第七話 ギルドは意識改革が成功していたのでした
さすがにローラースケートは履いてないです
臨海都市ストレーナ冒険者ギルド兼レストラン【千尋の谷】
これはやはり扉を開けた瞬間に厳つい冒険者達がメンチ切ってきたり、強面共を尻に敷く恐ろしげな受付嬢がいたり、ステータスを測る水晶玉的なものに手を置いたら『なっ、こんなの見たことありません!ギルド長!!』とかのイベントが発生してしまうアレなのではなかろうか。
⋯でも俺のチートはわかりきってるからなぁ⋯。
「さ、旦那さま!ここが冒険者ギルドですわ!」
ギイイッ
いかにもな音を立てて開かれる重苦しいドア、そこには予想通りの⋯!
「「いらっしゃいませー!ギルド&レストラン【千尋の谷】へようこそ!!」」
キラキラ輝く笑顔を浮かべたウェイトレスさんたちが満面の笑顔を配りながら接客の手を止め俺たちに統率されたお出迎えの言葉と笑顔を振りまいた。
なんだこれ⋯なんかこういう雰囲気のレストランアキバにあったぞ?
「お食事ですかー?それともギルドに御用でしょうかー?」
「あ、えーと冒険者の登録を⋯。」
「それではこちらのカウンターにおねがいしますー!ご登録はお一人でよろしいですかー?」
「あ、はい。」
案内された窓口に行くとウェイトレスさんの一人が液晶タブレットのようなものを出して手を乗せるよう促してくる。
「⋯ここ、、、冒険者ギルドですよね?強面の輩とかいないんですか?」
「そういうお客様もいらっしゃいますよー?ほらあのあたり。」
指さされた一角に目をやると⋯確かにいかつい面々はいた。
⋯兎の亜人のウェイトレスにぞっこんな様でとても楽しそうだ。
「とってもいい雰囲気ですね⋯」
「そうでしょうとも!たしかに昔の冒険者ギルドは暗い・汚そう・怖いの3Kでした!そんなところに依頼を持ち込む一般人は来たがりませんよね?それならばと我々はがんばって今までのイメージから今の明るくて食事も楽しめるキレイなギルドを目指しこの空間が出来上がったわけです。申し遅れました、わたくしギルド長兼ウェイトレス長のミランダと申しますー。」
まくし立てられるように一気に話されて面食らってしまった⋯
「あ、お待たせしました。こちらがあなたの魔力を読み取って作成したギルドカードです!えーとダイモン・ケースケさん、クラスは⋯ヒモ?見たことありませんねコレ。」
「変えられないんですか(迫真)」
「それは今後の働き次第ですねぇ。クラスチェンジはギルド貢献度の上昇に左右されたりステータスの向上でも変化します。ギルド証を持っていることでステータスをチェックする魔法が発動しますので試しにどうぞー、ちなみに他人にも見せたい時以外は項目は人から見えなくなっています。」
どれどれ⋯ステータス。
ダイモン・ケースケ
クラス ヒモ
Lv1
スキル
アイテムストレージ
初級魔法コンプリート
生活魔法コンプリート
インフィニットマナ
多重魔法起動
エクスチェンジ
亜人への愛
不滅の身体
パラメーター的なものはよく分からないが並程度なんだろう⋯なんか引っかかるスキルも多いな⋯。
「ギルド貢献度の上下でギルドカードの色も今のE級からS級まで変わっていきます。もしもギルド証を悪用したりすると刑罰奴隷に落とされてしまうのでお気をつけて。」
「ギルド長の今日のおすすめプレート三つください。」
そして俺たちは疲れたので晩メシを持ち帰り、路地裏に行くふりをして我が家に戻って美味しい食卓を囲んだのであった。なお、ちゃっかりモスタも一緒である。
⋯ちなみにやはりドッカンドアの魔力は俺が渡された一瞬で溜まったが同時にどこでもキーで同じことが出来るようになったのでやっぱり下位互換でしたとさ。
ちなみにアクセのギルド証はCでモスタのはBでした。
アクセ
クラス 箱入り娘
モスタ
クラス 暴走シスター