温泉回だった
温泉にもサメがいる時代です。
サメというのはできるだけ理不尽で意味不明で現代アートみたいな作品であればあるほどバカらしくてワケ分からなくて面白いと相場が決まっているのです。くだらなければくだらないほどいいのです。
展開に困ったら、美少女とサメを転がせば、大抵の人は黙ります。デスゲームなんてサメを放てば解決です。
ということで、入浴お色気シーンなのです。この紋所が目に入らぬか。にぱー。
ーーという前回でした。
問題は、無限の時が鼓動を止め、サメが音もなく炎上することでした。茹で上がりました。タコのように。
シェーラちゃんに、看病された後、復活のサーシャは、進路をとにかく東へ。東のジパングへ。東のエデンへ。こういうとき、だいたい東に行くと最近の相場だから。西は西遊記で終わりました。
「お姉ちゃん、船じゃないんだから。指さしても進まないよ。それから月は東に日は西にあるから、方角が違うよ」
どうもわたしは西日を指していたようです。わざとだよ。あの夕日に向かって走れ、みたいなノリで。これの元ネタって、もう遺跡・化石だよね。
「リナックス山脈を越えないとね。雪山だよ」
はいはい、ペンギンのように登ってあげようじゃないか。どうせ海に行くには、氷を超えるしかないと思っていました。
「あ、でも飛んでいけばーー」
シェーラちゃんの口を押さえる。シェールガスの無駄遣いダメ。メカシャークは燃料があまりにも過剰なので、地球環境を考えて使いません。
山は登るものだよ。そこに山があるから。あ、火山だわ、目の前は。
「シェーラちゃん、自分の足で歩くことで、本当の旅の風情というものが分かるのだよ。奥の細道さんもそう言ってる。行き交う雪と戯れるんだよ」
「お姉ちゃん、雪山を舐めていると死ぬよ」
た、たしかに。
サメ、山で凍死。そして、温暖化した世界で、山の中の化石として発見。科学者たちが喧々諤々の学説の雪合戦。
いや、でも飛ぶのか。飛ぶのか、わたし。
『雪原水泳』
あ、説明いりません。死にます。1時間雪は無理でしょ。かまくらは雪の中に入りますか。
砂と違って、雪布団はダメ。
というか早いよ、サメさん。まだ、ぐつぐつと燃えたぎる世界にいるんだから。凍てつく世界の終末ガールのバックパッカーは早いよ。
「そもさん」
「せっぱ」
「ルビーアイは、いづこ。資金がない」
「ルビーアイは、夜の洞窟に出ますよ」
敗北を悟った。ごめんなさい、夜行性じゃなくて。
昼に出ないものを昼に探していた。どうして先に教えてーー、え、聞かれなかったから?
そうですか、そうですか。
火山洞窟にて。
大漁のルビーを手に入れました。寮生活はいいなぁ。量が多いから。
そして売却。
お金はシェーラちゃんに任せます。
え、店舗?スローライフ?
時間と共に目的は変わります。わたしは海に向かいます。定住生活なんて、愚の骨頂です。さぁ、時はまさに大サメ時代。
探せ、この世の全てを底に置いてきた。海に潜るしかないのです。




