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9話 新人冒険者の振り分け


 イルトみたいな子は初めて見た。まず滅多にSなんて出ない。今日来てくれた人の中でも最高Aだったことから、どれだけイルトがすごいことかわかる。


(それに最初からDなんてどう言うことだ......?)


 どれだけ才能があったとしても最初からDなんて俺の経験上なかった。


「イルトくんは冒険者になる前、何かやっていた?」


「?? 特にやっていないです」


「じゃあお父さん、お母さんはどんな職業?」


 何もしていないで、Dまでスキルが上がっているなんてありえない。でもイルトが嘘をついているとは思えない。だとしたら、親が影響しているかもしれない。なんせ貴族だって英才教育をするように、どの家庭でも親の職業に憧れてまねることが多いから。


「でもお父さんが冒険者兼狩人なので、その戦法は毎日見ていました」


(やっぱりか.......)


「そっか」


 それにしても何も教わらず、お父さんの戦法を見ただけでDまで上がっているなんてすごすぎる。


「それで僕の適性って何ですか?」


 首を傾げながら、不安そうに尋ねてきた。


「イルトくんの適性は指揮官だよ」


「え! 本当ですか!」


 俺がそう言うと、イルトくんは身を乗り出してこちらに顔を近づけてくる。


「うん。指揮官で良いかな?」


「はい! ありがとうございます」


「じゃあ、今後指示をするからよろしくね」


 イルトくん頷きつつ、部屋を出ていった。


(それにしてもこんな逸材が入ってくれるとは)


 前にも言ったが、誰にでもスキルをAやSにする才能はある。だが、その成長スピードが違うだけ。現状Sが最高ランクになっているが、Sの中にも差はある。イルトくんはSの中でも限りなくトップに行ける存在だ。


(この感情......。ルミナなどSランク冒険者になった人以来だな)


 ルミナならホーリーナイトがSランク判定出ていて、結果としてSランク冒険者になっている。だからこそイルトくんもSランク冒険者になれる逸材だと確信していた。


 次の日、新人冒険者全員の職業を決めたところでパーティ編成に入った。


 一旦、どの人とパーティを組みたいか全員の意見を聞く。誰だって組みたい人と組んだ方がいいに決まってる。その方がモチベーションも上がるし、連携とかも取りやすいと思う。


 俺がそう言うと、数人組みたいという人たちが居たので、その子たちの職業を見ながらパーティ編成を行った。運がいいことに、組みたいといった子たちのバランスが良かった。


 それ以外の子たちは、俺が鑑定した結果を見つつパーティを振り分ける。そして全員の振り分けが終わったところで言う。


「じゃあ、今振り分けたパーティに専属の受付嬢を配属させるね」


 すると全員が驚いた顔をしていた。まあそうだよな。普通、どのギルドでも冒険者に受付嬢は配属されるが、専属の人が配属されるのは中級冒険者になってからだ。俺たちのギルドは弱小ギルド人のため、人手不足だが、そこを惜しむわけにはいかない。


(これぐらいしかできないからな)


 今冒険者にメリットがあるといえば、手厚い支援ぐらいだ。どのギルドに対しても給料面では劣ってしまう。だからこそ福利厚生など支援を怠ってはいけない。


「それと、今日から先輩の冒険者に戦闘の訓練を1週間程してもらってからクエストを受けに行こうと思う。もし、嫌だったら断ってくれていいからね?」


 俺の計画上は来週にはクエストに出てもらいたいが、気持ちの整理ができていない人達を無理やり生かせるわけにはいかない。最悪冒険者としてやっていけなくなってしまうから。


 予想外にも、全員やる気があるようだったので助かった。


(これで、本格的にギルドとしての一歩が始まるな)


 後のことは受付嬢やルミナたちに任せて、俺は武器屋のギルドマスター、ロイドのところに向かった。


 武器屋に入ると、ロイドはすぐさま出て来てくれた。


「まず、場所を変えよう。後レイに紹介したい人が居る」


 言われるがまま、ロイドについて行き喫茶店に入る。するとそこには昔鑑定した子が居た。


(どう言うことだ?)


 確かクリットと契約をしていたはずだが......。

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▼煙雨の新作です!!!▼

Sランクパーティに外れスキル魔法無効化【キャンセリング】はいらないと追放されたので、幼馴染パーティで世界最強を目指す。今更戻って来いと言われてももう遅い

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