第十三話 それは新たなチートでした
神様クシャミしたらそのままお盆落とすんじゃないですかね?
「女神ヨグソトース!!ちょっと話があるから来てくれーーーー!!!」
「は〜い?なんでしょ〜?」
「ノータイム!?」
今日久々に女神を呼んだのは俺の力を試したかったからだ。
あんな魔法は適当な場所でやったんじゃ地形が変わりかねない⋯ん?今日は肩に変な鳥がとまってる?
「女神???今スって出てきたその人女神様なのにゃ!?」
「ええ、女神ヨグソトースと申します~。もう三人も彼女さんがいるんですねぇ~やるじゃないですかダイモン様~♪。」
今日はアクセとモスタはお留守番だ。なんでも見たいテレビがあるとか⋯すっかり家に毒されよって。
で、仕方ないので興味津々だったエレンだけ連れてきたのだ。
「女神様って主神イタクァ様とは違うんですにゃ?」と、俺をつつく彼女。
「俺もそこら辺の細かいことは知らないけど、この女神様いわくそんな名前の神様はいないらしいぞ?この世界の主神はアザトースっていうらしいし。」
『いかにも。イタクァなんてやつは吾輩は知らぬからな。』
ん?今誰が喋った?
「アザトース様~人間の皆さんには自己紹介が必要ですよ~。」
『む、そうであったか。人間の常識?だったか?には疎くてな。』
「でっかい鳥が!?」「喋ったニャーー!?」
主神アザトース。
この異世界アザトースの名の由来にもなっている巨神である。
どのくらいかと言えばその両の手で異世界アザトースをさながら丸いお盆でも持つように常日頃支えているというのだ。
そして俺をこの世界に呼んだ主犯格でもある。
なんで鳥になってるかは知らん。
『この鳥か?吾輩の体は大きすぎるのでな、そのまま会いに来ることなど罷りならん。なので髪の毛の先を使い魔に変えこうしてやってきたというわけだ!』
「⋯だそうだ。エレン、イタクァ様ってのは眉唾らしいぜ?」
「うへぇー、そんなのはどうでもいいにゃ⋯今土下座してひれ伏せようかお腹を見せようか迷ってるとこにゃ⋯。」
「そんなことはしなくてもいいですよ~、誰もアガメられたい?わけではないですから~。」
女神もメモ帳持参で通常進行のようだ。
「んで、主神アザトースが何の用だ?俺を喚んですまなかったとでも?」
『なんで謝らなければならぬのだ?吾輩はこの世界の均衡をはかる為に汝を召喚しただけだからな。』
なるほど、神様は人間一人ひとりの機微など推し量る必要も無いってか。
「アザトース様~、イチオウ我々は無理やりダイモン様を転移させたわけですから~。」
『そうさなボーナスを何も与えていない、というのが問題なのか?』
「ああ、ブラック企業ってやつにゃ。」
「わかりやすい。」
『わかったわかった。ならばお主には新たな能力を渡すことにしよう。《空間創造》という、魔力が無限でなければ使えないスキルだ。』
「⋯それ結構な死にスキルじゃにゃいか?」
ふむ、それを使えば最初の目的は叶うな。
ふわっと羽ばたきもせずに俺の腕へ移ってきたアザトース(の使い魔)は軽く光るとまた女神の肩へ戻って行った。
恐らく今のがスキルの受け渡しだったのだろう。
《空間創造》
発動した瞬間、そこに現れたのはドアの形に風景を切り取ったようなヒト一人くぐるには十分な大きさの穴だった。
『そこから入れるぞ。中は今のお主のレベルならば都市ひとつ分といったところか。よし我々も向かうぞヨグソトースよ。』
「は~い。」
スっと飲み込まれるように消える二人の神様。
⋯これもしかしてこのまま入口閉じれば出てこれなくなるやつじゃね?
『ちなみに吾輩達なら出れるが人間には不可能だ、そこはうまく使うように。』
「頭の中読めるなら先に言ってくれませんかね!?」




