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10話 新しいパートナー


 お互い向かい合った状況で席に座ると、ロイドが話し始めた。


「まずレイと契約の話をする前にこいつの話を聞いてやってくれ」


 元鑑定したドワーフ、ムキードに挨拶をする。


「あ、うん。久しぶりだな。ムキード」


「はい。お久しぶりです。それで突然で申し訳ないのですが、私と契約をしていただけませんか?」


「え? でもムキードって灰色の翼と契約をしていなかったっけ?」

 

 俺の記憶に残っている限りムキードは鉱山運営の才があり、現在複数所有している。そしてクリットと契約していたはずだった。


「はい。レイさんがおっしゃる通り契約をしていました。ですが私はレイさんのおかげで鉱山運営をできています。それは紛れもない事実。なので違約金を払ってでもレイさんと契約をしたいと思っています」


「ありがたい話だけど、ムキードにメリットはないんじゃないか?」


 今話ているのはギルド間での話。そう考えると、俺が運営しているギルドより灰色の翼と契約していた方がメリットはあると思った。


「わかっています。ですが、根本的な考えの違いです。私はレイさんだから一緒に仕事がしたかったんです。それに今、レイさんは困っていますよね?」


「あぁ」


 現状、契約してくれる話ができているのは目の前にいるロイドぐらいだ。


「では私と契約してレイさんにはメリットしかないと思うのですが......」


「そうだが、本当にいいのか?」


「はい。レイさんが困った時、助けたいと考えていました。それは昔の俺をレイさんが見捨てなかったからそう思ったのです。だからこそ今、その恩を返したい」


 ここにきて、そう思ってくれる人が居たとはな。まあロイドも同じ考えだったと思うけど。本当に周りの人に恵まれてると実感した。


「ありがとう。じゃあ頼もうかな」


「はい。現状鉱山及び木材などを支援できます」


「木材まで!?」


 確かムキードは鉱山運営しかしていなかったはず。そこで木材は入手できるとは思えない。それなのに支援してくれるってことはもしかして......。


「はい。お気づきかもしれませんが、私たちのギルドも鉱山以外にも森林がある土地の権利を所持できるようになりました。なのでそちらも支援できます」


「ありがとう」


「それで、これは仮の話なのですがレイさんのギルドが結果を残し始めたら契約したいといっている知り合いのギルドも少なからずあります。ですのでもしそうなった場合、もう一度お話する機会をいただけませんか?」


 そんなところまでいっているのか。それはありがたい話だ。


「もちろんだ。でも二人には悪いが、灰色の翼みたいな資金援助はできないと思うぞ?」


 現状弱小ギルドのため、資金はそこまで無い。


「そんなのいいよ」


「そうですよ」


「え?」


 二人の言葉に驚いた。なんせ今の発言は金が少なくてもいいって言っているようなもんだから。


「俺たちはレイだから一緒に組みたいと思っているんだ。金の問題じゃない。それにレイのギルド---トップ・ワールドが大きくなったらちゃんと今までのつけも払ってくれるんだろ? だったら最初ぐらい良いさ」


「はい!」


(二人ともどこまでお人よしなんだよ)


 それはルミナたちも同様だ。何もない俺についてきてくれたみんなには感謝しかできない。


「じゃあ今から契約書を書きましょうか」


 ムキードがそう言うのと同時に俺たちは契約を結んだ。


「じゃあレイが俺に依頼をしてきたら、ムキードは俺に資材を渡してくれ。そしたら俺たちのギルドが武器や防具を作るから」


「了解しました」


「ありがとう。じゃあ早速だが、1週間以内に剣と弓などの軽装備を20個ほど作ってほしいんだがいいか?」


 今の新人冒険者たちは金がない。だったらギルドから最初ぐらいは支援をしてやりたい。それ以降もできる限り安く提供できるようにしていきたい。


「そんな少なくていいのか? 別に遠慮することは無いんだぞ? 100個ぐらい頼んでもらっても」


「そうですよ。灰色の翼に比べたらもっと頼んでもらっても」


「そう言ってもらえるのはありがたいが、そうはいかないよ。こっちも資金的な問題があるからね。でもそしたら30個ぐらい作ってもらえると助かる」


 その後も軽く商談をして、帰宅した。


 そこから1週間経ち、新人冒険者たちの成長を見るため、鑑定する日になった。

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