の国は近年、近隣の他の国々との折り合いが悪く、加えて外交の質が格段に落ちてしまいました。しかも経済が落ち目で、交渉に莫大な金銭がほぼ使えません。他国を見下す事で何とか矜持を保っているので、まともな信頼関係を築けなくなってしまいました。その反面、他国の武力による脅威に怯えています。手薄になった途端、他国が攻め込んで来ると安直な疑心暗鬼に陥っているようですわ。」



「では軍を強化するつもりなのだな。」



「ええ。そういう意見が、王太子殿下を始め彼の派閥から出ています。ですが、一朝一夕に兵力を強化することはできません。徴兵をしてでも強化したい、強行案もあります。そこでですが、我が国が友愛の証として兵力を貸し出すのはいかがでしょう。幸い、と言って良いのか、我が国は新興国ですが、今まで国の平定の為に戦ってきた人材が、平和になったお陰で職にあぶれています。」



「しかし我が国の軍隊をか?それでは実質我が国が、あの国を占領しているのと変わらないでは無いか。いくらなんでもそれは彼らも許さないだろう。」



「ええ。そこは多少の策が必要になりますが、最終判断を下す王家があのままでしたら、そう難しい事ではないと思いますわ。疑心暗鬼な人間は、不安を煽ってやれば簡単に言うことを聞きますもの。それに実際問題、あの国には兵力はあれどそれを適切に動かせる人材がいません。めぼしい者は既に残っておりませんので。」



 先代の頃はまだ、名だたる将軍や参謀がいた。しかし、現国王の息のかかった者にことごとく追い落とされ、不遇の扱いを受けている。そういった猛者達を密かにソラリウスに引き抜く手筈は整えられている。



其方(そなた)の父、宰相はどうだ?どこまで其方(そなた)に協力するつもりだ?」



「本来ならば、他国の言いなりになることを良しとはしませんが…」



 一旦言葉を切ってから、言いにくそうにアドリアーナは続ける。



「これまで国の堕落ぶりを(つぶさ)に見てきたのに加え、今回の一連の騒動、余程腹に据えかねたようで、「もはや内側からは手の施しようが無い。民のためを思えば、他国の属国になっても致し方無い。」と。」



 ルナータ王国の斜陽は先王の時代から始まっていたのかも知れない。長きに渡り国を維持し、かつて栄華を誇ったルナータ王国は、その栄光に翳りが見えていた。その凋落をなんとか食い止めようと、先王は無理な改革を推し進め、国内はさらなる疲弊を生んだ。

 国が疲弊すると人心はさらに乱れた。


 先代の遺産を引き継いだ現ルナータ王は、一見優し気で人好きのする風貌ではあるが、その実、勉強嫌いで人の好き嫌いが激しく、自分の意に沿わない臣下を(ことごと)く排斥してきた。結果、彼の周りは太鼓持ちだけになってしまった。


 その太鼓持ち達にちやほやされ、甘やかされてきたのが今の王太子リッカルド。父親と同じく勉学に興味が無く、其の癖臣下を馬鹿にした態度を取る。


 そんな王家を見るに見かねた重臣らが、歳の近い娘を持つ当時宰相になったばかりのアエリウス侯爵を拝み倒して、王太子の婚約者に才媛と謳われたアエリウス侯爵家子女、アドリアーナを据えた。ゆくゆくリッカルドが即位しても、王妃となるアドリアーナが国政を握れば良いとの思惑は、先日見事に崩れ去った訳だが。



 “どうしてこんな人達をゲームの攻略対象にしたのかしら?普通、なんでも完璧なスパダリとかじゃないの?”



「勉強だけが全てじゃありません!」とはヒロインのセリフだったか。勉強嫌いのくせに、アドリアーナとは何かと張り合っていたリッカルドは、そう共感してくれたシルヴィアに強烈に惹かれてゆく。


 アドリアーナはリッカルドに「頭でっかち」「机上の空論」「現実を見ろ」などと揶揄されたのだが、実際、現実が見えていないのは彼の方であり、実力差が歴然としていた為、そんな揶揄を歯牙にも掛けなかった。結局言った本人が勝手に苛立つだけになったのだ。



