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第四十七話 大門メイド隊でした 前編

珍しく後編もあります。

あれから一週間ほど経ったある日⋯リビングに降りると何故かみんながメイドの格好をしていたのだった。なんで?


『先日マスターが私のメイド姿を長時間に渡り凝視されたことが原因、と推測します。たぶん。』


心当たりはある。エレンが来てすぐの時も見てた気はするがやつと違ってテンペストはお淑やかでまさに古き良きヴィクトリアンメイドを体現しているのだ、この世界にイギリス無いけど。


アクセは⋯何見てそうなった?スクール水着にフリルが縫い付けられ、エプロンを付けた俗に言うスク水エプロンメイド。

「ネットで注文したんだ、可愛くないか?」

エロいです。


モスタは下半身をクモに戻した状態でメイドカフェライクなコスチューム。フサフサの脚を強調した自分の魅力を押し出した感じだ。

「前にプリーストの服から下半身が出ているのがいいとだんな様仰ってたじゃないですか⋯うう、あんまり見ないでください⋯///」

イイね!


エレンは⋯いつも通り。だが、両手足を獣化させて尻尾まで生やしてケモアピールしてるようだ。

「ど、どうかにゃ?ご主人様の好みだよにゃ?」

好き⋯。


クラちゃんとツバサは仲良く同じロングスカートスタイル⋯だが、肩と北半球を露出し艶めかしい雰囲気を醸し出していた。メイド服文化は元来無かったものを魔族の一人にメイド好きのファッションデザイナーがいたらしく、彼がこの世界に広めたものらしい⋯グッジョブ。

「し、しろのォ⋯オレまでこんな服着なくていいだろ??」

「翼ちゃんもダーリンにアピールしないとダメだよ?」

「してどーすんだよ!」


サーモは⋯あれ、いない?


「真打登場じゃ!わがメイド服は魔族直伝じゃからの!」


サーモのメイド服は⋯なんだこれ?おそらく伝統的なエルフの服にフリルマシマシフリルオオメといった装飾過多な感じに仕上がっていた。それならオリジナルのドレスに戻したほうが纏まっていて良さげに見えるけど⋯。


「おお、さすがよく似合いますね!」

「かわいいな!」

「妖精姫に良く似合うにゃー。」

「かわいいかわいい!」抱きしめるモスタ。

「可愛いぞー!」

『お似合いになられています、ティターニア・サーモ。』

と、女性陣受けは大変いい、感性の違いなんだろうか。


「クフフのフ、気分が良いぞ♪ならば誰が一番良いメイドか決めようではないか!一番の粗忽ものは一週間エレンと仕事を代わるのじゃ!」

「「「「おおー!!」」」」


これはなんかひどい目にあうフラグかな?


「どうやって決めんのさ。」

『でしたら皆様で本日の夕食を一品ずつ仕上げるのはいかがでしょうか?不安げな顔をなされたダークエルフ・アクセには私がサポートに入ります。』

「ありがとてんぺ!」

『いたみいります。』


不安の種は取り除かれ、台所は狭いのでリビングも使って各々の料理がスタートした。

なお、ツバサがこっそりデリバリーを使おうとしたので財布を預かり阻止しておいた。お取り寄せは材料のみになります。


俺はというと夕食まで自室でゆったりネットサーフィンすることにした。

⋯最近のな〇う小説はすごいタイトルの作品がランキング上位にいるんだな⋯。


しばらくネット小説を読みふけっているとモスタが呼びに来た。料理中は邪魔になるとのことで足は生足にスリッパのみに変えたようだ、これはこれで。


「だんな様⋯お気に召したのはわかりましたのでまた夜に⋯///」

「え、ああ。せっかくみんなで作ったんだから美味しくいただかないとな。」

「⋯ええ、美味しいものはあとにとっておきましょう?///」

「モスター!!ダイモン寝ちゃってるのかー?」


おっと、スク水が痺れを切らしてるのでさっさと降りよう。

いい匂いがする、みんな何を作ったんだろう⋯⋯。


一皿目、アクセ&テンペスト。

「古くからエルフに伝わる郷土料理だぞ!」


それは、一言でいえばフィッシュ&チップスだった。

なんでイギリス推しなの?


「なんでもエルフが魚を食べ始めた時に生臭さを嫌ったから魔族がフライを教えてくれたらしいぞ!それからは一番美味しく魚を食う料理はこれに限るってなったらしいぞ。」

『私はサルサソースを絡めて頂くのをおすすめします。』


二皿目、モスタ。

「これが一番の得意料理です!」


それは大鍋で煮込んだ牛テールのシチューだった。

モスタが料理を作るとなぜかいつも量が多い。


「私教会で育ったので料理当番は大人数向けが基本だったのです⋯しばらく食べれると思います。」


三皿目、エレン。

「フハハハハ!これぞアチシの独壇場!職業メイドの底力を思い知るがいいにゃ!」


そんなに一週間代わってもらいたいのかエレン⋯。

そんな彼女のメニューはサラダ?


「只のサラダにあらず、にゃ。これには食べる時にこう、とろけたラクレットチーズをトローリと。」


それはホルス舎からのお土産にクラーシタちゃんが運び込んできた本場の樽のようなサイズのチーズの塊だった。それを焼きごてで溶かし、温野菜とベーコンが中心のサラダに回しかけていく。


「ご主人様の世界で今ブームのラクレットチーズのサラダにゃ!これは決まり手じゃないかにゃー?」

「⋯俺のパソコンで勝手にネット見てると思ったら料理のレシピだったのか⋯。」


「美味そう⋯。」

「ほら翼ちゃん、今度は翼ちゃんでしょ?」


四皿目、ツバサ。

「オレのは⋯これだ、ガッカリするなよな?」


そう言って出されたのは⋯プリン?


「クリームブリュレだ。これはオレが一番まともにできる菓子で⋯んだよ、女の子らしいって!ほら仕上げ仕上げ!」


ブリュレの表面にグラニュー糖を振るとそこに指先から軽く雷を出すとみるみる香ばしい匂いと共にカラメル層が出来ていく。


「ほら完成、器熱いから気をつけて食えよな!」


五皿目、クラーシタ。

「チーズはエレンさんに使われてしまったので⋯私はは私のホルス乳で作ったバターでオムレツを作りましたわ♡」

「クラちゃん、だから食べずらいって!」

「あら、立派な食品ですわよ?あのチーズも私が作ったものですし。」

「しろの、ホントに向こうで天珠全うした記憶ある?常識捨ててない?」


六皿目、サーモ。

「さすがこの面子は料理までアグレッシブじゃの⋯。」


サーモのは⋯なにこれ?お粥?


「キュケオーンじゃ。主様の故郷に古くから伝わる伝統料理ではなかったのか?魔族から教わったんじゃぞ、キュケオーンをお食べって。」


魔族にマスターもいたらしいな⋯なんでよりによってそれなのか。


次回に続く。

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