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第三十一話 やはり忘れていかれたのでした

残念な扱いが定着しつつある⋯


俺達が出た先は五階、安全地帯(セーフエリア)と呼ばれる⋯サービスエリアかフードコートだよねコレ?

広い広場になったそこは大勢の冒険者たちがごった返していた。まだ昼にもなっていないのにすでに酒を口にする呑んだくれも少なくはない。

そして、ある一角で人が飛んだ。というかぶっ飛ばされた⋯。


「あー、ダイモーーーン!!どこいってたんだよ!」


飛んだ辺りからアクセが走り寄ってきて、俺に低いタックル⋯じゃなく抱きついてきた。


「ダイモンたちだけ二階に出てこないから心配したんだぞ!アタシたち来る途中ずっとそこら辺探しながら進んできたんだぞ、今だって下から上がってきた奴に聞いてたんだけどお尻触ってくるからテレビでやってたチカンゲキタイジュツってのでやっつけたんだ!」


N〇Kでよくやってそうなやつか?最近のはよく飛ぶんだな⋯。


「おうおうおめーさんがそこの嬢ちゃんの探し人かぁ?俺たちの仲間に手ェ出したんだ、落とし前つけてくれねェとなあ?」


声をかけてきたのは世紀末にいそうな屈強なミノタウロス。後には種族はバラバラだが悪そうな顔の連中が数人集まっていた。


「魔物はいなくても厄介者はいるんだな⋯あ、声に出ちゃった。

そもそもあんたの仲間がケツ触ったからだろーが。」

「はあ!?ンなもん誰が見てたってんだよ!言いがかりつけてんじゃねえよひょろひょろ野郎が!」

「「そーだそーだ、てめぇの女が先に殴ったんだろ!!」」

「ダイモンの⋯女⋯。」


赤くなるアクセ。今はそれどころじゃないと思いまーす。


「⋯黙っておれば⋯わらわとヌシ様の大きな樹の塔(テンペストツリー)に不遜な輩が勝手に上がり込んでおるようじゃのう⋯」と怒り心頭のサーモ⋯あれ、小さくなってる。


「なんだァクソガキ!さっさとおうちのママんとこでも帰りな!」

「お頭、俺これくらいが好みっす!」

「ロリコンかよ!」

「ひゃはははははははは!!」


「会話する余地すらないか、好都合じゃな。」


というとトコトコと壁まで歩いていき⋯、ドンと強く壁面を叩く。途端にそこからガバっと観音開きの窓のように壁全体が開いていき、外から枝が侵入⋯そして今の連中を触手のように絡めとり、外へポイっとゴミの如く捨てた。

悲鳴をあげて落ちていくヒャッハー達を一瞥すると壁は元通りに閉まっていく。


「わらわもおかしな者共を覚えずとも済むからな⋯、外は森じゃし死にはせんじゃろ。」

「サーモ?外はテーマパークだぞ?」

「え、なにそれ遊びたい。」

「そうじゃない⋯まあいいか、ありがとうな。」


頭を撫でてやる。

もうさっきまでの威圧感溢れる女王のオーラは見る影もないな⋯猫っぽい。


そして気づいた、サーモはやりすぎてしまったことに。

俺たちは遠巻きに冒険者たちからジロジロ見られていた、さっさと逃げるか。


「一旦逃げるぞみんな。」

「それならほれ、わらわの部屋に戻ればいいんじゃなかろ?」

「それ採用!サークル開いてくれ。」

「承知!」


サーモがキノコを投げて目の前に妖精の輪っか(フェアリーサークル)が展開、さっさとみんなを誘導して部屋にかけ戻る。


「ダイモン⋯⋯どこいってたんだよぅ⋯。」


そして戻って初めてサーモの部屋にシバを忘れてきたのに気づいたのだった。


「⋯そういやなんでここが俺とサーモのモノになってるの?」

「ヌシ様は全権を司るわらわの主じゃろう?」

「⋯まさか外に出るってそういう意味か?!俺に付いてくるとか?」

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