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第四十八話 大門メイド隊でした 後編

各人の料理が出揃って⋯まあ食えなそうなものは見当たらないから安心⋯か?


「じゃ、アクセのフィッシュ&チップスから⋯おっ、美味いじゃんこれ!」

「だろだろ?」


今回のコンペの簡単なルールとして

①日本から新しく取り寄せたものを使わない(既に家にあったものは良い)

②食べれないものは出さない(俺はあんまり嫌いなものは無いけど)

③材料は各人で集めること

の三つだけ。


この世界で⋯というか元の世界にだって食ったことのないものは多い。こないだテレビでやってたカブト虫の素揚げは流石にドン引きした。


「それにこの付け合せのソースが絶品だよ、サルサソースも絡みが程よいしこっちのタルタルもよく合う⋯。」

『いたみいります。』


なんかテンペストが好んで使ってるそのセリフ、どっかの家政婦もよく言ってたような⋯。


「うまいだろ!これは優勝だな!」

「ん?優勝商品でもあるの?」

「あ。」

「もうアクセったら!優勝した者は内緒であとからだんな様を誘って一日デートする権利と言ったじゃないですか!⋯あ。」

「一応優勝商品にしていいか本人にも聞いとけよ⋯。じゃあ、それプラス俺からなんかプレゼントするよ。」


その瞬間、なにか火をつけてしまったようだ⋯。


「ではだんな様、次は私のシチューを!自信作でございます!!もちろんお代わりもたくさん!」

「まずはみんなのを味見!そんな食えないから!」


モスタのシチューは相変わらず美味しい。どこか懐かしい安心できる味で、一度にたくさんの具材を煮込んだ旨味はたかだか数人前作る日本の家庭スタイルでは真似出来ない味だ。


「今日はコレもいっしょにどうぞ♪、通常の酸味のヨーグルトにラビオリソース(マヨネーズとおろしたニンニクを混ぜたもの)を加えたものです。風味が良くなりますよ。」

「へえ、いただきます。」


シチューにソースをすこし混ぜると途端にそれまでワイルドな印象だったシチューにコクと繊細さが足されて家庭の味からレストランで出されても遜色ない美味しさへ昇華していた。


美味(うま)ッ!?こんな変わるのか、凄いなこれ⋯。」と、さらにソースを加えようとしたらモスタに止められた。


「それは少し加えるから美味しさが引き立つのです、何事も過ぎたるは及ばざるが如し、です。」と、人差し指をそっと唇に添えた。


彼女も勉強してるんだなぁ⋯、さて次はエレンの⋯。


「⋯⋯ご主人様、チーズ固まっちゃいましたにゃ。」


温野菜とベーコンのラクレットチーズがけは見事に固まってしまっていた。せめて一番先に食べてればな⋯。


「これは最下位決定かにゃ、、」

「そうでもないですよ?」

「クラちゃん?」


と、さっさとエレンのサラダを台所に持っていってしまう。


「こうなったらそのまま食べても美味しくないから⋯ドレッシングしなかったのは正解ね。」


と慣れた手つきで野菜ごとチーズをバラして深めの耐熱皿に入れ、牛乳とレトルトのミートソースを混ぜてその上からかけ、パン粉と黒コショウを振ってオーブンへ。

⋯とても手馴れてる⋯これがきちんと人生を終えた経験から来る動きなのか。


「はいどうぞダーリン♡」

「⋯協力作業ってことでどうかにゃ!」


出来上がったグラタン⋯とても美味しかったです。田舎のおばあちゃんの雰囲気もしたのは黙っておこう。


「じゃオレのはデザートみたいなもんだから最後でいいか?」

「じゃあ私のオムレツからね♪」


と、出てきたのは⋯いわゆるキッシュだった。

パイ生地の土台に卵と生クリームで出来た卵液の中に野菜やベーコンを入れて仕上げにチーズを乗せてオーブンで焼き上げる、こちらはフランスの郷土料理だ。

⋯オムレツだったのでは?


「うふふ、ダーリンに出すと思ったらついつい手が込んじゃってね。」


⋯文句無しにうまい⋯!

食レポに語彙力がないのはそれくらい美味しいってことだ⋯これは黙って堪能するものだ。。。


「次はわらわのキュケオーンじゃな。」


⋯本物初めて見た。

なるほど、麦がゆって聞いてたけどほんのり甘いのははちみつかな?チーズの味もするけど⋯具はないのね。

日本人からすると異質な料理なのかなコレ。


「よく作れたなコレ、なかなか美味いよ?」

「じゃろう!ドリアードに作らせたからの!あ。」

「サーモ失格。自分で作れよ⋯。」


「じゃあオレのが最後だな、クレームブリュレだ。もちろん食う直前にカラメル作ってやるよ。」


というと冷蔵庫から可愛い器に入れて持ってくるツバサ。

ささっとグラニュー糖を表面に振って⋯指先からバチバチとごく小さな電撃を出して砂糖を焦がしていく。


「なるほど、ツバサにしかできないやり方だな。」

「わざわざこのためだけにガスバーナー買うのもアホらしいだろ、こっちのが楽だし。」


実は倉庫探せばあるなんて言えないな⋯。


「ほら、完成だ。みんなも食うか?」


と残りの器にも同様に砂糖を振る。

なんだかんだ面倒見よさそうだ。


「プリンに砂糖をかけて焦がしただけでこんなにおいしいとは⋯やるのう。」

「パリパリで美味いぞこれ!もっとくれ。」

「ブリュレも一緒に食べなさいな。ホント美味しい。」

「べ、別に褒めてもなんも出ねーからな!まあ⋯たまになら作ってやるよ。」


さて、優勝は誰の手に⋯。

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