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第二十八話 ついた先はてっぺんでした

やっぱりこうなったか⋯。

大規模ダンジョン【大きな樹の塔】。

晴れた日には馬車で半日かかるストレーナからでも見れるほどの大きさを誇る巨大樹。

はるか昔に魔族が植樹したと言われており、樹齢何年かなんてわかるものもいない。

ダンジョン内は樹の中に迷路のように広がって丁寧に地図まで売ってる⋯察知でマッピング出来ないかな?


さー⋯?なんかおかしいな。

違和感を感じたのでステータスを開いて確認してみる。するとトップに

魔法《察知(サーチ)》は熟練により上級魔法《探査(エクスプレーション)》にスキルアップしました。

と、出てた。

ちょうどいいや、じゃあ早速。


探査(エクスプレーション)


するとステータスとは別に3Dの立体映像の大樹か目の前に出てくる。ん?共有?

共有?ボタンをタップすると途端に仲間たちが驚きの視線を飛ばしてくる。


「えっえっ、なんですのこれ!?こんな魔法まであるんですの??」


一番食いついてきたのはベルチェ。


「え、見たことない魔法なのこれ?」

「⋯本っ当に規格外ですわね貴方⋯。これがこのダンジョンの地図なんですの??」


と、彼女が取り出したのは地図だ。数枚綴りで本みたいにも見える。


「これがダンジョン前で販売されている最新の地図なのですわ。気になるのは⋯ダイモンちゃん、一番上の階を細かく見れます?」

「ああ。」


立体映像の樹に触れスライド、指定された階のマップを広げてみせる。


「⋯驚くほど精巧な地図スキルですわね⋯。あ、ここですここ。こちらの地図にはここまでしか載ってないのに⋯ほら、貴方の地図には更に上の階が示されてますのよ。」


そう、今広げたマップは上から三段目なので最上階ではない。


「ダイモンちゃんの地図が正しいのであればまだ探索されていない未踏の場所があるということですわ!」

「テンション高いの珍しいな!」

「おっと⋯それくらいの事なんですのよ///」

「⋯ちなみにその地図って最新版ならいつ頃出たやつです?」

「⋯それ聞きたい?聞いちゃう?」


ベルチェはふふりと笑ってから「地図の内容としては百年前から変わってないのよ!」と再びテンション高めに言った。


「ふふふ、出遅れて正解だわ⋯!」

「ところで詳しく見てなかったけどこの塔何階まであるの?」

「ん?知らなかったの?ざっと50階ね。その立体地図?を見る限りは52階までありそうだけど。」


登るの大変そうだな⋯と思いながら大きな入口から進んでいくと⋯。

バザーが開かれてました。


『さあさあダンジョン攻略には欠かせない魔道具の灯火だよ!火がいらない優れものだ!』

『大きな樹の塔に来たならこれを買ってきな!名物ホーンラビットの煮込みだ!』

『魔法のスクロールはいかがですかー?魔法さえ書き込めば魔力無しで使えます!』


「あー今日は朝市だったか、気にせず二階に進もう。」とシバ。

「アクセ寄っていきたいぞ⋯」

「緊張感が台無し⋯。」


ある意味この世界らしいなと思いつつ俺たちはバザーの奥、一階の中心部までたどり着く。

ん?階段はなし?


「ここのダンジョンじゃ次のフロアに行くにはそこの魔方陣に乗るんだ、あっという間に次の階に行けるぜ。」

「首を落として身体だけ次の階に行っちゃった騎士様の話でもしようかしら?」

「ベルチェえええええ!!」

「きゃーこわーい☆」

「アタシが一番乗りだぞ!」


と、アクセがさっさと魔方陣に乗るとわずかに光り姿が消えてしまう。


「魔物がいるかもしれないのに⋯!さ、行きますよだんな様!」

「お、おう。」


とモスタは俺と近くにいたシバの手を掴んで魔方陣へ。

そして俺達が乗った途端、アクセの時とは比較にならない程魔方陣が発光し俺たちは一瞬で全く違う光景の部屋へ移動した。


「⋯ここが二階?」

「さあ、私も来たことありませんから⋯。」

「は???どこだよここ?二階がこんなに狭いなんて聞いたこともねえ!」


そこは一階とは雰囲気からして変わり、一面にコケが鬱蒼と生えた部屋だった。

周りに魔物の気配は無く、窓からは外の光が差し込んで真ん中の柱を照らし、神々しい雰囲気まである。


「え、ここ二階じゃないのか?」

「ああ、あたしの知ってる二回はもっと薄暗い通路の端に出る⋯はずなんだが。」


俺たちの出てきた魔方陣は一階で乗ったものより黒ずんでいて、試しにもう一回踏んでみたが反応はなかった。


「変なところに誤送されちゃったのか?」

「ごそう?間違って飛ばされたって意味なら正解だぜ⋯。」


「おい!そこの魔族。わらわの部屋を変なところとは不敬じゃぞ?」


突然部屋の中央から聞き覚えの無い声がしたかと思うと柱だと思っていたつる草のカーテンが開き、そこから女の子が現れた。


「おお、アタシを魔族とわかる奴がいるんだな!」

「お前ではないダークエルフ。そこな黒髪の男のことだ。」

「俺か!?俺は人間だぞ?」

「げっ、ダイモン構えろ!こいつは塔の魔物の中でも特に厄介なアルラウネだ!」

「ええい、静まれい!!わらわを魔物扱いとは不敬きわまるデュラハンよ!そしてそこな男!そんな馬鹿らしい魔力量のヒューマンがこの世にいるか!ただの人間がそんな火で出来た剣など持つわけなかろう。」


俺はシバの言葉に一瞬で両手に火焔刀を出していた。なんか戦いにならない気がしたのでさっさとしまっちゃったが。


「魔族とは久しいな、やっとわらわに魔力を与えに来てくれたのかと思ったに。」

「あんたは一体⋯?」

「あんたではない、そしてわらわはアルラウネではなくティターニア、妖精の女王ティターニアのサーモ・オヴェロンと言う。ようこそ魔族の男よ、【大きな樹の塔(テンペストツリー)】の最上階、わらわの間へ。」


俺の異世界で出会った初めての妖精だった。ていうかいきなり頂上!?

一応ヒロインではない予定です(予定は未定)

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