第三話 女神がようやく帰ったのでした
ちょっぴりラッキースケベが起こったりします。
⋯とりあえずこの自称魔族のダークエルフが言うには、、、下級ではあるが貴族階級の家に生まれた彼女は幼い頃から誇張癖のある両親に『我々は由緒ある魔族(様たちから信頼され恩恵を受けてきた種族)の後継者だ!』と教わり大きくなったので、ダークエルフだが魔族と名乗っていたらしい。
「それにしてもダイモンは凄いな、初めて出会ったはずなのにダークエルフを知ってるなんて!」
「俺のいた世界では想像上の種族なんだが見てきたように描写が細かい本とかあるからな。」
「そうぞうじょう?びょうしゃ?」
「⋯アクセ、お前もか。」
女神は『あとは若いおふたりにお任せしますね~、魔力の件はあなた様がこの世界にいるだけで大地に吸われていきますので~あとは好きなように⋯自動的に過ごしてください~』と残して帰っていった。今度誤用を正してやらねば。
この世界での生活に役立つからとヨグソトースから受け取ったのはこの二つだ。
・魔道具『どこでもキー』
俺がどんなところにいてもこの鍵を使うだけでこの家に帰ってくることができるらしい。そして応用すれば家を鍵にしまい込み、どんなところに建てることも出来る上に水道電気ガスが使い放題というチートアイテムだ。
唯一のデメリットは持っているだけで夥しい量の魔力を吸われ続けるので俺しか使えないとのこと。実験のためアクセに触らせたら一気に魔力枯渇に陥りかけたので慌てて取り上げたのだ。なんでも俺に触れていればこの世界の生物は魔力を受け取ることが出来るらしい。
もう一つは魔法。
基本的な属性の初級魔法と生活魔法と呼ばれる火を起こしたりする程度の魔法を少しと、『何のためにあるか分からない誰も使いこなせない魔法があるんですよ~』と受け取ったのは【エクスチェンジ】、つまり両替出来る魔法だ。
実はあれからスマホが使えないか試したところ、家の中限定ならばネットや各種アプリに通販も使えることが判明。元の世界への直接連絡や書き込みは出来なかったが通販やサイトの閲覧くらいは出来るらしいのだ。
試しに出前アプリを使ったところ注文直後にテーブルの上にピザが現れ、同時に財布から代金が消えた。
なのでこの世界の金を手に入れ、通販で日本からなんでも取り寄せられるという反則紛いのことさえ出来るらしい、なんという便利なチートだ。
「何だこの焼き菓子は!?甘くないがとてもうまい!チーズがネバネバでとてもうまい!!このシュワシュワの黒いジュースと一緒だと特にうまい!熱い!!」
「食レポまで語彙力ねぇのかよ!!」
なんで一緒に食ってんだこいつは⋯まあいいか。
「そうだアクセ⋯悪い、メシ中に声掛けて悪かった、ちゃんとそのコーラで口の中のモン流し込め、死んだりしないから。」
なんて食い方だ、ホントに貴族の一人娘かコイツ。
その、色々と⋯立派な双球を口からとろーり垂れたチーズがデコレーションしてとんでもないことになってるんだが。そして喉に詰まったのか顔面蒼白に。
「⋯ごっくん。⋯死ぬかと思ったぞ⋯で、なんだダイモン。うまいメシだったしちゃんと金は出すぞ?」
「違う、なんか街から来たようなこと言ってなかったか?よかったら案内⋯俺もストレーナとやらに連れてってくれないか」
「何だ、そのくらいならいくらでもいいぞ。腹ごなしにさっそく行くか!」
「待て、風呂入ってけ。なんでそのまま行こうとするんだよ、腐ってもお嬢様なんだろ?」
俺はアクセを風呂場に放り込むと外から使い方を教えてやり、、、
いや、覗いてねぇよ!?日本じゃ軽犯罪でもこっちじゃどうなるか分かったもんじゃないからな!まさか裸を見られたら結婚しろなんて言われryガチャッ!
「凄いなダイモンの家の風呂は!屋敷でもこんなイタレリツクセリ?じゃなかったぞ!」
どたぷん
まさにそんな擬音が似合いすぎるご立派なお身体でした。
出るところは出て引っ込むところは引っ込んだ湯上り褐色タマゴ肌、これはこれは見事な温泉卵ですな。
ウエストはキュッと引き締まってるくせにお尻はプリンっと自己主張し女性ならみんな羨むようなワガママボディだ⋯誰だエルフは貧乳スレンダーだなんて主張したやつは、モノホンはパないぞ。
⋯でも恥ずかしがったり怒ったりしないな?
「ん?なんだジロジロ見て。アタシに惚れたか?」
⋯違う、半端に箱入りなせいで常識無いんだコイツ。
この程度でスケベと言い張るな?そのうちもっとやりますってば。