7話 会議
みなさんがブクマや評価を行ってくださるおかげで1日複数話更新ができています!
本日は4.5話更新する予定です(^^)
ブクマ、評価してくださった皆様に感謝しかありません。
ルミナにアメリアさん、シャック、トリックを呼んで会議を始めようとする。
「新人冒険者が20人ほど入って来てくれた。だから今後この人たちをどうするか話し合いを始めたい」
そう言って次の話に進めようとした時、シャックとトリックが言う。
「なんで俺が呼ばれたのですか?」
「それは俺も思いました」
「それはお前たち二人が信用できる人物だと思ったからだ。それに2人とも今後Aランク冒険者やSランク冒険者になる人材だからな」
そう。シャックは現状、剣スキルがBだが、今後Sに、トリックも同様に弓スキルがCからAになるのが鑑定眼でわかっている。
それに今の段階で、会議をするにあたってこの二人以上の冒険者は存在しない。二人のパーティメンバーもいるが、その人たちを会議に加えてしまうと人が多すぎる。まだ【トップ・ワールド】は弱小ギルド。それなのに会議する人数を増やしても意味がないからな。
「「本当ですか! ありがとうございます」」
二人とも喜んでいた。
(それはAランク以上のスキルになるってわかっているからか?)
誰にだってAランクになる素質はある。だけど成長スピードが違うだけだ。それを的確に指示するのが俺の仕事だ。そこでアメリアさんが言う。
「新人冒険者をどうやって育てるかですよね?」
「はい」
大型ギルドはそれなりに指南してくれる人たちがいるが、俺たちにはそんな人材がいない。
「私が育てるんじゃないの?」
「うん。ルミナやシャック、トリックたちには指南役に回ってもらいたい」
「「え? 俺たちもですか?」」
「あぁ。でも普通のギルドの指南役とは違う」
そう言うと、ルミナを含め全員が首を傾げた。
「今回3人にやってもらいたいのは、クエストツアーの指南をしてもらいたい」
簡単に言えば、新人冒険者がクエストを受ける際、3人に同行してもらいたいってことだ。普通はギルドで実力をあげてからクエストに行くのが無難だが、俺たちにそんなことをする余裕がない。
それに実力が一番上がるのは実戦だと思う。生と死が身近に感じられるときが、一番成長できるだろう。だからこそ3人には新人冒険者に実践を積んでもらうサポートに回ってもらおうと思っている。
「それは、俺たちパーティと新人冒険者たちが一緒に行くってことですよね? それだと実践の経験はできますが、それ以前に新人冒険者が勝てるかどうか分かりませんか?」
シャックが言う通り、新人冒険者がすぐモンスターに勝てるとは限らない。だからこそ俺がいるんだ。
「まず新人冒険者に適した職業を指示して、少し練習してもらう。一応は練習場があるからな。その後、実践に行けそうと思ったやつから俺とお前ら3人の誰かを連れて行ってクエストに行こうと思う」
「「「え!? レイさん直々に行くのですか?」」」
「あぁ。その方が手っ取り早いからな」
俺の鑑定眼があれば、どの敵がどれだけ弱っているかわかる。そう言う敵を新人冒険者に倒してもらって自信をつけてもらおうと思う。そこから着実に成長してもらう予定だ。
鑑定眼で唯一見れないのが性格だ。だから受付人を雇う時はみんなに判断してもらったが、それ以降のことは俺が指示できれば着実に成長できると思う。
(でも、まずは冒険者みんなの意見を聞かなくちゃだけどね)
そう。無理やり俺が指定した職業をやらせても意味がない。無理やりやっても成長できないからな。
「じゃあまずは、レイさんが冒険者一人一人の審査をするってことですよね?」
「はい。そこから受付嬢などを配属させるのが第一段階ですね。そして受付嬢の指示で訓練をしてもらってから実践という形をイメージしています」
「訓練はどれぐらいをイメージしていますか?」
「また3人に頼ってしまうけど、3人が手伝ってくれるなら1週間程で良いと思ってる」
教わる人が居ないなら、2週間程訓練してもらいたいが、3人が手伝ってくれるなら1週間もあれば十分だろう。
「私は良いですよ!」
「俺も」
「俺もです」
「ありがとう」
3人の言葉にホッとした。
(3人にはそれなりの給料を出さなくちゃだな)
「ではまず、午後から冒険者の鑑定をして3人に振り分ける。そこからは3人の指導に任せする。俺はその間に武器屋のギルドマスターと話しをしてくるから」
「「「了解」」」
一旦、1週間ほどの方向を決めたことで会議を終わらせる。
(ギルドマスターとしてきちんとやらなくちゃだよな)
みんなのために、そしてクリットを見返すために全力でやる。
読んでいただきありがとうございます。