第三十七話 ロボでした、、、
ブレストミサイルは出ません。
サーモの部屋に戻ると⋯
「アッ、サーモ様戻ッテキタ。」
「オカエリナサーイ。」
「ナサーイ。」
これがアルラウネ?確かに見た目もほかの亜人種に比べれば魔物寄りだ。
人間とは白黒逆の目に金髪のポニーテール、薄緑色の肌はほぼ隠すものを身に付けて無い。そして伝承通り大きな美しい花から女性の身体が生えてきており、ふよふよと浮いていた。
確かに美人なんだけど⋯コレジャナイ感が伝わってくるなぁ⋯。
人の心理に【不気味の谷】って概念がある。これはヒトが自分の仲間でないモノを排斥するためにある深層心理からくるものと言われてるが⋯、そもそも現代の地球にはそんな生物や亜種族はいないので主にドールやフィギュア、昨今ではロボットなどの業界で使われる言葉だったりする。もしかしたら人種差別問題もここから来てるのかもしれないが⋯込み入った話はこのお話に似つかわしくないので割愛しよう。
「お主らが冒険者を襲うせいでわらわにまで迷惑かかるじゃろうが!」
「ダッテー。」
「魔力足ラナインデスモン。」
「冒険者ノ魔力オイシイ。」
「え。なくなるの早すぎじゃなかろか??」
「どゆこと?」
「ああ、このアルラウネ共にはわらわが魔力を注ぎ込んでいわゆる【超えーあい】を与えてあるのじゃ。」
「勇者ロボか!⋯なるほど、魔力回路を与えて意思の疎通ができるようになったんだな。」
「飲み込みが早いのう、流石は主様じゃ。で、わらわが100年ほど前に魔力を喰わせたが最後じゃな。⋯そりゃ無くなるわ。」
そして彼女たちに請われ、結局アルラウネ達に俺が魔力を経口摂取で与えたのだった。
すると⋯。
「⋯主様よ、魔力と一緒に何与えたのだ?」
アルラウネABCは俺から魔力を受け取ると緑色だった肌は人のそれと変わらぬ色に、足元の大きな花はヴェールのような生地のドレスに、そして瞳孔も顔もそこらの冒険者より一際美しい女性のそれへ。また背も大きくなり、より蠱惑的なボディへと変貌を遂げたのだった。
「これはアルラウネからドリアードへ上位進化したな。おそらくわらわが受け取った魔力量とほぼ同じくらい魔力を吸ったためじゃろうな⋯それにしてもどーして三匹ともわらわよりスタイルがいいのじゃ!!」
「「「ダイモン様、ありがとうございました!」」」
「おお、これはこれは⋯。ん?連れてかないよ?だから上着の裾引っ張るのやめろ!」
サーモさんは激おこだ!
「あ、そういえばサーモ様。寝てる間に地下を見つけたんですよ!」
「そうだったそうだった、なんか奥に変なのあったんだよねー。」
「一度ダイモン様と共にお目通しを願えますか?進化する前の我々では手に余ると判断し、放置いたしました。」
なんか一人頭も良くなってる⋯。
「地下階じゃと?今までそんなもの見つからなかったろうに。」
「今より数ヶ月前に地震により一階バザーの端で床が崩れ落ちまして。人間達はあまりの高さに探索を断念したようだったので我々三名で見回ったところ一番奥にゴーレムのようなものが安置されている他は何もございませんでした。」
「ゴーレムじゃと?!」
「はい。なので探索後は適当な柱を倒し穴を塞ぎました。もし向かわれる場合はフェアリーサークルをご使用くださいませ。」
「驚くほど有能秘書になりおって⋯よし、向かうぞ主様!」
「了解。」
ゴーレム
魔力で動く土くれや鉱石でできた人形の魔物。自然発生する場合は魔力の貯まりやすい森や迷宮によく現れる。
素材にもよるが大きな体と怪力、魔力さえあれば動き続けることが出来る。
通常なら、ね。
「よっと、ここが地下か⋯真っ暗で何も見えないぞ?」
「む、どこかに採光窓か照明が無いものか⋯むん。」
フェアリーサークルが開いた先は今まで見た塔の中のどこにも似つかわない、三~四階分ぶち抜いたような高さの真っ暗な空間が広がっていた。天井は一階から漏れた明かりだろうか、ぼんやりと光っていた。
と、サーモが流した魔力に反応した何らかの装置が作動し俺たちのいる反対側から順にパッパッパッと床を照らし出し、いくつか照明が灯ってから最後に俺とサーモを浮かび上がらせた。
が。
明るくなった階層は伽藍堂で何にもない。あるとすれば足元から正面の壁の大きな扉に向かって伸びるレールのようなものだけだ。
⋯レール?
と、横にいたサーモがクイクイっと俺の袖を引っ張って⋯青ざめた顔で後ろを見ろとばかりに指さした。
振り向く二人。
「⋯?」
そこに見えたのは大きな大きな脚。
見上げるとそこには巨大な人間が片膝をついて鎮座していた。
それは⋯二人の目から見てもわかりやすく。
「「ロボだこれーーーーッ!?」」
しかも巨大な美少女ロボじゃねぇかコレ⋯。




