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このゲームの片隅で、サメやってます

 装備【メガロドン】 レベル37

 オリジナル装備。サメの形をかたどった着ぐるみの一式装備。可愛い、凶悪に可愛い。つぶらな瞳がチャームポイント。


 スキル

 【サメハダ】【破砕の牙】【威圧】【スイマー】【飢え】【嗅覚鋭敏】【血の忘我】【鈍足】【加速(水中)】【ブレーキ不可(水中)】【夜目】【電流感知】【快眠】【ハンドパペット・シャーク君(両手)】【サメさんポーチ】【メガロドン(水中)】【潜水】【空中水泳】


 アクセサリー スロット ゼロ。


 称号 《サメを愛する者》《少女の味方》《狼を従えし者》《巨亀を倒した者》




 アーマー暮らしも悪くない。

 アーマーのまま埋葬してもらってもいいと思えるぐらいに・・・・・・、嘘だけど。


 はーい、サメでーす。まだ、この世界の片隅で地獄やってまーす。地獄耐久企画でーす。

 ところで、サメザメと泣きながら、憂いを帯びたヒレという罪禍を背中に背負ったボーイッシュという言葉で誤魔化して、とりあえず美少女に違いない女の子は、誰でしょう。

 そう、空中水泳しているバカなサメです。

 


 うーん、高さが足りない。

 空中水泳、地面からちょっと浮かんで、どんぶらこ。まぁ、鈍足よりかは早いのですが、見つかったら、事案です。空を飛ぶサメ、一発アウトです。


 今は、私は、都市を離れて、別の都市へと向かっています。ひとまず、ほどんどのウルフたちは、シェーラちゃんのお姉さんに預けてしまった。大丈夫。犬は忠犬、狼もまた然り。白い牙を抜いておけば、問題なし。


 シェーラちゃんを先頭に、別の都市へと向かうのです。サメは後ろについていきます。お姉様、シェーラちゃんは、ちゃんとお返しますので、ご安心ください。


「お姉ちゃんは、わたしがいないと何するか分からないし、服も食べちゃうし、道具も出せないし」


 食べてないよ。

 ホントだよ。ちょっとカメを悪食しちゃったけどね。

 ああ、NPCに飼われるサメです。でも、シェーラちゃんがいないと、サメさんポーチから何も取り出せない哀れな収納魔法師になってしまうんです。


 テクテクと、いやプカプカと別の都市へ。


「で、何をしに行くの」

「考えてない」

「えっ」

「え?」


 いやぁ、ゲーマーは、なんとなく行ける場所があるなら行くものですよ。実際、ログアウトできる可能性がある大きな都市を目指します。

 大きな都市なら、都会なら、なんだって揃う!!

 田舎もののサメも都会に行けば、そうーー、脱げるでしょ。サメイメージのない一般人に溶け込むのです。

 それから、別のアーマー求む。

 うん、やりたいことはいっぱいだ。まだゲームは始まったばかりだよ。耐久配信と思えば、なんとかーー。白い目。




 おや、道の先で、馬車が止まってるぞ。なんだろう。

 とりあえず、地に足をつける。

 荷台があるし、荷物を運搬しているんだろうけど。


「なんだろうね」

「さぁ。車輪がはまったとか」


 イベントフラグじゃありませんように。もう、そろそろ休憩でいいでしょ。あのですね、小説とか物語には、障害が次々発生して、息も吐かせぬ展開で一気読みが正しいとしてもですよ、VRゲームでは、ゆっくりとプレイヤーの個人のペースで進められることが重要だと思いませんか。

 そう何度も何度もトラブルが起こっていると、ゆっくりできないよぉ。


「ということで、無視しーー」


 わたしは、横にいるシェーラちゃんの瞳を見て、言葉を止めた。

 ・・・・・・・・・・・・情操教育に良くない。

 そう困っているかもしれない人を助けないという選択をしたらーー。

 

「よーし、話しかけましょう」

「うん」


 これは、別に、無視して通り過ぎたら、困っているわたしを助けてくれるNPCが去って行くかもしれない可能性を考えた保身的な思惑から起こした行動ではないからね。いやぁ、困っている人がいたら助ける。サメの常識ですね。

 海に溺れてみてくださいよ。たくさんのサメがあなたを助けに群がりますよ。まぁ、勢い余って、陸じゃなくて、海に帰してしまうかもだけど。



「どうしましたか」


 わたしは、馬車の馭者ぎょしゃに話しかける。

 

「ん、ただの馬の休憩だが」


 ・・・・・・あの~、お約束が、どこかに言ってますよ。

 わたしがぐったりとしていると、よこから私のお腹が触られる。


「おかしいよ」


 シェーラちゃんが小声で、わたしに言う。


「サメのお姉ちゃんを見ても、平然としている」


 お姉ちゃん、悲しいんだけど。

 たしかにね、この凶悪に可愛いサメ装備に無反応なのは、おかしいかもしれないけど、亀の甲より年の功と言って、人は年齢を重ねると、耐性がつくものですよ。サメの着ぐるみを着た少女が歩いていも、大人になれば、文化的な違いと見て見ぬふりをですね、して欲しいです。

 と、わたしが考えていると、わたしの背中に何かが当たった。

 バキッ。


 ほえ。

 後ろを振り返ると、ええ、悪そうな大人ですね。

 あ、棒のようなものが真っ二つになってる。

 

「お姉ちゃんっ」


 ええ。安易に知らない人に声をかけるべきではないですね。社会の常識です。

 男が三人。容姿は、モブ。てか興味ない。まぁ、もしイケメンでも少女に手を出したら、死刑です。

 え、人を殺したらダメって。

 やだなぁ、ゲームの中ですよ。

 いいですか、ゲーム内でできることは、全て合法なんですよ。


「ぎゃぁあああああああ」


 あれ、手を出す前に、後ろに付いてきていた二匹のウルフに、噛まれてる。

 ちょっとっ!それは、わたしが噛もうと思ってたのに、餌がーー。まぁ、実際は、血で暴走するからダメなんだけど。それに、本音の本音は、噛みたくもなかったです。飢餓のせいですね。

 それにしても、こんな凄惨な野生の世界を少女に見せるのは、情操教育によくないなぁ。でも情操ってなんだろう。まぁ、情に棹さすのは良くないし。人を襲う方が悪いよね、ほら、おっかさんも草枕の影で泣いてるよ。



 よーし、問題は解決した。

 いやぁ、いいイベントだった。

 盗賊か何かよく分からないけど、死人に口なしです。

 ええ、進展しない物語。いいですね。わたしは、荷物の中身なんて見ないよ。


「シェーラちゃん、何やってるの」

「え、野盗だったらギルドから報酬がもらえるから」


 あら、やだ、たくましい。知ってたけど。

 そのウルフに首元をがぶりとやられた死体をまさぐれる精神に感服です。

 仕方ない。わたしが荷台を見てきますね。別に、血に酔いそうで、逃げてるわけじゃないんだからね。ツンデレヒロインになれそう。素直になれないお年頃。

 まぁ私は出れないツンデレですけど、二重の意味で。ゲーム世界の住民。


「何がでるかなぁ」


 ガバッと人想いにやっちゃいました。勢いよく、荷台を開け放ち、飛び乗った。

 檻みたいなのが一つ。中にはーー。


「小さなドラゴンか」


 なぁんだ、さて、帰るか。

 なーんにも見てないよ。

 殻があって、生まれたばかりかな。

 いやいや、もういいでしょ、もう大怪獣バトルは終わったの。後始末も終わったの。もうそんな頂上決戦は必要ないので。


「お姉ちゃん、何か見つけた?」

「ううん。カラみたい」


 君子危うきに近寄らず。

 見なかったことにするスキルが、大事なんだよ。

 「見た」と訊かれたら、「見てない」と答えればいいんだよ。

 親のドラゴンとかが来る前に、逃げよう。


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