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黒の忌み子が刀抜く。  作者: 白達磨
16/23

ジーヴル来訪の理由

 ジーヴルとシオンは客間に通され、スティーリアとリョートの対面の机の席に着いた。


 ショウタロウはリョートの後ろに立っている。


「先生も座ったら良いじゃないですか?」


 リョートが彼の隣の椅子を指してショウタロウに言う。しかし、彼は首を軽く横に振った。


「いえ、従者の身なので。お気になさらずお話をどうぞ」


「その前に……ショウタロウ、何があった?」


 ショウタロウが席を外していた事にスティーリアは気付いていたらしく話せと彼に視線を向ける。


「怪しい男二人が屋敷を見張っていたので話を聞こうとしましたが、逃がしてしまいました。そして、その男達なのですが、一ヶ月前に討伐したオーガベアの腹にあった印と同じ物を刺繍したローブを纏っていました」


 スティーリアとリョートはショウタロウが逃亡を許した事が信じられないのか目を見開いた。その反対ではシオンの顔が青ざめた。


 ジーヴルが出された紅茶を一口飲み口内を湿らせる。


「ショウタロウ、その印は鍵に蛇が巻き付いた物かね?」


 ショウタロウの見間違いであって欲しい。彼はジーヴルの口調からそんな感情が含まれている気がした。しかし、見間違える筈が無い。


「はい、間違いありません。僕が追っている組織と同じ物です」


 ショウタロウはこの時初めて組織の情報をスティーリア達に話した。彼の言葉にリョートはオーガベアを討伐した際の彼の感情の変化と狂気的な笑みに理由は分からずとも少しだけ合点がいった。それと同時に、彼の事をほとんど知らないのだと自覚した。


「で、兄上。その組織がどうしたんだ?」


 ショウタロウの確信の篭った言葉を聞き、ジーヴルは明らかに取り乱している。スティーリアはそれが異常だと感じ、理由を話すように促した。


「ああ、話すがその前に……シオン、私は今日から君をこの屋敷に預けるつもりだ」


「え!?」


 突然のジーヴルの告白にシオンは部屋に響く程の声を上げた。そして、それに気付き体を小さく縮めた。


「スティー、手紙に書いた通り数年前からその組織に私達は追われ襲撃されているんだ。彼らの力は強すぎて私では怯んだ隙に逃げる事しか出来ない」


 ジーヴルは合わせる顔が無いと俯いた。


「奴らの狙いはシオンだ。これから先私はこの子を守れる自信が無い。だから-」


「私やショウタロウに保護して欲しいと?それは構わないが、リョートとシオンは数ヶ月後にブレードの学校に入れる予定だろう?あそこは寮制だ。その数ヶ月も待てないのか?」


 初耳だと言わんばかりにリョートとシオンは一斉にスティーリアを見る。その視線が居心地悪いらしく、彼はオホンとわざとらしく大きい咳払いをした。


「いや、ギルドの依頼でこれから向かうダンジョンにショウタロウを同行させたい。彼が居ればシオンも安全だ」


 ジーヴルがそう言いながらショウタロウへ視線を送ると彼は構わないと頷いた。しかし、スティーリアとリョートには一つ気になる点があった。


「シオンを置いていけばいいだろ?」


「はい、そうすれば先生を連れて行かなくていいし、その方がシオンも安全ですよ」


 話の主題であるシオンもコクコクと頷く。


 それに対してのジーヴルの回答はと言うと、


「嫌だー!!シオンと少しでも一緒に居たい!!」


 と駄々っ子の様な叫びだった。


((この親バカは……))


 スティーリアとリョートはそのジーヴルの姿に呆れ果てたのだった。

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