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黒の忌み子が刀抜く。  作者: 白達磨
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執事現る

 三十年程前、それはまだ王国に革命が起こったばかりの頃、突如として現れた魔王が率いる魔国の軍勢が王国含め周辺諸国を侵攻した。


 その時は、三人の勇敢な平民によって王国の平穏は取り戻された。


 高範囲で正確に高威力の氷魔術を繰り出す《氷原の鬼》スティーリア・グラキエース


 二振りの剣を使い雷の如き速さで敵の首を跳ねる《隻眼の雷獣》ブレード・オスカー


 空間魔術で味方を支援し国への攻撃を一切通さなかった《未来見透す指揮官》ラオム・ディメンション


 その三人は三大貴族と呼ばれる程の高位を与えられた。


 しかし、いくら平穏を取り戻したとしても人々の魔王に対する恐怖を取り去る事は出来なかった。


 そして、フリーダン王国の人々は魔王と同じ黒髪と虹彩異色症(オッドアイ)を持って生まれた者を次世代の魔王と恐れ迫害するようになったのだ。



  ***


 スティーリアの提案をショウタロウが受けたとほぼ同時に扉が勢い良く開いた。


「父上!!私はその者が側近になるなど反対です!」


 そう叫んだのはリョートだった。


 余程反対なのか父、スティーリアと同じ雪のように美しい白髪を逆立てながらつかつかと彼に歩み寄って行く。


「リョートよ魔素が噴き出しているぞ?」


 リョートは指摘され直ぐに魔素を抑えるとバンと机を叩く。


「父上!何故そんな魔力を持っていない者を側近とするのです?!」


 リョートは先程のスティーリアの指摘が気に食わなかったのか声を荒らげた。


「しかし、彼は強い。それ以外に理由はいるかね?」


 スティーリアに即答されリョートは一瞬顔を歪める。


「だが、強いと言っても魔術を使えない者などその程度です。それに……奴は忌み子だ」


 スティーリアのように経験を積み重ねていない者には、ショウタロウの奥底に眠るものなど感じ取れない。


 ショウタロウは弱いと言われたよりもリョートが言いづらそうに言った''忌み子''という単語にとても興味を示した。


「忌み子ですか?」


「ん?ああ……私がまだ戦場に居た時に色々あってな」


 リョートの発言でスティーリアは少し気まずそうな表情をする。


 スティーリアの表情からこれ以上やめておこうとショウタロウは思う。


 そして、話を逸らそうと刀を持って立ち上がりリョートへと近づく。


「リョート様でよろしいですね。どうすれば私はあなたに認めて頂けるのです?」


「そうだな……」


 自分で認めないと言っておきながらその条件を決めいなかったらしく、リョートに少しの焦りが見える。


「ならば、あいつと戦ってもらおうか?そろそろ錆を落としたいと言っていたしな」


「なるほど、流石父上。直ぐに呼びます」


 スティーリアがリョートに助け舟を出すとニヤリと笑い直ぐにそれに了承する。


「その必要はありません坊っちゃま」


 そう告げたであろう執事服に身を包む六十路程の男性は扉の前に立ち深々と洗練された動きで頭を下げる。


(気づかなかった!?)


 気を読めるショウタロウでさえも声をかけられるまで気づかなかった。


「おお、流石だな、フォルよ。この忌み子に現実というものを見せてやって欲しいのだ」


 フォルの登場に驚愕しているショウタロウが余程愉快だったのかリョートは機嫌よく彼に要件を告げる。


「かしこまりました……なるほど、これはなかなか」


 フォルは軽く顎を引きショウタロウを見つめる。


 ショウタロウも丁度彼を見ていたため二人の目が合う。


(この少年……強いな)


(この方、この屋敷でスティーリア様に次ぐ強さだな)


 強者特有の相手との探り合いが二人の間にも行われていた。


「場所を移そうか」



 ***


 スティーリアの支持により四人は屋敷の訓練場へと移動した。


 かなり広い敷地を頑丈そうな高い壁が囲む。その壁に更に高度な結界魔術がかけられているが所々に傷が見える。


 普段から余程の鍛錬が積まれていることがみてとれる。


「準備は良いな?」


 スティーリアの声を聞き二人が各々構える。


 フォルはレイピアの剣先をショウタロウに向け、ショウタロウは拾った棒を帯に差し手を掛けた。


「抜かなくて良いのですか?」


「ご心配なく」


 フォルの言葉にショウタロウは素っ気なく答えると足を肩幅に開く。


「リョートよ、よく見ておけよ。こんな使い手の戦いは滅多にないぞ」


 魔王軍を殲滅した父がそこまで言わせるのかと驚きと緊張からリョートはごくりと唾を飲む。



「あなたの強さを見込んでこのフォル」


「では……始め!!」


 スティーリアの合図が聞こえた瞬間、ショウタロウの目の前に既に腰を捻りためを作ったフォルが現れた。


 強者同士の戦いは絶対と言っていいほど互いに目を離さない。彼らの目が合った時、


「全力でいかせてもらいます!」


 今までの瀟洒な執事の雰囲気はどこかへ消えそこには獰猛な戦士が居た。


 フォルのレイピアがショウタロウの急所へと真っ直ぐと飛んでくる。


 これを彼は紙一重の無駄のない動きで避ける。だが、


「《力魔術 騎士の追撃》」


 フォルそう呟くと同時にショウタロウが今まで立っていた場所の空中に白い魔術陣が浮かび上がり彼の剣先がそれに触れた瞬間に高威力の衝撃波がショウタロウを追撃する。

全く伸びなくて悲しみを覚えています。もう一作の方みたいにはいきませんね。


面白いと思って頂ければ幸いです。

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