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第二十九話 意外ッそれは!でした

恐らくこれまでのヒントで魔族の正体に感づいた人もいるでしょう、たぶん。

ティターニア。

通常ならば15~6センチ程度の大きさしかない妖精族だが、妖精からの進化種とも別種とも言われるこの妖精の女王はヒューマンと変わらない体躯を持つ亜人種だ。⋯このサーモって子は⋯幼女に見えるんだけど。

そして長命で知られるエルフ以上、殺されたりしなければいくらでも生き続けるので古株は創世記から生きている者がいても不思議ではない。


「わらわの説明になにやら不敬の極みめいた文面を混ぜなかったか?」

「なんでモノローグわかるんだよ!」

「まあいい、わらわは寛容故な♪それよりほれ、いつから魔力をもろうてないか忘れてしまうたわ。」

「魔力をよこせとかサキュバスか?そんな亜人種聞いたことないぜ?」

「まあまあシバさん、(ここは下手に出て様子を見ましょ?)」

「(ああ。)」


頷き合い静かにすることにした二人。


「えーと、サーモ⋯様でいいのかな。」

「お主なら呼び捨てで構わぬ。サーモちゃんでもいいぞ?」


と、両頬を人差し指でつついて見せる。

⋯云百歳なんだよなこの人。


「じゃあサーモ。俺は魔族なんかじゃないぞ?なんせこの世界に来たばっかりなんだからな。」

「ん?魔族とはそういうものなのであろう?このテンペストの木を植え、わらわをティターニアに進化させてくれた魔族にそう聞いたぞ。」

「そういや数百年前にどっかの世界に移動したって聞いたんだっけ⋯。んで、魔力を渡すってどうやるんだ?」

「んー⋯それはもちろん。」とニンマリと笑ったサーモはとととっと俺に近寄ると⋯


むちゅっ


俺の背に手を回して顔を引き寄せ⋯あっという間もなく唇にキスしてきた⋯。


「なっ!?///」

「ちょ、、だんな様に何するんですか!!」


モスタが一瞬で人化を解いて襲い掛かってくる!!が、見えない力で軽くいなされ⋯横に吹き飛ばされたかと思ったらふわりと上から吊るされたかのように着地した。


「おぬしがその重さで突進してきたら愛しのだんな様ごと潰してしまうじゃろうが、浅慮よの。まあ良い、わらわは寛大じゃからな。」


よく見ると指からなにか出ているように見える、コレも魔法なのか?


「それにお主もなにを目を白黒している?魔族なら使い魔に魔力を分け与えるくらいするであろう?」

「俺はただの人間だからキスして魔力供給する使い魔いないの!」


あれ、いつのまにか目の前にいた幼女の背が伸びてるような⋯。

⋯確かに胸くらいまでしかなかったサーモが俺と変わらない程度にまで背が伸び、色んなところが大きくなっていた。


「くははははは!!見よわがナイスバディ!ぼんきゅっぼんじゃろう?」

「ボンキュッボンて今日び聞かねぇな!」


それにしても魔族ねぇ、まさかと思うが⋯。


「それにしてもなんと潤沢な魔力じゃ⋯かなりの量頂戴したはずじゃのに疲れた様子すら見えん。タクミのやつですらわらわに吸われたら枯渇気味になっておったというに。」


タクミ⋯?あまりにも日本人な名前が飛びだしたぞ?


「もしかしてだけど⋯その知り合いの魔族は日本とか地球から来たとか言ってなかったか?」

「いいや?」


取り越し苦労か、まさか魔族=俺の世界の人間かと思ったのに。


「奴めはキョートフなる世界からやってきたと言っておったぞ?リョクチャとかいう故郷の茶が飲みたいとよく申していた。」

「京都かよ!?」


繋がってしまった⋯そこらへんの出店で買ったのに異物感を感じない美味い料理、なんか未来の道具っぽいネーミングの魔道具にダンジョンの仕様とかゲームそのまんまだもんな⋯。おまけにギルドのアレなんかほぼタブレット端末だった。数百年前に現れた【魔力を扱うのにとても適した種族】は恐らく集団でこの世界に転移してきた現代日本人⋯京都府民もいたみたいだが。

アザトースに選ばれて呼ばれた訳では無いのだろう。多分世界を渡って消えたのは日本に帰る手段を見つけたからかもしれない。


⋯俺は向こうなんかよりこっちに未練が出来そうだけど。

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