5話 受付人の面接
ジャンル別14位ありがとうございます。
今回人材派遣として雇うのは受付の人。まずこのひとたちがいなければギルドとしてやっていけない。冒険者の人は加入してから3日ぐらい経ったら、今日みたいに面接を行って適性を指摘するつもりだ。
するとアメリアさんが疑問そうに質問してきた。
「レイさん。どんな人がほしいのですか?」
(どんな人か)
欲を言えば、冒険者と一緒に成長できる受付人が欲しい。現状俺たちのギルドには高ランクパーティは存在しない。それなのに受付人だけがすごかったら、冒険者も圧倒されてしまう可能性もある。でもいてくれればそれはそれで助かるから何とも言えないけど、優先度は低いな。
この旨をアメリアさんに伝えようとした時、CランクパーティリーダーであるジャックとDランクパーティリーダーのトリックが言う。
「そこらへんはレイさんに任せておけばいいと思いますよ!」
「そうそう」
「なんでですか?」
「だってレイさんは鑑定士ですから。それもギルド公認のSランクです!」
「え?」
あ、そう言えばアメリアさんに俺が鑑定士だってこと伝えるの忘れてた。でもしょうがないじゃないか。ここ最近いろいろとありすぎて、自分の紹介なんてすることがなかったんだもん。
「だったら私たちは必要なんですか?」
「うん。適性などを見ることはできるけど、性格までみることはできない。だから人物的な面を見てほしいと考えてる。なんせ冒険者と受付人は密接な関係じゃなくちゃいけない。それこそ仲が悪かったら今後大変になるのは目に見えてる」
俺がそう言うと、全員が頷いてくれた。
今回一番見たいところは指摘判断能力だ。受付人にとってこれが一番重要だと思ってる。例えばBランクになったばかりなのにBランク上位クエストを許可出してしまう受付人とかを雇いたいと思っていない。もっと深堀すれば、パーティによってクエストの良し悪しがある。それを見極めてもらいたいと考えてる。そう思いつつ部屋へ順番に入ってもらう。
「~~~ギルドで10年働いていました! もしよろしければお願いします」
一人目の女性の適材適所の適性はC→C。もう限界か.......。今回取る人はできる限り全員育ててあげたと考えている。
その後も少し話を進めているが、みんなの反応が徐々に悪くなっていくのが分かった。俺ですらわかる。なんか話し方が、人を小ばかにする感じだから。
この人の面接を終え、次の人に入ってもらう。だけどいい人が見つからない。なんせ全員成長できる限界まで来ているのだから。
そこから10人目になったところで目を見張る。
(!? E→A?)
「初めまして。アーシェと言います。受付嬢になるのは初めてですが、もしよろしければお願いします」
「はい」
その後も会話を進めていくが俺が感じた雰囲気では、特に問題なかった。それはみんなも同じだったようで
「この人はどう?」
「俺もよかったと思います」
「俺も!」
やっぱりそう思っていたよな。人柄もよさそうだ。それに加えて指摘判断能力の成長も見込める。
「そうだな。でも一旦全員の面接を終えてからにしよう」
俺はそう言って面接を再開する。その後20人ほどやったところで、数人いい人が見つかった。現状Bの人が1人と先程の人を含め、成長が見込める人が3人の計4人が良かったと思った。
(今回は良い収穫があったな)
そう思いつつ、ラストの人に入ってもらう。すると最初の一声を上げたのはシャックであった。それに続くようにトリクも驚いた顔をした。
「え?」
俺も面接に来た人を見ると目を見張ってしまった。
(なんでルミナが......)
「レイさん! 私も入れてはもらえませんか?」
そう。なぜか面接に来たのはルミナだった。それも冒険者としてではなく、受付人として。
読んでいただきありがとうございました。