表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

「方舟去りしのち」

作者:

「方舟去りしのち」


命の行方を、決めるのは誰?

いにしえに生者と、死者を分けた方舟は、いまも空に、浮かんでいる。

間抜けにも僕は、それに乗り遅れた。

せっかく乗れた方舟から、飛び降りる君。

荒野に2人残されて、ここからが本当の、創世記の始まりだと、笑う君。


命の行方を、決めるのは誰?

たとえ神に、見放されたのだとしても、遠ざかる方舟を、見送ったそののちの、物語を紡ぐ、権利が僕らにはある。

神話から離れて、もう奇跡は願えない。

けれど人が生きるとは、野に咲く小さな花のような、希望を紡いでいくことだったはず。


命の行方を、決めるのは誰?

見えないその行方を、案じることはない。

何故なら僕らは、方舟ではなく、何もない荒野を、歩くと決めたから。

もしどこかで倒れても、振り返ればそこまでの、重なる2つの足跡が、きっと見えるでしょう。


命の行方を、決めるのは誰?

もしもあの時、方舟に乗れていれば。

もしもあの時、方舟から飛び降りなければ。

僕らはもっと、遠くまで願ったところまで、行けたかも知れない。

けれど命の行方を、決めるのは僕。

けれど命の行方を、決めるのは君。


さっきまで笑ってた、君が泣きそうな顔で見るから、僕は真似して言ってみる。

ここから先は、神話ではない。

たとえ世界の形は作れずとも、命の軌跡を決める旅の始まりだと。

最近、大きな病を得て、生きること、死ぬことを、シビアに考えるようになった。

その中から、言葉が生まれ、この作品となった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