1話 ギルドマスター(クリット)視点
2章開始です!
レイを追放した日、あいつが担当していたCランクパーティとDランクパーティが抜けていった。
(あいつら何様なんだよ!)
お前たちがCランクやDランクになれたのは誰のおかげだと思ってるんだ! 俺のギルドがあったからだろ? それなのにレイが抜けたから俺たちも抜けますだと? 恩知らずにもほどがあるだろ。
(まあいいさ)
少し頭に血が上ったが、今考えればCランクやDランク冒険者が抜けたところで痛手にならない。俺が必要としているのは上位冒険者だ。こんな中堅パーティなんて必要としていないんだよ。
でもそこからまた数日が経った日。最悪な事態が起きた。Sランク冒険者のルミナが抜けたいといってきた。
(は? お前、この前契約したばかりだろ!)
もしかしてレイをクビにしたからか? だとしたらどこまであいつは俺のクビを絞めればいいんだよ。クビにしてホッとしたのもつかの間じゃねーか。どこまで俺の邪魔をすればいいんだ。CランクやDランクごときならいいが、Sランク冒険者までも抜けさせるなんてあいつの仕業に決まっている。
(本当にうぜーな)
一応、違約金などの説明をして引き留めたがそれでも抜けたいと申し出てきたので、もう無理だと思い辞めてもらった。
(あいつ、絶対に許さないからな)
俺の信頼度まで泥を塗りかけていたのすら許せないこと。それに加えて有望な冒険者まで抜けさせるなんて......。
(クソがよ)
俺にどこまで仕事をさせれば気が済むんだ。お前のせいで仕事は増えたし、ギルドの雰囲気も悪くなった。
次の日、ギルドに所属している冒険者たちが騒ぎ始めてきた。
(何なんだ? またレイ絡みか?)
俺が聞き耳を立てて聞いていると、レイが新しくギルドを作ったらしい。
(またあいつかよ。ギルドを作るとか俺に嫌がらせでもしたいのか?)
まあまだ設立したばかりの弱小ギルドだ。だったらやりようはある。 でもレイがギルドを設立したからルミナやCランクやDランク冒険者たちがことごとく抜けていったのか? だったら俺も、それ相応の対応させてもらうからな。
だがまだ災難は続いた。つい最近まで契約していた武器屋とも契約更新をしないで終わってしまった。それに加えて、資源を提供してくれるギルドは違約金を払ってでも契約を破棄しやがった。
(またあいつ絡みでギルドが悪い方向に進んでいる。どこまで俺に恥をかかせればいいんだよ)
もう決めた。今日から本格的にレイのギルドを潰す。まず部下に情報を掴ませに入る。少し時間はかかったが、壊滅させるには良い情報を得られた。来週、新人冒険者と一緒にクエストに行くらしい。
(これでクエストを失敗させればあいつは恥をかくだろう)
それに新人冒険者が受けるのは低級モンスターの討伐だろう。だったら低級モンスターのクエストすらクリアできないギルドをどこが信用する? 信用しないだろう。
だからまず俺の命令を聞く部下に、クエストに行く日襲撃するように仕向けるように合図をした。まあ俺たちの痕跡が残ってはいけない。そうなったら俺たちのギルドにも汚名がついてしまう。
(あんな奴のせいで汚名が付くのなんて御免だ)
少し考えると一つアイディアが思い浮かんだ。
(これならいける)
そう思ったらにやけが止まらなかった。来週にはあいつがどんな顔をしているか気になるな。絶望している顔が見たいからあいつのギルドに顔だけでも出して行こう。
(あ~。楽しみだ)
あの雑魚。俺にここまで不利益なことをさせたんだから絶対に許さないから。俺がいなければ何もできない奴なんだから、今回のことで絶望してから没落しておけよ。
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