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ギルドに現れるサメの化身


 あー、どもども、サメのリポーターのサーシャです。

 本日はお日柄も良く、いい海水浴日和ですね。たまには、サメにあって見るのもいいでしょう。

 サメはたまに出会うからいいのです。毎日会っていたら、飽きる前に、食べられちゃいますよ。

 


 

 わたしは、ギルドという怪しげな組織の建物の前に来ています。アーマーを脱ぐためです。都市内で脱がせないシステムをかいくぐるためです。なんで、ギルド登録すれば脱いでいいのか、分かりません。そもそも、どうして脱いだらいけないのか、分かりません。あの門番めっ。いや、ゲームクリエイターめっ。


 

「シェーラちゃん、いま、わたしは、どこに連れて行かれているの」


「え、ギルドだけど」


 なんか、想像と違う。もっと荒くれ者とかが、昼間からビールを飲んでいるような場所を想定していたのに、来たのは、まるで現実世界の市役所や県庁のような建物。要するに、フォーマルすぎるんですが。わたしの服装は、レギュレーションに違反してませんか。フォーマルドレスの場所に、着ぐるみで入る。


「大丈夫だよ、たぶん・・・・・・」


「そうだよね。だって、これは、アーマー。装備なわけだから」


 ガシッーー。


《ギルド内は、非武装です。装備を脱いでください》


 なるほど、建物前の衛兵にがっしりとつかまれました。というか、わたしに触れて痺れないとはーー、不死身キャラ的な扱いですか。壊れないオブジェですね。

 しかし、進退窮まりました。こちらではな脱げず、あちらでは脱げとーーいったい、わたしにどうしろっと。


「まあ、いいや。シェーラちゃん、代わりに登録してきてーー」


「はい」


 少女は、自由にかけていく。

 ああ、うらやましい。

 わたしも村娘設定で、この世界に舞い降りたかった。






 ということで、登録できました。おかげで、アーマーを脱ぐことができました。やったね。

 今は、テントに戻ってます。着替えシーンはありません。


「Fランクのギルドの冒険者に登録しました」


「シェーラちゃん、冒険者?」


「え、サメのお姉ちゃんがーー、あ、傭兵ギルドの方でした。ごめんなさい」


 あれ、こんなほっそりとした腕をしているのに、そんな戦闘民族なギルドに入るとでも。わたしは、テント設営ギルドや炊き出しギルドのようなまったりとしたものをーー。もっと大学生のくだらないサークルのようなものを。


「ギルドは、基本的に、戦闘職ですけど」


「えーーっ」


「え」


「お魚ギルドとかないの」


「どんなギルドですか」


 どうやら、この世界ーー。戦うことがメインのようです。

 はい。ゲームのタイトルからも分かっていますよ。まあ、いいけどね。


「あ、お姉ちゃん、ギルド登録したから、有事の時は、戦闘に参加しないとーー」


 なるほど。シェーラちゃん、わたしに亀と戦えと。

 これが、巻き込まれ型の主人公ですか。

 

「それってーー」


「大丈夫です。わたしも一緒だから」


 うん、何も大丈夫ではないんだよなぁ。

 まあ、きっとベヒモスは、はじめの大ボスのチラ見せで、過ぎてくれるんだろうけど。わたしは、そう信じている。

 まあ、サメがカメに負けるなんてありえないんだけどね。でも、向こうが、通り過ぎていく分には仕方ないというか。サメは去る者追わずですから。


「って、シェーラちゃん、その紙は何かな?」


「依頼だよ。だって、ウルフのご飯代を稼がないと」


 あー、そうでした。そうでした。大量のウルフをノリで使役しましたね。村の皆さんに、1匹ずつあげませんか。お裾分けです。ほら、赤信号、みんなで壊せば、怖くないです。ウルフは重宝しますよ。とうか、余った干し肉で数日は持ちませんか。え、場所代?ああ、はいはい。ゲーム世界で地代を取られる。


「それで依頼は?」


「ベヒモスに追われて来た魔物の討伐だよ。お姉ちゃんも戦っていたでしょ」


 わーい、逆戻りだ。

 でも、まあ、相手しますよ。

 速くレベルアップしないと、ベヒモスに潰されそうだし。きっとレベルアップすれば、何か解決策が見えてくるでしょう。ゲームとはそういうものです。ゲーム脳でGO。



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