表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
396/901

6-47

女帝とまで呼ばれ畏れられる彼女が、今、何を想い、幼き少女を抱き締めているのか、それは当人にしか知り得ない話であるが、女王フルールは穏やかな笑みを浮かべたままチィックウィードから静かに離れ、

「いきなり抱き締めなどぉほんにぃ済まなかったぇ。チィがぁ、あまりに愛らしい故、許しておくんなんしぃ」

 謝罪を口にするとチィックウィードはニカッと笑って、


「しかたナイなぉ♪」

「ん?」

「だってぇチイはぁ、とぉ~~~ってもぉカワイイなぉ♪」


 その屈託ない天使の笑顔に、

「ほぉんにのぉ~♪」

 女王も目尻を下げると、

(?)

 一人の視線が眼の端に留まり、妖艶な笑み湛えたまま、


「ヌシよぉ、いかなしたぇ?」


 見つめた先に居たのは、跪くイリス。

 彼女は「初対面となる女帝」を前に、物怖じする素振りも無く、


「いやぁ~意外に思ってさねぇ……」

「意外とはぁ何ぞぉ?」

「ゴツイ女騎士たちの頭目で、女帝とまで呼ばれる「名高き女王フルール陛下」が、まさかこんな、」

「子供好きとは意外かぇ?」

「血も涙も無い、冷酷無情な女傑かとぉ」

「なぁんとぉ? 他国での妾の評価とはぁ、の様にありぃんしたかぇ~世間とは辛辣よのぉ~♪」


 彼女は「ほっほっほっ」と愉快げに笑い、


「さりとてぇ意外と言えばヌシとて……」

 口にしかけた「何か」を、


「いや……何でんありんせぇんぇ♪」


 あえて飲み込みフッと小さく笑い、

「期待を裏切りぃ失望しんしたかぇ?」

 からかいを交えて問うたが、イリスはむしろ彼女の「口籠った先」が気に掛かり、

(まさかアタシの正体に?!)

 秘め事を抱えているが故に内心で動じてしまい、即答できずに居ると、


『失望などしぃせぇん!!!』

「?」


 声を張り上げたのは、カドウィード。

 女王の立ち振る舞いが琴線に触れた彼女は珍しく前のめりに、


「フルール陛下をぉ「あね様」と、呼んで良きにありぃんすかぇ?!」

『『『『『『『『『『えぇっ?!』』』』』』』』』』


 ラディッシュ達やリブロン、そして居合わせた女騎士たちが驚く中、カドウィードの容姿に、言葉に、同じニオイを感じた女王フルールは当然の如く、


「拒む理由が何処にありんすぅ?」

「!!!」


 応えに、目指すべき完成形を見つけた彼女は嬉しそうに身震い、


『カディと呼んでおくんなぁんしぃ、あね様ぁ♪』

「ほっほっほっ♪ うい娘よのぉ♪」


「「「「「「「「「「…………」」」」」」」」」」


 二人だけの世界にツッコミ処は満載であったが、リブロンは重大案件を思い出した様子で毅然を取り戻し、ご満悦な女王フルールの耳元に、

「陛下、そろそろ本題に入りませんと」

 すると彼女も妖艶な笑みの中に気付きを見せ、

「そうでぇありんしたなぁ」

 謁見の間に立ち会う「手練れの女騎士たち」を見回し、


「妾の娘たちよぉ、下がって良きにありんすぇ」


 その言葉に、彼女たちは異論も疑問も無く、

「「「「「「ハッ! 失礼致します!」」」」」」

 粛々と退出して行き、謁見の間に残っているのは女王フルールとリブロン、そしてラディッシュ達八人のみとなった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