第十話 ありがちな襲撃でした
オーガホーン
角ウサギホーンラビットがボスモンスターへ進化した種族と考えられている巨大なうさぎの魔物。
大きくとも秋田犬程度の大きさしかない通常種に比べこの個体はヒグマにも勝るほどの体躯を持ち、うさぎ特有の瞬発力と雄々しく鋭利な二本の角を持つ。
討伐クエのランクはB以上⋯そんなものの素材をEランクパーティの俺たちが交換所に持ち込めば騒ぎになるのは当たり前だった。
「えっえっえっ!?あなたがただけでオーガホーンを倒したんですか!?そんなEランクはいませんよ!!」
ミランダさんの言いたいこともわかるが⋯とりあえず持ち込んだのは
・穴だらけのオーガホーン まる1匹
・原型は留めたホーンラビット 36匹分
・集められるだけ集めた魔石 73個
・キレイなものだけ拾った角 23本
肉はみんなで美味しくいただき、すこしストレージに残ってます。
「さすがに前例がなさ過ぎます、少し計算に時間がかかりそうなので観光でもいかがですか?うちのものに案内させますので。」
「いいんですか?ありがとうございます。」
なぜかミランダさんにウインクしてから紹介された案内役のエレンさん⋯何故かメイド服のワーキャットの亜人さんに連れられ俺たちは今まで訪れなかった市場を見ることになった。
「こちらが港町としてのストレーナですニャー♪この大陸にはない珍しいものも沢山ありますよー。」
「へえー。」
というか俺はこの大陸⋯というか世界にあるもの全てが目新しいのでワクワクしながら買い物を楽しんで⋯たかったのだが。
「エレンさん⋯この市場はならず者も名物なんですか?」
「なかなか鋭いですニャア、あれだけギルドで派手にしちゃいましたからニャー⋯あちしも加勢するのでまとめてふんじまっちゃいましょうニャ。」
俺はステータスの習得ととも常に起動してる魔法がある。
《察知》
これはステータスウィンドウにマップを追加でき、敵性反応をキャッチすると教えてくれるようになっている。此方に害意持つものは魔物だろうと人だろうと赤い点で表示できる便利魔法だ。味方は青でどちらでもなければ白。
⋯俺のすぐ隣はエレンさんのはずなんだが⋯赤いな。
俺は彼女の肩に手を乗せる。
「ん?なんニャ?」
《氷柱》
途端に肩まで氷の柱に呑み込まれるワーキャット。
「ぎにゃーーっ!?!?何すんだてめぇ!!」
「「「姐御ーーっ!!」」」
素が出て大騒ぎするエレン⋯どうやらならず者共の仲間かと思ったらボスだったらしい。
「姐御に何しやがる!姉御は冒険者として実力の無い俺たちにいいカモがいるから捕まえるぞって教えてくれてんだぞ!!」
「素直すぎないかお前ら!!」
《氷柱×15》
盗賊全員簀巻きにしてと⋯
「この世界では犯罪犯したヤツらはどうなるんだ?」
「えーと、軽い犯罪なら牢屋行きの上ありがたいお説教をこんこんと聞かせるとかもありますけど、人を傷つけようって罪でしたら⋯。」
モスクは自分の糸で氷のアートを数珠繋ぎにして
「磔か⋯よくても犯罪奴隷でしょうね、最低でも10年以上。」
とニヤリとダークネスに笑った。
⋯ポンコツでも一応アラクネなんだなこの子も⋯。
奴隷なんかいらないけど一応ギルドに突き出すか。
語彙力が低いだけかと思いきや民度も低かったようです。




