心地よい関係
彼女が早朝バイトになって3か月。
彼女の勤務日の月・水・金は今でも時間通りに帰れている。
ただ、だんだん眠そうな様子が強まっている気がして「なんか、疲れてるけど大丈夫なの」と声をかけた。
彼女は苦笑いをしながら「ここんとこ課題が増えてきて睡眠不足なんです」といった。
「ぎりぎりの人数で回してるから、一人抜けられると困るんだよね」
と一応、心配して声をかけると、彼女がこわばった表情になって
「すみません・・・」
と頭を下げた。
「・・・責めてるわけじゃなくて、だから、ちゃんと体調管理してねってことだから」
というと、彼女が恐る恐るオレの顔を見上げる。
「そんないい方じゃ、女の子からもてませんよ!」
タイミングよく入ってきた太田が腰に手を当てて仁王立ちになっていた。そして、
「ごめんね、森さん。清水さんこんなんだから誤解されやすいけど、優しい人で、森さんのこと心配してるだけだから。気にしないで」
といった。
「太田が何いってんのかな。・・・ってか、お前よりはもてるから」
といい返すと、はあ~やれやれというように手を広げて頭を振りながら
「女の子を怖がらせる人にいわれたくありませんね~」
といってきた。
二人でいいあっていると森さんが「仲良しさんですね」といってふふっと笑った。
その日から太田はますますオレへの態度がデカくなり、森さんも「この前こんなお客さんが来たんです!!」と愚痴るくらいの関係になった。
地元にいる弟や妹を思い出し、オレもこの関係を心地よく感じてるようになっていた。
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