「しかし、余り其方(そなた)の父一人に比重がかかると、何かあった時に一人に全責任を押し付けて切られる可能性がある。それでは全く意味が無い。」



「ええ。その辺りは腐っても宰相なので、上手くやってくれると信じていますわ。」



「おいおい、実の親にも厳しいな。」



「そういう家なのです。」



 “前世の民主主義と比べて、重要ポストを担う同格の貴族が少ないことが幸いしたわね。”



 父宰相に関しては、アドリアーナもそれほど心配していなかった。それは長年培われて来た、家族というだけでない信頼関係による。

 アドリアーナの家は政治問題や社会問題、はたまた最近の流行に見る経済への影響など、さまざまな問題について家族で議論を交わす家だった。

 幼いうちから議論の場に参加を許され、その際に良い意見を言うと、子どもの意見であろうと採用された。それが嬉しくて、アドリアーナも弟も進んで勉強した。






「して、アドリアーナ。」



「…はい、陛下。」



 カエルスの声に淡く色が灯り、雰囲気が変わったのにアドリアーナは気付いた。



()のことはどう思う?」



「…大変聡明で思慮深く、それでいて決断も早い、近年稀に見る賢君だと感銘を受けましたわ。」



「そう言われるのはありがたいことだが…。」



 カエルスは立ち上がり、アドリアーナの隣に座を移す。そして近い距離に一瞬で緊張したアドリアーナの方を向き、彼女の手をそっと包む。



「そのような賢君の隣には、才色兼備な妃が相応しいと思わないか?」



 “こ、これは何ルート?!”



 舌戦に慣れているアドリアーナは、社交での色を含んだ駆け引きにはそこそこ自信があるが、一対一で面と向かっての駆け引きは初めてであった。



「…そうですわね。()()()()()妃殿下を見つけてくださいまし。」



「もう見つけた。」



 ツンと返すアドリアーナにカエルスは、包み込んでいた手をそっと掴み自分の頬に寄せ、いつものように威圧的ではなく、低く甘やかな声で囁くように言う。

 その腹に響くような美声に、アドリアーナの全身がゾワッと総毛立った。



 “この声はいつ聞いても反則だわ。”



 危うくカエルスの声にふらふらと吸い込まれそうになるのをグッと堪える。アドリアーナはカエルスと目を合わせないように視線を外したまま、少しだけ彼の方に向き直った。



「私は外国人でありながら、陛下の補佐官として召し上げられたのですわ。」



「ああ、最初の契約ではその通りだ。しかし補佐官も良いが、もっと近くで手腕を発揮する方が良いのではないか?」



「今のままでも十分でございます。」



「そうか?余は其方(そなた)にはもっと期待をかけているぞ。」



「もったいないお言葉にございます。」



「…公私共にな。」



 そう言ってカエルスは頬に当てていたアドリアーナの(てのひら)に口付けた。



「…なっ!」



 不意打ちに動揺したアドリアーナは、思わずカエルスと目を合わせてしまう。カエルスは彼女を上目遣いにじっと見つめ、ニヤッと口の端を歪めた。彼の艶めいて妖しげな眼差しは、アドリアーナの感情を大いに揺さぶった。



 “こんなに色っぽいなんて、聞いてないから!!”



 言い知れない感覚に恐怖を覚えたアドリアーナは、掴まれている手を引き抜こうとした。しかし、思った以上にしっかり掴まれていた為、急に引っ張った反動で、カエルスの方へ倒れ込んでしまう。



「!!」



「自ら()を誘うか?」



「ち、違います!誤解です!」



 咄嗟に抱きすくめられ、アドリアーナは羞恥に悶える。尚もがっしりと力を込められ、歴戦の猛者の腕から抜け出そうにも女一人の力ではどうにもならない。



「あ〜陛下、そろそろ宜しいですか?」



「なんだ。無粋だな。」



「無粋も何も、ここは執務室ですよ。やるなら部屋でやってください。」



 始めからずっとカエルスの補佐官エリアは、この執務室に充てがわれた自身の机で業務処理をしていた。彼はカエルスが小国の国守であった時から参謀を務める、カエルスにとっては旧知の友であり臣下である。



「なんだ。何か報告があるんだろ?」



 カエルスはアドリアーナを抱きしめたまま、エリアを促した。エリアは二人に構わず話し出す。



「先ほどのルナータの件、こちらで処理させて頂いても宜しいでしょうか。」



「アドリアーナ、それで良いか?」



「はい、よろしくお願いします。」



 カエルスの質問と同時に腕が少し緩み、アドリアーナは身を起こしてなんとか答える。



「ではアドリアーナ様、リストが出来次第、こちらにいただけますか?裏取りと身辺調査を始めますので。それから関係部門と協議します。」



「はい。早急に作成致します。ですから、陛下、手を離してくださいませ。」



 “恥ずかシぬから!”



 カエルスは名残惜しげに一度ギュッと力を込め、腕を離す。そして離れ際にアドリアーナの耳元でそっと囁いた。



「また、後でな。」



「!!!」



 甘く痺れるような低い声に、アドリアーナは腰砕けになった。



「…ちょ、反則でしょ。」



 小さく呟いたその声はカエルスに聞こえたのか聞こえないのか、彼は上機嫌に執務机に戻り、新たな報告書を読み始めた。






 ルナータ王国。

 王太子リッカルドは婚約者のシルヴィアと共に、国王の執務室へ向かっていた。



「父上!!」



 先触れの返事も待たず、勢いよく扉を開けた。



「なんだ、騒々しい。」



「アドリアーナがソラリウスの王妃になるというのは本当ですか?!」



「ああ、そのことか。正確にはソラリウス皇帝の皇后だがな。この結婚を機に帝国と改めるそうだ。」



「そんなことはどうでも良いです!あの女が皇后ですって?!」



 シルヴィアの傍若無人な物言いに、ルナータ国王は無言で眉を上げた。リッカルドはそれに気付いて、窘めるようにそっとシルヴィアの肩を抱いた。しかし、シルヴィアの目は虚空を見つめ、何かをブツブツと呟いている。



「いっつもこっちを馬鹿にするような蔑んだ目つきで見やがって!ちょっと賢いからって偉そうに、何様のつもりよ。折角アタシがヒロインなんだから、あの女を断罪して屈辱まみれにして貶めようと思ったのに、どうしてカエルス様とくっつくのよ!」



 カエルスはゲームの中ではラスボス的存在で、カエルスルートのバッドエンドでは、ルナータ国が滅ぼされる。それを阻止するのがヒロインで、グッドエンドでは彼と結婚し、ソラリウス帝国の皇后となる。つまり、シルヴィアがその地位を得るはずだった。



「して、其方(そのほう)らに結婚式の招待状が来ておる。我が国の代表として務めを果たしてこい。」



「シルヴィアもですか?」



「ああ、そうだ。あちら側の配慮だそうだ。もうすぐ結婚するのだから大差ないだろう。」



 本来ならば王族の誰かが参列するのだが、花嫁が同郷で同窓生だということを理由に、まだ結婚していない為王族籍ではないシルヴィアも、特別に招待された。



 “見てなさいよ。”



 シルヴィアの紫色の瞳が怪しく揺らめいた。






「…本当に来たわね…」



「なによ!なんなのよ!放しなさいよ!!」



 結婚式前夜、シルヴィアはゲーム知識を活かして、まんまとカエルスの寝室に潜入する。カエルスを籠絡して、自分が皇后の座に就こうとしたのだ。


 アドリアーナはそれを予測して、カエルスと罠を張った。



 “流石にゲームをやってないから、隠し通路はあるって事しか分からなかったのよね。”



 結果アドリアーナの想像通り、シルヴィアはまんまと侵入し、捕えられたのである。



「しかし、王城の内部を知られているのは見過ごせんな。即刻処分したいものだが、明日は大事な日だ。取り敢えず地下牢に放り込んで厳重に監視しろ。」



「は!」



「ひっ!!」



 シルヴィアは喚きながら兵士達に連行されて行った。



「陛下、もしや地下牢にも抜け道はございませんか?」



「そうだな、念の為封鎖しておくか。」



「陛下、このことはルナータ王太子には。」



「ああ、詳しいことは伏せて伝えておけ。」



「はい。承知しました。」



 カエルスの寝室に集まっていた者達が、バラバラと散開する。アドリアーナはカエルスと二人、残された。



「さて、愛しの花嫁殿。今夜はここで共に過ごそうか。」



「いいえ、明日からの為にも自室で休みます。」



「今日も明日も大して変わらないではないか。」



「ダメです。女には色々準備がありますから!!」



 “心の準備が!!”



