第二十六話 手合わせは避けられたのでした
何かダイモンにちょうどいい武器ってありませんかねぇ?
翌日。
みんなは予想通り⋯いや、ピンピンしていた。あれだけ泥酔したら普通は二日酔いだろうに、あれかこの世界の人は酒に強いのか??
⋯ホルスタウロスのおねーさんが一人潰れて寝てるからそうでもないっぽいな。ギルドの施設だし寝かせておこう。
「よし、今日こそダンジョンに挑戦だ!⋯調子悪い人いないよな?」
「「「「いませーん。」」」」
「おやつは三百円までだぞ!」
「「「「円ってなんですかー!」」」」
「銅貨半分くらいだ!」
「「「「バナナはおやつに入りますかー?」」」」
「バナナは総合栄養食だからご飯なので入りません!」
「「「「わーい!」」」」
バナナ大好きか!!
さて、真面目にやろう。
「えーと、食料は俺のストレージ⋯アイテムボックスにしまうからいいとして、あと必要なもんとかある?」
「正直に言いますと本来ドロップアイテムを持ち帰るボックススキル持ちさえいればあとはお金くらいしかいりませんわね」
答えたのはベルチェ、さすがシバと登った経験があるだけある。
「お金?なんで?」
「ダンジョンの中には安全地帯と呼ばれるものが何フロアかに一つあるんですわ。そこに簡易宿泊所や道具屋にイートインスペースもあるんですの。そこまで到達すれば入口まで帰れて次回挑戦する時同じエリアから再スタートできますわよ。」
「⋯さすがアトラクション扱いされるだけある。」
「あとはこの腕輪。今いる場所を教えてくれますから迷って出られなくなっても腕輪を目印に捜索クエストを受けたほかの冒険者が見つけてくれるし、ダウンした者は魔物から見つけられなくなる魔法もかかっています、もちろん人には見えるようになってますよ。」
「完全にアトラクションだな⋯、魔物の強さは?」
「ご主人さまなら平気にゃん、肩がぶつかるだけで倒せるレベルにゃ。」
「なにその世紀末覇者。」
そんな魔法はない。炸裂装甲とか反射魔法壁とかあるのかな⋯。
「ダイモンの強さってのは所詮魔法なんだろう?特殊なモン覚えてるわけじゃなきゃ騎士には勝てないぜ?」
「魔法一つとってもダイモンちゃんはまだまだ駆け出しなんでしょう?遊園地みたいとは言ってもケガしちゃうわよ?」
「ふむ、確かに俺は武器で攻撃とかはあんまり想像つかないけど。」
《炎の柱》
《収縮》
二つの魔法を全く同時に発動し、炎の威力を凝縮して剣の形に。イメージは刀身が炎で出来た日本刀だ。そして持ってみる、うん全く熱くないな。
「ほ、炎の剣!?」
「はい!?魔法の並列起動なんてどうやるんですの!?」
初めて俺の魔法を見たシバとベルチェは今までの態度がコロッと変わり素直に驚いていた。
少し気を良くした俺はさらに部屋の中に無数に剣を浮かべてみせる。もちろんきちんと火力を抑えてあるので引火するようなアホな真似はしない。
「⋯ダンジョン前に手合わせ願おうと思ってたけどやめとくぜ⋯あ、剣技だったら教えてやれるかも⋯?」
「⋯えへへ、お姉さんをちゃんと守ってね♪」
二人の反応を見るにこんな魔法は存在しないらしい。何かいいネーミングでも⋯
「そうだ、《火焔刀》とかって名前はどうだ?」
「ホントに即興でやった魔法かよ!!にゃ。」
「⋯アクセはもう驚かないのだ。」
「ええ、私たちはホント派手に魔物を狩るの見ちゃいましたしね。」
スっと手を振って剣をすべて消すといい魔法が出来たと上機嫌になったダイモンであった。
彼らはダンジョンで遭遇する恐ろしい自体にはまだ気づいていない⋯。(嘘フラグ)




