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2話 新たな仲間


 俺とエルフの女性はルミナの行動に驚きを隠せなかった。


「あの......。ルミナ?」


「すみません! でも、レイさんがいけないんですよ? 突然ギルドから消えちゃうから......」


 上目遣いで言ってきた。


「ごめん」


「ではギルドに戻って来てくれますか?」

 

「それはできない」


 追放された俺が戻ることなんてできない。


「なんでですか! レイさんがいないギルドなんて......」


「そう言われてもな......。俺はあのギルドから追放されたからさ」


「え?」


 するとルミナは驚きを隠しきれていなかった。


(俺が追放されたことを聞いていないのか?)


「今日、クリットに追放を言い渡されてさ」


「私が抗議してきます!」


 そう言ってギルドに戻ろうとしたので、引き留める。ルミナがなんて言おうと俺があのギルドに戻ることはできない。それにもう戻るつもりもない。今まで結果を出して来たのに、突然追放されたギルドに戻りたいと思うわけがない。それにもうこの人と一緒にギルドを作るって決めたから。


「それは止めてくれ。ルミナの気持ちはありがたいが、もうあそこに戻るつもりはない」


「だったら私だってあのギルドにいる意味がないので、辞めてきます」


「でも契約したんだろ?」


「それは......」


 クビになった時、ギルドマスターであるクリットが言っていた。Sランク冒険者たちと専属契約したと。それなのに辞めるとなると、莫大な違約金が発生するに決まっている。そんなことをしてほしいと思っていない。


「俺はギルドを作るけど、次はライバルになるってことだからよろしくな」


「待っていてください! 絶対にそっちに行きますから!」


 ルミナはそう言ってこの場を後にした。俺とエルフの女性二人になったところで、話しかけられる。


「あの子とはどういう関係なの?」


「元担当していた冒険者ですよ」


「チャンスだったのにね」


 チャンスだったか......。まあこの人が言う通りチャンスだったと思う。でも俺のために自分の首を絞めてほしくはない。


「しょうがないですよ」


「そう。じゃあ今からギルドの申請に行きましょう」


 そう言って申請所に向かった。道中いろいろ話してこの人のことが少しづつわかってきた。名前はアメリア。この街に来てもう5年程になるらしく、新しいことに挑戦したかったらしい。


☆ 


 申請所について、様々な手続きをした。ギルド設立の申請に伴い、国に了承をもらう書類作成。それとギルドの拠点となる場所の手配。


 国の審査が終わるのは1週間ほどで、ここまでの間に伝手を使ってギルドとしてやっていく最低限度のことをやっておかなくてはいけない。


 まず最初に内装の変更。これに関しては構築魔法を使える人に頼むことにした。およそ1週間ほどでできるため、審査が終わるのと同時に終わるのがよかった。そして人材派遣のため、受付嬢を雇うこと。これに関しては、元ギルドをやめた受付嬢などに話を通して雇うことにした。


 そして一番重要なこと。それはクエスト受注だ。最低限度国がクエストをまわしてくれるが、上位クエストになるにつれて上位ギルドに回ってしまうため、設立したばかりのギルドに回ってくることはめったにない。


(どうするか......)


 そう思っていた時、アメリアさんが話しかけてきた。


「一応はAランククエストとBランククエストを複数受注できるようにしといたわ」


「え? まだギルドもできていないのに?」


 それだけじゃない。普通AランクやBランクなど上位クエストをポンポンと持ってくることはできない。それなのにアメリアさんはなぜか持ってきてくれた。


(何もんなんだ?)

 

「まあ私も伝手はありますので。後は一番の問題、ギルドに入ってくれる人が居るかですね」


「それはギルド設立してからが勝負ですね」


「はい」


 一応は、福利厚生などをきちんとしておかなくてはいけない。そうしておかなくては、入ってもすぐにやめてしまう可能性が高いからだ。


(知り合いの武器屋に話だけでもしてみるか......)


 そう思い、アメリアと一旦分かれて武器屋に向かおうとした時、なぜか担当していたCランクパーティやDランクパーティが俺のもとに来て


「レイさん! 俺たちもギルドをやめてきました! だからレイさんが作るギルドに入れてもらえませんか? あんなギルドもう無理です」

読んでいただきありがとうございました。


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▼煙雨の新作です!!!▼

Sランクパーティに外れスキル魔法無効化【キャンセリング】はいらないと追放されたので、幼馴染パーティで世界最強を目指す。今更戻って来いと言われてももう遅い

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