「そうか。残念だな。」



 あっさり引いたカエルスだが、気付くと廊下には図ったように女官がアドリアーナを迎えに来ていた。カエルスはニヤニヤと揶揄(からか)うような顔で、彼女らを送り出したのだった。






「アドリアーナ!」



「これは王太子殿下、それに(腰巾着の)皆様、お久しゅうございます。」



 朝食を終えて、式の準備に取り掛かろうと、手ぐすね引いている女官達の待つ部屋へ向かうアドリアーナの前に、リッカルドといつものマゼット、ティベリオが行く手を塞いだ。



「お前、シルヴィアをどうした!」



「なんのことでしょうか?」



「とぼけるな!昨日の夜、シルヴィアがソラリウス陛下殺害未遂で捕まったんだぞ!お前の差し金か!」



 “ああ、そういうことになったのね。”



「畏れ多くもソラリウス陛下のご裁断に、私には否やはございませんわ。」



「どうせお前がそう唆したのだろう!」



 “ヒロインに唆されてた貴方が何を仰いますやら。”



「そこで何をしている!」



 低く野獣の咆哮のような声が響き渡った。



「我が花嫁の機嫌を伺いに来た途端、甘い砂糖に群がる蟻に出くわすとはな。」



「あ、蟻…」



「まあちょうど良い。貴殿らに聞きたいことがあった。昨夜貴国の鼠が無謀にも余の寝首を掻きに来た。優れた我が臣下らの働きで事なきを得たが、…よもや貴国の差し金か?」



「めっ、滅相もございません!決してそのようなことはございません!」



 三人は真っ青になって頭を下げる。



「ふむ。そうであることを願う。」



「伏して、そのようなことは!」



「そうか。貴殿らを信じよう。」



「ありがとうございます!」



「こちらも詫びに面白いものを見せよう。ついて参れ。」



「は、はい!」



 カエルスがさり気なく肘を差し出して、アドリアーナを誘った。



「陛下お人が悪うございますわ。」



「男としての情けだと思うがな。」



「まあ!殿方というのは難しいものですのね。」



 アドリアーナをギリギリと歯噛みして睨むリッカルド達をよそに、カエルスと談笑しながら薄暗い地下の階段を降りて行くと、鉄格子の連なる牢の入口に見張りの兵士が立っていた。



「どうだ様子は?」



「は!昨夜から全く変わりありません。」



 ‘ガシャン!’と鉄格子を叩く音がして、彼らの前方にある牢から、見たことのある女の横顔がのぞく。




「ここから出しなさいよ!!ちょっと聞いてるの!?カエルス様と結婚するのは私よ!私は皇后なのよ!!早くここから出しなさい!!出さないと、お前らみんな処刑してやるわよ!」



「うるさい!黙れ!」



「出せ!ここから出せ!私は皇后よ!!」



 光源が乏しく薄暗い中、目の前の兵士に般若の面の如き形相で叫ぶシルヴィアは、今入ってきたアドリアーナ達には気付いておらず、制止されても叫び続けた。


 リッカルドは自分の耳目を疑う。マゼットとティベリオは顔面蒼白で呆然と佇んだ。



「…そんな…」



 “ホント、清々しい悪徳ヒロインっぷりね。このままにしておくのは勿体無いわ。何か良い活用法は無いかしら?”



 アドリアーナは、シルヴィアの剣幕にその場でへたり込みそうな三人を、楽しそうに眺めた。






 アクシデント、といっても想定内のスケジュールに収まった、はあったが、無事結婚式典を終えた。女官達に小言を言われたのは除いて。


 ルナータ王国の招待客は、式典中も終始青褪めた顔つきで、終わると早々に帰国した。



「あの女は帰してしまって良かったのか?」



「はい。ソラリウス帝国には入国拒否で問題ございません。どうせ、城は大改造なさるんですし。」



「まあな。あの女一人の口を封じたところで、どこにどう漏れているか分からない以上、このままにはしておけん。しかし、ここで断罪する事もできたのだぞ?」



「いえいえそんな。陛下のお手を煩わせるなど。自国の事は自国で処理していただくのが一番ですわ。」



「…何を企んでいる。」



 カエルスはアドリアーナの肩を抱き寄せた。アドリアーナはカエルスに寄り掛かり、うっとりと目を閉じる。



 ルナータ王国では、王太子妃候補の噂で溢れていた。

 王太子の現婚約者は、前王太子妃候補を謀略で陥れたとか、ソラリウス皇帝を籠絡しようとしたとか、貴族の間だけで無く民衆にまで噂は広まってしまった。


 当然、シルヴィアの評判は地に落ちる。今までは王太子と愛で結ばれたシンデレラストーリーのように持て囃されていたが、今は稀代の悪女として名を馳せている。


 シルヴィアは結局、カエルスを殺害する意図は無かったと釈放されたが、無断侵入の罪を償う条件として、今後一切ソラリウスへの入国を許さないこと、そしてルナータ王太子とどういう形であれ必ず結婚すること、が提示された。


 恐らくルナータの王太子妃は別の貴族令嬢が立てられるだろうとの予測通り、王家の重臣らが王太子妃の選定を始めたようだ。ただ一度目は婚約破棄、二度目は候補者の不始末により、貴族の間では王太子自身の悪評が囁かれ、選定に難航している。


 シルヴィアは伯爵令嬢でありながら、リッカルドの公妾という地位に落ちた。尤もリッカルドの心は既に離れているのだが。それでも彼は彼女を娶らなければならない。そして、もしまた彼女がソラリウスに対して問題を起こしたら、その度にリッカルドだけで無くルナータ王国に責任を追求し、ソラリウス帝国に有利な交渉をすることができる。



「使えるものは何でも使う性分なんです。」



 “これでルナータは常に爆弾を抱えている状況なわけだしね。”



(わたくし)、常々思っておりましたの。どうして断罪をすればそこで終わりなのだと思うのでしょう。人は生きている限り様々な目に遭うものですわ。」



 “本当は死んでからも。”



 前世の記憶があるまま今世を生きる、アドリアーナの実感がこもっている。前世(多分どこかで死んだのだろうけれど)、死んで終わり、では無かった。その世界が今世に繋がっており、『ヒロイン』という役柄の人物とも繋がった。


 いつ終わるかしれない。それなら今を楽しく生きるのが一番だ。

 アドリアーナは転生に気付いてからそう思うようになった。



「なるほどな。」



 カエルスはアドリアーナの腰に回した手に力を込めて言った。



()も自分の隣にこれ程まで似合う伴侶が見つかるとは、思っていなかったからな。」



 今では耳に馴染んだ重低音が、彼女の身体にまとわりついた。

 アドリアーナはふと、気になっていたことを思い出す。



「陛下。一つお伺いしたいのですが。」



「なんだ?」



「あの日、陛下はどうして皆の前で私に跪かれたのですか?」



「…ああ。」



 カエルスは「あの日」がリッカルドとの婚約破棄の日だと思い出す。そして僅かに逡巡したのちに答えた。



「あれは、皆の前で()に求婚するつもりだったんだ。…邪魔が入ってできなかったがな。」



 “そういえばあの時、シルヴィア様が突進してきたはず。ということはこの展開はゲームの中にもあったということね。”



 ふふっと笑ってアドリアーナは、照れ臭そうにそっぽを向くカエルスを見上げた。その視線に気付いたカエルスは、指先で彼女の顎を持ち上げる。


 アドリアーナはそっと、目を閉じた。






               【了】

お読みいただき、ありがとうございました。



※ 直したつもりで直っていなかった(恥) 箇所を修正しました。(2021.12.28)

※ 誤字訂正しました。(2021.12.28)誤字報告ありがとうございます

※ 誤字訂正しました。(2021.12.29)誤字報告ありがとうございます

※ 軽微な修正を行いました。(2022.1.1)

※ 誤字訂正しました。(2022.3.13)誤字報告ありがとうございます。前にいただいていたのに訂正遅くなっちゃいました。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] タイトルからしてアドリアーナの罪を捏造した王子の取り巻きもきちんと断罪されるのかと思っていたので そこが曖昧だったのは残念(見落としていたのならすみません) [一言] ・カエルスのやっ…
[良い点] すごいです、テンプレぶち壊しましたね まぁテンプレはテンプレで面白いところもあるんだけどね…ざまぁしてスッキリするだけですよね、実際そんなことありえないのに だいたい片方の言い分だけ聞いて…
[一言] すごく面白かったです‼ 才能の違いにちょっと(いや、かなり?)嫉妬しちゃいました。 どうやったらこんなに面白い作品が書けるんですか? しかも、ブックマーク登録者数や評価ポイントがかなり高くて…
2022/01/12 16:47 退会済み
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